人であふれる避難所には情報も救援物資もほとんどなく、福島第1原発からの避難者は車の中で過ごしている--。東日本大震災被災者の支援を模索するため、13日に福島県南相馬市に入った兵庫県災害救援専門ボランティアコーディネーターの高砂春美さん(65)=西宮市=が見た現地の状況だ。「原発に対する知識もなく、残念ながらボランティアが入れる段階ではない」と帰宅し、肩を落とした。【金森崇之】 高砂さんは阪神大震災(95年)で、神戸市東灘区の魚崎小避難所のリーダーとして活動。東日本大震災では津波で大きな被害を受けた南相馬市に単身で入り、現地で調達した自転車で7カ所の避難所を回った。 12日夜に、福島第1原発周囲の避難指示が半径10キロから20キロに拡大され、同市南部が対象地域になった。同市北部の避難所は、南部などから移動してきた人たちであふれ、約150台の車の中で被災者が寝泊まりしていた。ガソリンが手に入ら