政府は6日、公的医療保険に国民全員が加入する「皆保険制度」を海外へ売り込む方針を固めた。政府が自国の保険制度を他国に“輸出”するのは初めて。政府が6月にまとめる新成長戦略に盛り込む。安倍晋三首相が近く参加を表明する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、医療保険分野の市場開放が焦点の一つになるとみられる。政府は皆保険の利点を各国に訴えることで、TPP交渉を有利に進める思惑もある。 所得が低くても良質な医療が国民全体に行き渡る皆保険制度が諸外国に浸透すれば、医療技術や介護サービスなどを官民共同で提供することも可能となる。制度導入には社会保障費を賄えるだけの税収や保険料が確保できる一定の国民所得が必要なため、政府は経済発展が著しいインドネシアなど東南アジアをターゲットに事業展開する方針だ。 政府は今後、厚労省に設置した「健康・医療戦略推進本部」(本部長・田村憲久厚労相)で皆保険売り込みの