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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (12)

  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は16問であるが,そのうち2つの学部が10問を占めた(教育と商)。昨年もそうだったが,偏りが激しい。 18.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>2 設問7 下線部Gの事態は(編註:アメリカ大陸にはそれまで存在しなかった感染症が持ち込まれ,ヨーロッパ大陸にはトウモロコシやトマトなどがもたらされた),アメリカ大陸に到達した航海者の名にちなみ,何と呼ばれるか,記述解答用紙の所定欄に記しなさい。 <解答解説> 盲点事項。歴史好きは当たり前に使っている言葉だが,言われてみると高校世界史にはなかった。正解は「コロンブス(の)交換」。なお,新課程の世界史探究の教科書・用語集には記載されるようになった。フライング出題である。 19.早稲田大 文化構想学部(2つめ) <種別>難問 <問題>3 次の史料は,桑原隲蔵『考史遊記』(岩波書

    narukami
    narukami 2024/03/19
    「とはいえ,受験という場においては作問者が圧倒的な上位者・権力者であるので(この自覚がない大学教員は多い),受験生は信用して付き従うほかないのである。毒親と子のようだ。」
  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国公立大)

    1.共通テスト 世界史A <種別>難問 <問題>1 問6 文章中の空欄〔 エ 〕の都市の歴史について述べたうとえの正誤の組合せとして正しいものを,後の①〜④のうちから一つ選べ。〔 6 〕 (編註:空欄エは南京を指す。) う 太平天国が都を置いた。 え 李自成によって占領された。 ① う−正  え−正 ② う−正  え−誤 ③ う−誤  え−正 ④ う−誤  え−誤 <解答解説> うは基礎知識で正文と判断できるが,えは順王朝の支配領域なんて世界史Bでも習わないし早慶でも出ない。超難問である。順の最大領域は華北に限られるので,えの文は誤文であり,正解は②となる。作問者はおそらく「北京」と「南京」を入れ替えて誤文という極めて安直な発想で作ったと思われるが,こうした正誤判定の作問では入れ替える前後で比較するだけでなく,入れ替えた後の文単体で判断して妥当かどうかを検討する必要がある。問は検討不十分

    narukami
    narukami 2024/03/18
    じゃがたらお春はなんか名前だけ知ってるな コルネリアの話面白かった
  • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も書き上げることができたので公開する。いきなり告知から入るが,もうすぐ4巻が発売する予定なので,お買い求めいただけると幸いです。4巻の校正作業はほぼ終わっているが,この2024年の記事と作業時期が重なったので,今年は少し大変だった。 【速報】突然ですが『絶対に解けない受験世界史4』を出版します! 著者は稲田義智さん@nix_in_desertis です! https://t.co/orMarDPCeo pic.twitter.com/bMYXPPMiss — パブリブ (@publibjp) March 15, 2024 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せ

  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

    昨日の続き。日は国立大をお届けする。集まったのはいつもの面々であった。一番注目されるべき問題が共通テストの日史Bだったりするのは例年と少し違うところかもしれない。長くなったのでおまけは無し。東京外大は未入手。 1.共通テスト 世界史B <種別>??? <問題>3 C 中国における書籍分類の歴史について,大学生と教授が話をしている。 内 藤:18世紀の中国で編纂された〔 オ 〕の「四」という数字はどういう意味ですか。高校では用語として覚えただけで,深く考えませんでした。(編註:空欄オの正解は『四庫全書』) 教 授:〔 オ 〕に収められた書籍が,四つに分類されているためです。これを四部分類と言い,経部・史部・子部・集部からなります。 内藤:なるほど,例えば儒学の経典なら経部に,歴史書なら史部に分類されているという具合でしょうか。 教授:そのとおりです。史部について少し具体的に見てみましょう

    narukami
    narukami 2023/03/20
    「入試問題作成は立派な教育活動の一環なのである」
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

    昨日の続き。日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は14問であるが,そのうち3つの学部が10問を占めた。少し偏っている。 〔番外編〕早稲田大・文化構想学部 <問題>5 設問3 図Bは,フランスの画家ピュヴィ=ド=シャヴァンヌが1871年から1872年にかけて「希望」をテーマに制作した作品の1点である。ここでは,白いドレスを着た女性が平和を意味する小枝を持ち座っているが,その背景には荒涼とした風景が広がり,墓地や十字架が見え戦争の痕跡がうかがえる。この絵の構想の着想源となった,製作時期にもっとも近い年代に行われた戦争は何か。次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙の所定欄にマークしなさい。 ア ライプツィヒの戦い     イ アロー戦争 ウ プロイセン=フランス戦争  エ クリミア戦争 設問4 図Bについて適切に説明している文章を,次のア〜エの中から一つ選び,マーク解答用紙

    narukami
    narukami 2023/03/18
    「モノクロで判断させるのは酷」
  • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。3巻が好評発売中なので,過去の年度,特に早慶・国公立以外を見たい方はぜひお買い求めください(初手宣伝)。 <収録の基準と分類> 基準は例年と同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作問者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史の範囲」は,「山川の『用

  • nix in desertis:【2022年版】上智大神学部の〔学部独自試験〕入試問題を解いてみた

    昨年に問題が独特すぎて物議を醸した上智大・神学部の入試問題であるが,今年の問題も赤に掲載されていたので早速解いてみた。結果から言えば,方向性は維持されていたが,随分と簡単になっていた。何よりも大きな違いは問題数である。2021年度には試験時間75分で,記号選択・語句記述問題が60問ほどに加えて,600字の論述問題が2問という分量であったが,2022年は試験時間75分は変わらず,記号選択が6問+語句記述が8問に,論述が40字が1問と200字が1問の計2問だけであった。記号選択・語句記述問題が約1/4に,論述問題が20%に減ったということになる。これだとかえって時間が余るのではないか。 それでも赤は昨年同様に解答例を省略していた。通常の科目に当てはまらないものは解答を載せないという方針があるらしいことに加えて,解答者が確保できないために省略していると思われる。とはいえ赤が載せていないとい

  • nix in desertis:ゴヤとマネという様式分類上の困難を高校世界史でどう扱うか

    久しぶりの高校世界史深掘りシリーズ。 言うまでもなく,様式史とは同時代または後世の人間による整理である。ゆえに画家個人を必ずどれかの様式に入れないといけないわけではない。実際に,どうにも分類しがたい画家は存在する。しかし,専門家や好事家はともかく,一般教養や高校世界史のレベルだと,有名な画家をどこかしらのグループに入れることが要請される。この画家は一人一派なので型にはまらないのです,という説明を通すのは難しい(なぜ難しいのかわからないという人はすでに世間の知的水準や感覚から遊離している自覚を持つべし)。どこのグループにも入らない理由の説明をしようものなら,世の中には一般教養として求められるものが無数にあるのだから,込み入った事情を把握するくらいなら別のものを学んだほうが効率がいい,という反応をされてしまうのが常である。これは知っていてほしいと思う側にも望ましくない状況で末転倒である。だか

  • nix in desertis:私的フェルメール全点制覇への道も折り返し

    上野の森美術館のフェルメール展に行ってきた。フェルメール10点を含むオランダ黄金期の絵画49点の豪華な展覧会である。ただし,フェルメール10点のうち初来日は4点,そのうち2点は東京展のみの展示でしかも入れ替え,最後の1点は大阪会場のみの展示ということをやらかしてくれているので,新作4点を全て見るためには3回足を運ぶ必要がある。しかも入場料は一般的な設定よりもかなり高い2500円なのだから,わざとやっているなら相当アコギである。一応,料金は音声ガイドを強制配布しているのでこの料金も含まれていると思われるが,全部聞いた結果で言えば別に要らなかった。要らんから500円下げてほしい。それでも二回行ってしまったので私の負けである。 入場は2時間おきで,完全入れ替え制ではなく,一度入ったら追い出されることはない。しかし,47点しか展示がなく,音声ガイドを聞き終わったら移動という流れで動いている人が多い

    narukami
    narukami 2019/02/27
    「新作4点を全て見るためには3回足を運ぶ必要がある。しかも入場料は一般的な設定よりもかなり高い2500円なのだから,わざとやっているなら相当アコギである」
  • nix in desertis:「受験世界史の音楽史がやばい」に寄せて

    ・受験世界史の音楽史がやばい(増補あり)(allezvous’s blog) これの受験世界史側から見たあれこれを。 ・そもそもこんなに覚えなくてもよい 私をして見たこと無い入試問題がめちゃくちゃ多い。これは私が00年代半ば以前だとさすがに私大は綿密に解いていないという事情があるので,半ば私の調査不足が原因である。とはいえ元のpdfに掲載されている入試問題の年度を見ていただけると,2001年や2003年の問題がけっこう含まれており,中京大や愛知淑徳大といった,あまり特別に大学別の対策をしないような大学の入試問題からも拾っている。このプリントの作者は,中堅以下の私大に限れば私よりも断然研究している。 逆に言ってしまうと,そこまでしないと音楽史の入試問題抜粋集なんて作れないのである。拙著でも何度か取り上げているが,高校世界史は明らかに文学偏重であって,扱いの重さは文学>美術・建築>その他である

    narukami
    narukami 2018/11/21
    これもわかる
  • nix in desertis:『けものフレンズ』感想

    ご多分に漏れず,私も最初は全くのノーチェックであった。そして作に気づいたのは,骨しゃぶりさんのこの記事だった。 ・アニメ『けものフレンズ』は人類史600万年を探求する 正直,この記事を読んだ最初の感想は「まーた骨しゃぶりさんは大げさに書きおってからにwww」だったのだが,1話を視聴してマジもマジだったので椅子から転げ落ちた。よくもまあ1話にあれだけ詰め込んだものだ。確かそれが1月27-28日頃で,まだ2話と3話の切り替わりくらいの時期だったと思う。3話までは立て続けに見てすっかりはまってしまった。おそらく同じような行動の人は少なからずいて,あの記事は『けものフレンズ』受容史を作るとしたら欠くべからざるものだと思う。世間的に爆発したのが2/6頃だそうなので,自分を含めてあの記事で見始めた勢は比較的アーリーアダプターの部類といえるかもしれない。もちろん,アプリ版からの支持者や1話ですぐ気づい

  • nix in desertis:それでも白鵬が優勝する

    仕事が糞忙しい中なんとか見た秋場所が終わった。そんな中見たせいか内容に乏しかった気がしたのだが,twitterのTLを見ても同じような反応の人もいたので,気のせいではなさそうだ。一方好角家には高評価の人もおり,よくわからない。もっとも,その人でも「幕内上位は低調」という評なので,少なくとも上位陣がひどかったのはそれなりに共通見解が取れそうである。 とりあえず,NHKを含めて世のマスコミに言いたいのは,安易に白鵬盤石というのはやめないか。どう見ても今場所の白鵬は盤石でなく,力量の低下というよりも単純に不調でもあり,完全にだましだまし,それも省エネで取っていた。どちらかというと,それでも優勝できてしまったことのほうが問題であろう。白鵬の省エネ相撲の弱点を突いて完勝したのは豪栄道だけであり,情けないことに琴奨菊・鶴竜・稀勢の里・日馬富士と全員秒殺に近い状態であった。白鵬が万全で勝率の高い勝ち方を

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