――日本では、ロシアの苦戦を伝える報道が多い 伊藤氏「ウクライナは物理的に勝てない戦(いくさ)です。『大相撲の横綱とわんぱく相撲の横綱』の勝負みたいなもんです」 荒谷氏「ウクライナの勝利は軍事的常識からは、あり得ません。ロシアは制空権をずっと保持し、ウラジーミル・プーチン大統領が発令した特別軍事作戦の目標地域は昨年5月にはほぼ占領し、いまも大きな変化はない。最初から全面戦争は避けているので、作戦の目的は達成して、もうカタは付いてしまった」 ――「ロシアは一方的に侵略した」と非難されているが 荒谷氏「推移を客観的に見ることが重要です。ウクライナでは、オレンジ革命(2004年)、マイダン革命(14年)と2度も米国の介入により、民主的に選ばれた親露政権が転覆されている。以降もウクライナ東部ではロシア系住民が殺され、NATO(北大西洋条約機構)との共同訓練も拡大し、米国製ミサイルも配備された。昨年