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ブックマーク / ohnosakiko.hatenablog.com (134)

  • 父と唱歌 - ohnosakiko’s blog

    介護付き有料老人ホームに入所して一週間になる父87歳を、先日の月曜日、初めて一人で訪ねた。実家の母はこれまでのバタバタが一段落ついたところで、疲れが出たのか熱を出して寝ている。夫が一緒に行く予定だったが、一人で行くことにした。一人で行きたい理由があった。 母の話では、入所から三日目に叔父(母の弟)を伴って出かけたところ、廊下にいた父は手を広げて待っていて、「会いたかった、会いたかった」と泣き出さんばかりにしがみつき、「病院の方が良かった」だの「島流しに遭ったようだ」だの不満を並べ立て、いくつも施設を回ってさんざん悩んだあげく、見た中では一番良い(その分料金も張る)ところを父のために選んだ母は、心底ガックリして帰ってきたそうだ。 ところが一日置いてからまた訪ねると、今度は打って変わって上機嫌で「あれからよく考えて、いいところに入れてもらったと思った」と何度も感謝の言葉を繰返したという。どうや

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  • 1964年の夏、波にさらわれたビーチボールの話 - ohnosakiko’s blog

    海とマリ ― 少女の思い出 それは、わたしがまだ五つぐらいの女の子だったころのことです。 そのころ、わたしのおとうさんは、とても遠いところにある学校の先生をしていました。その学校は、きれいな海のそばにあるので、ある夏の日に、おとうさんは、わたしをその学校のそばの海につれていってくれました。 電車に乗る駅についたとき、おとうさんはわたしをその駅にあるデパートにつれていき、ビニールでできた、水玉もようの大きなマリを買ってくれました。それから長い時間、電車に乗って、おとうさんの学校がある、海のそばのいなかの町で電車をおりました。 私は、海を見るのがはじめてのことでした。広い海、いっぱいの水、こわい波、海はひっきりなしに動いていました。 そこでは、おとうさんの学校の学生さんたちが、水泳の練習をしていました。おとうさんが号令をかけると、学生さんたちは海にはいって泳いだり、海からでて休んだりしました。

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  • 茶渋の妄想 - ohnosakiko’s blog

    麦茶を入れて冷やしておくプラスチックのポットの底に、うっすらと茶渋がついているのを見つけた。長いブラシを突っ込んで掃除する。 ブラシが粗いせいか隅の方がきれいに落ちなかったので、古い歯ブラシで擦って落とすことにした。こういう時、古歯ブラシは重宝する。 もし掃除をしないでいたら、どんどん茶渋はポットの底に溜っていくだろう。それでも掃除しないで使っていたら、茶渋の層は何ミリ、やがては何センチという厚さになるのだろうか。ポットの口近くまで、30センチくらい堆積した茶渋というのは、あり得るのだろうか。膨大な時間がかかるだろうが、理屈としてはあり得る。 仮に1ミリの厚さの茶渋が形成されるのに、100回麦茶の投入が必要だったとする。一日でそのポットの麦茶を飲んでしまうとして、100日。だいたい、冷たい麦茶を飲む初夏から初秋までの期間に相当。 そうすると1センチの茶渋が形成されるには10年かかり、それが

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    narwhal
    narwhal 2012/08/14
    「ポットの口近くまで、30センチくらい堆積した茶渋というのは、あり得るのだろうか。膨大な時間がかかるだろうが、理屈としてはあり得る」
  • 隠喩から換喩へ、そして‥‥(「文学2.0」読書メモ) - ohnosakiko’s blog

    『日2.0 思想地図β3vol.3』に掲載の「文学2.0 余が言文一致の未来」(市川真人)読了。メインの分析対象として取り上げられている国民的マンガ『ONE PIECE』を読んでいないばかりか、そもそも最近の小説や文芸批評にもほとんど目を通していない私のような者にもわかりやすく、かつ刺激的な論考だった。 主要テーマである「隠喩から換喩へ」は、個人的には既視感があったのだが、そのことで一層テキストが興味深く読めた。これについては後で述べたい。 15章46ページに渡る論考全体の論旨をまとめるのは私の手には余る*1 ので、「隠喩と換喩」を中心に述べられた10章あたりまでを、テキスト参照しつつざっと復習してみる。 1、『ONE PIECE』が少年ジャンプに掲載されたこの15年、20世紀末から21世紀初頭にかけては、「言説とその流通をめぐる環境」が急速に変化したが、明治の一時期にも似たような変化が

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  • 出席しているのにレポートを出さない学生の謎 - ohnosakiko’s blog

    レポートを採点し成績表をつけていて、毎年不思議に思っていたことがあった。 私の授業ではたとえば100人履修届けを出していた場合、出席をクリアして単位認定試験(レポート)資格を得るのが80人前後。しかしその全員がレポートを提出しているかというと、そうではない。だいたい10数人は未提出。で、失格となる。今年でジェンダー入門の講義をもって9年目だが、この4、5年でそういう学生が少し目立ってきた。 講義の終わりの方で休みがちになってレポート書くのが面倒臭くなったり、教務科への提出が時間的に間に合わなかったりというケースもあるかもしれないが、それにしても人数が多い気がする。 レポート課題(映画分析5枚以上)については、3週間以上前に授業内で伝達し詳細なプリントまで配っている。他のほとんどの教養科目は試験らしいので、よほどのことがなければ書く時間がなかったということはないはず。 レポート未提出の失格者

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  • buu‥‥ - ohnosakiko’s blog

    注意!お事前の方とシモネタの苦手な方は御遠慮下さい どうも私は、家族の前で平気でオナラをする男性と暮らす運命にあるようだ。 家族の前だったら普通じゃない? そうかもしれない。私も家ではオナラくらいはしています。相手も音出しでするので、私もちょっとくらいはいいやということで。それでもなるべく控えめにするようにはしている。 しかし男性は、わざわざ音を聞かせたがる人が多い気がする。父も昔よく豪快なオナラをしては、母や妹や私が「ちょっっとー!」と厭がると、ニヤニヤしながら「いい音だったろ?」と言うような人だった。オナラによるハラスメント。略してナラハラ。 夫もそうなのである。もちろん最初の半年くらいは、聞いたことがなかった。初めて音出ししてしまった時は、顔を赤らめて「あ、ごめん‥‥」「で、でちゃうものはしかたないし」。初々しかったな、あの頃は。しかし一回してしまってから後はもう承認を得たと思った

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  • 貧乏人はこっそり猫を飼え - ohnosakiko’s blog

    少し前に、「生活保護者はを飼うな」という増田記事があった。 将来、仕事も家も失って生活保護のお世話にならないとも限らず、その時に、うちの今春14歳になる老犬はたぶんもういないだろうが、1歳半のはもしかしたら生きている可能性もあるので、人ごとではないと思った。 一人暮らしで53歳の友人は、一昨年の秋に長年飼っていた愛を亡くし、もうは飼わないと決めたという。「だって今から子飼っても私が先に死ぬかもしれないし、そうでなくても、もし満足に面倒看れない状態になったらが可哀想だもの」。たしかに、ペットを飼うにはそれなりの覚悟と見通しがいる。 さて、その記事のはてなブックマークの中で、 amerio 社会 収入の低い人ほどペット買う率高い気も確かにするけどね。社会への劣等感から自分より低位の従属者を作りたいとかそういう心理あるかもしんない。 2010/01/09 というコメントを読み、「うー

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  • 老人たち - ohnosakiko’s blog

    父を介護している母を訪ねてまた実家に行くと、「今、これ読んでるの」と母が差し出したが、『母の遺産 新聞小説』(水村美苗、中央公論新社、2012)だった。 母の遺産―新聞小説 作者: 水村美苗出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/03メディア: 単行購入: 3人 クリック: 52回この商品を含むブログ (29件) を見る 家の中は綿埃だらけで、洗濯物も溜まりに溜まり、生え際に出てきた白髪をヘナで染める時間もなく、もう疲労で朦朧として生きているのに母は死なない。若い女と同棲している夫がいて、その夫とのことを考えねばならないのに、母は死なない。ママ、いったいいつになったら死んでくれるの? 親の介護、姉妹の確執…離婚を迷う女は一人旅へ。『小説』『日語が亡びるとき』の著者が、自身の体験を交えて描く待望の最新長篇。 (amazon「商品の説明」より) 新刊情報に疎くて未読だった

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  • レポート要領 - ohnosakiko’s blog

    この間の記事に反応が多かったので、レポートについて。 単位認定に、テストではなくレポートを課しているケースは、どのくらいの割合であるのだろうか。私の行っている地方の芸術大学では少ないようだ。テストが多い。採点が楽だということもあるのかもしれない。 私の場合は半期の授業内で四回ミニレポートを書かせており、成果を総合的に見るにはやはりまとまった文章が良いと思っているので、ずっとレポート課題にしている。人数が200人近くいて読むのが難儀ではあるが、やはり学生の書いたものはいろんな意味で面白いし、読んで驚きたい(いい意味で)という期待もある。二年に一回くらい驚ける(いい意味で)。 大学に入るまでに小論文などで訓練している学生はほぼ皆無だが、講義の中でその特訓をする暇もないので、ミニレポートを取り上げる際に「ここをもっと突っ込んで書いた方が良い」「この日語はこうしないと意味が通らない」などの短い指

    レポート要領 - ohnosakiko’s blog
    narwhal
    narwhal 2012/03/18
    「レンタルショップに行くところから書くな。いきなり内容から始めよ」「映画の内容に関連して個人の体験を例に挙げるのは良いが、恋愛相談などは書くな」「ストーリー説明が一枚を超えるものは不可」wwwww
  • 言い張れば通るという感覚  - ohnosakiko’s blog

    大学の講義関係で出くわした例について今までも何回か書いたが、今回はこの10年で一番驚いたケースについて。*1 ある時、単位認定レポートの中にネット上にある映画の感想文からの剽窃を数件発見し、不可にして成績表を提出した。証拠としてそれぞれのアドレスも添付。 成績発表日、教務から電話がかかってきた。剽窃で不可になったうちの一人が、自分のレポートのコピー(必ずコピーを取っておくように言ってある)を持って「自分はやってない」と言いに来たという。レポートの半分以上を剽窃したテキストで埋め、ところどころ語尾を変えたり単語を入れ替えたり言い回しを変えたりしていた学生である。無駄な小細工のせいで、却って日語が不自然になっているところが幾つかあるが、9割方同じだった。やってないなんてことはあり得ない。『七人の侍』と『荒野の七人』くらいあり得ない。いやそんないいものではない。 教務の人曰く、「提出して頂いた

    言い張れば通るという感覚  - ohnosakiko’s blog
    narwhal
    narwhal 2012/03/08
    「そのページは確かにレポートを書く前に見た。でも写した覚えはない」wwwww / 「そこにカンペがあったのは直前まで暗記のために見ていて、仕舞い忘れたのだ」
  • 専業主夫願望を叶えるために - ohnosakiko’s blog

    家事万能ホスト 『バックラッシュ!』を非難する(深夜のシマネコBlog)……「女性が社会進出したために仕事を奪われた「弱者」の男は困窮している。誰か僕をお嫁にもらってくれ」という主張。 上のブログ主は、フェミニズムが「男女平等」を唱えるなら、社会進出して経済的に「強者」となった女性は、今までの男が女にしてきたように、仕事に就けない「弱者」の男性を扶養すべきであり、男性にも専業主夫ルートが用意されるべきだと言っている。 そこを押さえないで、女性の権利ばかり主張するのは「弱者」男性を切り捨てた「女性優遇」にしかならず、そうしたフェミニズムに対してバックラッシュが起こるのも当然ではないかとの見方。 これに対していろいろと意見が出た。私が見たのは以下の通り。 共感はできても賛同してはいけない「『バックラッシュ!』を非難する(macska dot org)……フェミニストからの反論(それに対する反論

    専業主夫願望を叶えるために - ohnosakiko’s blog
  • 正しいことと重要なこと - ohnosakiko’s blog

    「抑圧」を巡って メディアにおける男性と女性の扱われ方について、異なる観点からの記事を読んだ。 一つは、イケメンは女性に優しい。(非モテにまつわる抑圧の話)、もう一つはそれにあえて異論を唱える形での女性専用車両に乗れない”恋愛強者”たち(次の記事でコメント欄白熱中)。どちらも読ませる文章であり注目記事なので、未読の方は是非目を通されますよう。 「イケメンは女性に優しい。」の方は、メディアにおいての男女の扱われ方の差異に注目し、そこで抑圧されているのは男性ではないかと問うものである(以下要約)。 メディアにおいて女性は「商品」であると同時に「お客様」でもあるので、大切に扱われている。 様々な女性のタイプが欲望される女性像として喧伝され、ブスでさえ一つの価値を与えられており、ファッション誌を見ても女性のイメージは「若く美しい」だけに留まらない「イイ女」の豊富なバリエーションを獲得している。 そ

    正しいことと重要なこと - ohnosakiko’s blog
    narwhal
    narwhal 2011/12/06
    "男性に「男らしくあれ」と強制して得をするのは、男性中心社会で既得権益を得てきた保守派の男性である" "「女であることを謳歌せよ」と女性を煽っているのは、女性向け消費産業である。今や女性は何でも手に入れる
  • ミスコンは女装コン - ohnosakiko’s blog

    この間、仕事先の大学の学園祭のパンフを見た。この私立芸大はキャンパスが少し離れた二カ所に分かれていて、学園祭の実行委員会も別。私が見たのは音楽学部の方のパンフだが、「ステージ」のプログラムの中に「イケコン」とあり、その下に小さく「ミスコン・イケメンコンテスト・逆ミスコンあるよ♪」とあった。 やっぱりやってるんだなぁと思いつつ、「逆ミスコン」がわからなかったので学生に訊くと、「女装コンテストです」。 かなり前、美術学部のキャンパスの方で女装コンテストをやっているのは知っていたが、今年はこちらでもやるらしい。調べてみたら、東京藝大の「藝祭」でもミスコンと同時に女装コンテストが開催されている(藝大でミスコンが始まったのは、私の在学していた30年くらい前だった)。女装コンテストは最近、学園祭で人気の催し物のようだ。 ミスコンで女子だけを品評するのはアレだという判断から、男子対象のイケコン、女装コン

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  • どうしてメイクやおしゃれがやめられないのか - ohnosakiko’s blog

    ミスコンは画一的な美の序列化だとして批判される。美とは多様であるはずだと。ナンバーワンよりオンリーワン。 たしかにミスコンを見ていると、決まりきった女性美を産出しているようにも思える。顔(ヘアメイク込み)もわりとそうだが、スタイルに関してははっきりと方向性が決まっている。 もっとも常に/既に、女はそうした美の元に序列化されている。ミスコンは公にやってお墨付きを与えているから目立ち易いというだけで、日々あらゆる場面で人はオンリーワンよりナンバーワンの結果を目にしている。 個々のもつ美人のイメージが、そうした一般に流通する女性美とぴったり合うとは限らない。だがまったく影響を受けてないわけではない。そして、時代や流行によって多少異なるとは言え、外見が一定の条件の中にある人を「美人」と呼ぶのだから、それが画一的な傾向になるのは避けられない。*1 序列の上の方にいる美人は消費を生み出すから経済効果も

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  • 現代アートとヴァイオリン少女 - ohnosakiko’s blog

    大学3年くらいだったと記憶しているので、今から30年前、80年代冒頭の話。 芸大の彫刻科は3年から素材によってコースが分かれており、私は金属を選択していた。そして、現代美術の底抜けの泥沼に足を踏み入れかけていた。 もちろんその時は泥沼などとは思わず、現代美術こそが新しい価値を創造するのだと信じていた。 当時、金属室の先輩たちの作品は、石や木を彫っている人たちの作品より「新しく」「刺激的」に見えたから、金属室は私にとって面白く居心地のいい場所だった。 学期の最後だったか先輩たちと飲みに行って、私と数人が助手の人の家に泊まった。朝、二日酔いの寝ぼけ眼で起きてくると、皆がテレビを見ていた。ヴァイオリン少女のドキュメンタリー。まだ子どもなのに凄いテクニックだ。お母さんがつきっきりで教えている。 「ステージママだな」 「子どもの時からあれじゃあ大変だよなぁ」 「きっとバイオリン以外何にもしてないんだ

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  • 「どや」と紳助は言った。 - ohnosakiko’s blog

    「どや、俺の引退記者会見。100点満点やったろ。解説したるわ。まずは相手に恩義があったということの強調や。恩義のある人だから無下にはできんかった。人として当たり前のことやないか。俺、「人として」「心」「感謝」各2回言ったわ、前半で。これ視聴者の気持ちをつかむ豆知識な。紳助、義理人情に厚いなと世間は思うやろ。ヤクザとつきおうとるのが悪い言われることは知ってんねん。だからバレんよう気ィつけてやってきたんやから。ほんまにどっから漏れたんかな。ま、俺の足引っ張りたい奴はぎょうさんおるから、それは今はおいとこ。でな、最初に「正直に話します」言うたからって、「内心はバレたらヤバいと思ってました」とか素直に言うてみ、「ヤバいと思ってやっとったんか!」て大バッシングに決まっとる。そやから「悪いと思ってなかった」で通さないかんねん。自分で悪いと思てることはせん紳助、義理人情に厚くて芸能界の「ルール」に疎い不

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  • 彼女の顔には細部がない・・・アニメの中の描写の落差について - ohnosakiko’s blog

    (※長めの追記をしました) 『借りぐらしのアリエッティ』のDVDを借りてきて見ていた時のこと。 室内の描写が凝っている。その部屋の中に登場人物が入ってきたところで、覚えのある違和感が。写実的な背景と、非写実的な人物が、不釣り合いに感じる。まるできっちり作られた三次元の舞台に、二次元の人間がいるみたい。 背景と人物の描写のレベルが明らかに違う点については、前から多少気になっていた。 背景の描写が陰影も含めて細かくリアルに描き込まれているのに、そこに登場する人物はベタ塗りでペラッとしていて所謂アニメ絵。ジブリに限らず日のアニメの「美術」は、背景画だけで展覧会が開催されるほどのレベルに至っていたりするので、結果、人物とのギャップが生まれ易くなる。*1 ヨーロッパのアニメは例えばチェコ・アニメにしても、背景と人物とのテイストや描写レベルの落差がなく、概ね全体的な統一が図られているという印象がある

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  • 「正しさ」の限界と「幸せ」と困惑‥‥先日の記事について - ohnosakiko’s blog

    「ヘドがでるけどナ」と書いた学生 情報が記事内で不足していたためかもわかりませんが、あちこちで誤読や誤解が見られる気がするので、前記事の補足がてら「授業のやり方について」「学生への対応と、ブログに書くことについて」「ジェンダー及び性教育について」の三項目で、事実と今自分の感じていることを書いておきたいと思います。できれば前記事のコメントも参照して下さい。 授業のやり方について 講義は半期(15講)。2クラス(2コマ)もっています。選択授業です。年によってまちまちですが1クラスは80〜100人前後。学部や科や学年はバラバラ。ドラマや映画を見て学生に感想や意見などのコメント(ミニレポートと呼ぶ)を書かせ、その中からいろいろなタイプの意見を幅広くピックアップし、翌週読み上げながら私のコメントをつけていく、という形式を採っています。クラスごとではなく2クラス分は最初から混ぜて選びます。 学生の名は

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  • 「ヘドがでるけどナ」と書いた学生 - ohnosakiko’s blog

    大学でもっているジェンダー入門の授業ではこの数年、学生からの要望もあって、セクシュアリティについての講義時間を増やしている。特にセクシュアルマイノリティについて。 学生の大半は、セクマイの人々についてTVに出てくる芸人くらいしか知らないし、「LGBT」という言葉の意味ももちろん知らない。最初のうちは、ゲイやレズビアンやトランスジェンダーについて嫌悪感や抵抗感をもっていることを、ミニレポート(講義で上映するドラマや映画の感想文など)の中で素直に表明する学生も少なくない。 講義も終わりに近づいた二週に渡って、映画(『メゾン・ド・ヒミコ』)を見せた。この映画では子どもから社会人、老人に至るまで、ゲイへの忌避感や差別心をカジュアルに露にする人々が登場する。最後に映画の感想と共に、「セクシュアルマイノリティへの偏見や差別をなくしていくには、具体的にどんなことをしたらいいと思うか」についても意見を書い

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  • 男性のオウチ進出 - 『喜婚男と避婚男』を読む - ohnosakiko’s blog

    喜婚男と避婚男 (新潮新書) 作者: ツノダ姉妹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/05メディア: 単行購入: 6人 クリック: 124回この商品を含むブログ (7件) を見る オビの文句は「愛を叫ぶか、愛を避けるか。バブル世代のマーケッター姉妹が「男×オウチ」の時代の世相を読み解く。」。 ああまた60年代生まれの女性ライターによる当世男子結婚談義か、この世代の女って「今時の男」について語るのが好きだよねぇ、深澤真紀氏(草男子)といい、牛窪恵氏(お嬢マン)といい、白河桃子氏(婚活)といい、澁谷知美氏(童貞)といい‥‥と思いつつ、ジェンダー入門の授業のネタにはなるかと読んでみたら、意外と面白かった。 「女の時代」ともてはやされた80年代以降、バブルの追い風もあって「女性の社会進出」は進み、消費の中心にいるのは女性で何かと「女の生き方」が語られた。女性のライフプランの選択肢は増え

    narwhal
    narwhal 2011/05/21
    コメント欄を。 / 「そのうちテレビで勝間和代あたりの女オヤジを二人がかりでやりこめてくれると面白い」