性同一性障害で手術を受け、女性の体になった人に対しては、戸籍が男性であったとしても女性としての対応が必要――。兵庫県弁護士会は23日、法務省と大阪矯正管区、加古川刑務所(兵庫県加古川市)にこうした内容の勧告をしたと発表した。 弁護士会によると、手術で女性の体になった元受刑者(42)が2007年、加古川刑務所に収容された。元受刑者は12年にできた女性用施設に移されず、13年に出所するまで男性の刑務官から身体・着衣検査を受け続けた。元受刑者のようなケースに関し、勧告は「女性の刑務官や職員が対応するべきだ」と指摘。男性刑務官による検査を許容している法務省通知や加古川刑務所の処遇基準について「性的尊厳に照らして重大な不備がある」とし、改めるよう求めている。(佐藤啓介)