王の言葉を書き取る書記官たちのレリーフ。紀元前1400年のもの。エジプトのファラオ、ホルエムヘブの墓で発見された。イタリアのフィレンツェにある国立考古学博物館所蔵。(BRIDGEMAN/ACI) 考古学者たちは時に、古代の世界に関するこれまでの理解を完全に変えてしまうような発見に出会うことがある。エジプト学でいえば、「アマルナ文書」がまさにそんな発見と言えるだろう。382枚の粘土板に刻まれた、世界最古級の外交文書だ。 紀元前14世紀に書かれたアマルナ文書は、エジプトのファラオと、バビロニア、アッシリア、ヒッタイト、ミタンニなどライバル諸国の王、そしてエジプトの支配下にあった傀儡の王たちとの間で交わされた書簡だ。エジプト第18王朝アメンホテプ3世の治世(紀元前1390年頃~1353年頃)に始まり、その息子のアクエンアテンの治世(紀元前1353年頃~1336年頃)までの文書で、これらを分析すれ
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