戦時中はゼロ戦乗りだった元帝国海軍中尉の手塚さん あの苦難の記憶から来年には70年ーー。終戦記念日がやってくる真夏になると、思い返すのももはや日本人としてのアイデンティティなのだろうか。 ゼロ戦、そしてカミカゼ。現在では神格化されたキーワードでもあるが、その真っ只中にいた若者たちはちょっとリア充で、ユーモアもあり、いまの若者と変わらない男たちだった。元特攻隊員の生き残りの男たちがリアルな人生を語る、好評シリーズ第三弾! *** 「特攻に指名されないことを祈っていた」。そう語る手塚久四(ひさし)さん(91歳)は、学徒出陣で海軍に入隊し、ゼロ戦乗りとなった。そんな手塚さんは、どのような学生時代を送っていたのか? 手塚 僕は栃木の中学を卒業して、仙台の旧制高校を受験しました。でも、落ちちゃった(笑)。だから、1年浪人して、昭和15(1940)年に静岡の旧制高校に入りました。田舎から来たのは僕ぐら