「ゲーム脳」という言葉を覚えているだろうか。2002年に『ゲーム脳の恐怖』(森 昭雄著)という本が出版され、大きな話題を集めた。それによると、携帯やテレビゲームなどを長時間おこなう子どもは脳の前頭前野の機能が落ち、ゲームをしていない時でも脳の働きが悪くなってしまうという。 この本の内容は、テレビゲームが子どもたちに与える影響を心配していた保護者や一般の人々、科学者まで巻き込む一大論争となった。とはいえデータの扱いに不備なども指摘され、さまざまな方面から批判もされている。一方で「アニメ脳」「ネトゲ脳」などの派生後も生まれてきた。 ところで最近、「ゲーム脳」論争に新たなデータを付け加える研究が発表された。RIETI(独立行政法人 経済産業研究所)の中室 牧子氏らによれば、テレビやゲームの視聴時間は子どもの発達に若干の負の影響を与えるが、それらは従来予想されていたよりもはるかに小さいという。「ゲ