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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (255)

  • 米加の生産性と給与 - himaginary’s diary

    というNBER論文をサマーズらが上げている。原題は「Productivity and Pay in the US and Canada」で、著者はJacob Greenspon(ハーバード大)、Anna M. Stansbury(MIT)、Lawrence H. Summers(ハーバード大)。 以下はその要旨。 We study the productivity-pay relationship in the United States and Canada along two dimensions. The first is divergence: the degree to which the levels of productivity and pay have diverged. The second is delinkage: the degree to which incre

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    neco22b 2021/12/29
  • バングラデシュのマスク研究から何を結論すべきか?・再訪 - himaginary’s diary

    以前、バングラデシュでのマスク着用に関するRCTについて、Ben Rechtによる批判的な検証を取り上げたことがあった。その後、研究者がデータを公開したとのことで、Rechtが公開自体は賞賛しつつも改めてそのデータを批判的に検証している(H/T タイラー・コーエン)。以下はその概要。 公開されたデータは: 対照群(nC):300村の163,861人、陽性者数(iC)=1,106人 処置群(nT):300村の178,322人、陽性者数(iT)=1,086人 この結果には、以下のような問題点がある: 34万人以上を8週間検証して差はわずか20人。 マスクでは盲検は不可能なので、当然ながら盲検ではない。 処置群では、マスク促進以外に、社会的距離などの他の措置に関する教育も行われた。 研究者による検査に同意して研究対象となった人の比率は、処置群が95%、対照群が92%。この差だけで観測された差を拭

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    neco22b 2021/11/29
  • 貿易と格差の序説 - himaginary’s diary

    というNBER論文(原題は「A Primer on Trade and Inequality」)をダニ・ロドリックが上げている(H/T Mostly Economics、ungated版)。以下はその要旨。 In the public imagination globalization’s adverse effects have loomed large, contributing significantly to the backlash against the political mainstream and the rise of far-right populism. The literature on trade and inequality is in fact exceptionally rich, with important theoretical insights a

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    neco22b 2021/11/29
  • イベルメクチン問題が教えてくれること - himaginary’s diary

    Scott Alexanderという有名ブロガー(cf. Slate Star Codex - Wikipedia)によるイベルメクチンのCovid-19への効果のメタ分析をタイラー・コーエンが推奨している。日語記事では既にgigazineがその概要を紹介している。 そのブログでアレキサンダーは、イベルメクチンの効果に関する研究をまとめたサイトを次のように賞賛している。 Any deep dive into ivermectin has to start here: This is from ivmmeta.com, part of a sprawling empire of big professional-looking sites promoting unorthodox coronavirus treatments. I have no idea who runs it - th

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  • インフレに関するすべてのマクロ理論が、我々の目にした高インフレを正しく予測した - himaginary’s diary

    引き続き経済学者のインフレに関するツイートねた。今回はリカルド・ライスのツイートを紹介してみる(H/T 石町日記さんツイート経由のRyo Takagiさんツイート)。 ** The “macro” view on 2021 inflation Since March 21, I've given many public lectures on inflation. All of them included the slide below (most recently at the Jahnsson prize lecture) Tldr: every macro theory of inflation correctly predicted the high inflation that we have seen The 1st theory (Phillips, Keynesian)

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  • 問題はボトルネックだよ、馬鹿者・続き - himaginary’s diary

    前回エントリでクルーグマンのインフレに関するツイートを紹介したが、その後にクルーグマンはその件についてさらにツイートしている(H/T タイラー・コーエン) Some further thoughts on inflation and what to do next. Inflation has of course come in much higher than Team Transitory predicted — the Fed was predicting only 2.4% PCE growth as late as March. So the inflation worriers have in a way been vindicated, but ... 1/ The details of what's happened are very different from what

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    neco22b 2021/11/21
  • 米国の債務GDP比率の変動要因は何か? 吠えなかった犬 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「What Drives Variation in the U.S. Debt/Output Ratio? The Dogs that Didn't Bark」で、著者はZhengyang Jiang(ノースウエスタン大)、Hanno N. Lustig(スタンフォード大)、Stijn Van Nieuwerburgh(コロンビア大)、Mindy Z. Xiaolan(テキサス大オースティン校)。以下はungated版の結論部。 The U.S. bond market’s valuation of a claim to U.S. surpluses is surprisingly insensitive to news about future surpluses or returns, at least from the perspective

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  • マンキュー「パンデミックに寄せて」 - himaginary’s diary

    マンキューが「Thoughts on the Pandemic」というブログ記事を上げ、箇条書きで以下のようなことを述べている。 景気後退の可能性は高く、おそらくそれが最適である(望ましい、という意味ではなく、この状況下で我々ができる最善の行動という意味で)。 医療危機の緩和が最優先課題。ファウチ博士が要求するものはすべて与えよ。 財政当局は総需要ではなく社会保険に重点を置くべし。ファイナンシャル・プランナーは、6ヶ月の生活費を予備費として確保しておけ、と人々に説くが、残念ながら、多くの人がそうしていない。当に困っている人を特定するのが難しいこと、およびそうした特定に付き纏う問題を考えると、手始めにすべての米国人に1000ドルの小切手を可能な限り早急に送るのが良いだろう。この状況下では給与税減税にはあまり意味はない。というのは、働けない人には何ら恩恵がないからである。 政府債務の拡大を懸

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    neco22b 2020/03/15
    全員に給付金はそこそこ良い案。あとは休んでも雇用が保証されるような政策も必要だろう。米国の記事みていたら労働者が休暇使い尽くしたら解雇の恐れがあるので休めないとか心配していたのがあった。
  • マンキューのMMT論 - himaginary’s diary

    マンキューが昨年12月に「A Skeptic’s Guide to Modern Monetary Theory」という小論を書いている(H/T マンキューブログ)。以下はその概要。 自国通貨を発行している国は債務不履行になることはない、というMMTの主張については、以下の3点で異論がある: 債務を支払うために政府が発行する貨幣は、最終的には銀行システムの準備預金となる可能性が高い。現行の金融システムでは準備預金に付利を行っているため、政府はそうした準備預金に(FRB経由で)利子を支払う必要があり、結局のところ実質的には借金していることになる。貨幣が永久に準備預金の形に留まるとしても、利子は時間と共に累積していく。MMT支持者はその利子も貨幣の発行によって賄えば良いというかもしれないが、拡張し続けるマネタリーベースはさらなる問題を引き起こす。資産効果によって総需要が増え、最終的にはインフレ

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    neco22b 2020/01/14
  • 将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary

    ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。 人間が気候変動の科学を理解して行動しないことは「悪」であり、気候変動によって「人が死んで」おり、あと8年余りで炭素の排出余地は尽きてしまうため、2028年までに化石燃料で動くものをすべて閉鎖すべし、というグレタ・トゥーンベリの国連演説は、良く見られる主張であるが、根的に間違っている。確かに気候変動は人為的な原因で現実に生じているが、気候変動で世界が終わるという彼女の見方は根拠が無い。IPCCによれば、2070年までの気候変動の影響は、生態系への影響も含めても、平均所得の0.2-2%の減少に相当する。その時までに、地球上の各人の所得は300-500%向上している。 1世紀前の生活はつらいものだ

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    neco22b 2019/12/14
    環境問題やら経済問題は複雑過ぎで誰もが納得する政策なんてないけど、正しさとか思慮深さよりは熱意、勢いの方が世の中動かしたりするわな。
  • 中央銀行がさばんなちほーのフレンズから学べること - himaginary’s diary

    次期ECB総裁の芽がやや遠のいたと噂されるイェンス・ヴァイトマン・ドイツ連銀総裁が、8/20-21にフランクフルトで開かれたCentral Bank Research Associationの年次大会の初日に講演を行い、同組織の略称CEBRAとzebraの類似性に引っ掛けて、金融政策とマクロプルーデンシャル政策との棲み分けについて語っている(H/T Mostly Economics)。 ...zebra are also known for forming large herds and intermingling with other mammals, especially with wildebeest, which are also known as gnus. Both species subsist on grasses, and you might think that the

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    neco22b 2018/08/31
  • 累進課税による貿易利得の再分配 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている(ungated版、スライド資料、討論者スライド資料@2017/10NBER貿易・労働市場コンファレンス)。原題は「Redistributing the Gains From Trade Through Progressive Taxation」で、著者はSpencer G. Lyon、Michael E. Waugh(いずれもNYU)。 以下はその要旨。 Should a nation's tax system become more progressive as it opens to trade? Does opening to trade change the benefits of a progressive tax system? We answer these question within a standard incomplete mark

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    neco22b 2018/07/19
  • 財政ルール:愛されやすく誤魔化しにくいものとすべし - himaginary’s diary

    というIMFブログ記事が上がっている(原題は「Fiscal Rules: Make them Easy to Love and Hard to Cheat」)。 以下はその冒頭。 Rules to contain lavish government deficits are most effective if countries design them to be simple, flexible, and enforceable in the face of changing economic circumstances. In new analysis, we look at fiscal rules in over 90 countries and, based on their experiences, find that the rules put in the place ov

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  • 20年後のIt’s Baaack - himaginary’s diary

    という小論をクルーグマンが書いている(H/T デロング1、デロング2)。以下はその中のアベノミクス評。 If the worst economic crisis since the 1930s, one that cumulatively cost advanced nations something on the order of 20 percent of GDP in foregone output, wasn’t enough to provoke a monetary regime change, it’s hard to imagine what will. This in turn might seem to suggest that while monetary policy could in principle offer a solution to the proble

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    neco22b 2018/03/04
  • レモンがマフィアを生んだ - himaginary’s diary

    という説を唱えた記事がvoxeuに上がっている(Mostly Economics経由)。 以下はそこからの引用。 ...Organised forms of crime normally appear only in a small number of localities and then expand through the entire region. It is therefore important to understand what is specific to these few localities where the Mafia appears. In a new paper (Dimico et al. 2012), we try to explain such a variation of the Mafia across villages in Sicily us

    レモンがマフィアを生んだ - himaginary’s diary
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    neco22b 2018/01/24
    レモン市場
  • 有効求人倍率の内訳 - himaginary’s diary

    最近の人手不足は人口減少によるものであり、しかも人口の高齢化を反映して求人は介護関係に偏っている、という話を時々耳にする。 この話の前段に対しては、労働力人口は増加している、という反論がなされることが多い。それに対しては、いや、増えているのは女性や高齢者で、働き盛りの男性は減っている、という指摘も良くなされる。 試しに総務省統計局のHPから年齢階級別の労働力人口を落として描画すると以下のようになる。 これではわかりにくいので前年差の推移をみてみる。 これをみると、確かに労働力人口は増えているが、15-65歳の男性は減っており、増加を支えているのは女性と65歳以上の男性であることが分かる。 では、冒頭の話の後段はどうだろうか? 総務省の同じページから産業別就業者数を落として同様に前年差を描いてみたのが下図である*1。 分かりやすくするために「医療・福祉」を赤色にしてみたが、確かに他の産業の増

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  • 賃金と生産性と進歩的政策 - himaginary’s diary

    上図のように生産性上昇が賃金上昇に結び付いていない現象を巡る論争を、ジャレッド・バーンスタインが自ブログで取り上げている。論争はAnna Stansbury=Lawrence Summers(SS)とLawrence Mishel=Josh Bivens(MB)の間で交わされたものだが、その過程でSSがバーンスタインを引用したため、バーンスタインも口を挟んだ、という格好になっている。論争の内容は、MBやバーンスタインが、生産性上昇は賃金上昇の必要条件ではあっても十分条件ではないので、生産性上昇から賃金上昇へのつながりを抑えている要因を取り除く各種政策(最低賃金引上げ、完全雇用、累進課税、集団交渉、時間外勤務のルール、男女平等、頑健なセーフティネット、貿易の均衡、金融規制、等)を実施すべき、と主張しているのに対し、SSがやはり生産性上昇を重視すべき、と主張した、というものである。 バーンスタ

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  • ポケモンGOによる死 - himaginary’s diary

    という論文(原題は「Death by Pokémon GO」)をDigitopolyでJoshua Gansが紹介している。論文の著者はパデュー大のMara FaccioとJohn J. McConnellで、ポケモンGOリリース後の148日におけるインディアナ州チペカヌー郡の死傷者の評価損失額は520万ドルから2550万ドルの間、という推計結果を示している。米国全体に換算すると20憶ドルと73憶ドルの間になるとのことで、Gansは史上最大の負の外部性の一つであり、いかなるカルドア・ヒックス基準の補償もこれを是認できないだろう、と評している。 以下はGansによる論文の説明からの引用。 ...an ordinary person might delve into the Tippecanoe County police reports of accidences and see if yo

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    neco22b 2017/11/26
  • クルーグマン「政策はモデルによって律せられるべし」 - himaginary’s diary

    一昨日および昨日のエントリで紹介したクルーグマンとデロングのやり取りでは、FRBが既存のモデルに囚われていたがために利上げに踏み切った、というサマーズの見解が一つのテーマになっていた。これについてデロングは、いや、FRBがクルーグマン(1999)のような既存のモデルを踏襲していたら利上げを急がなかったはずだ、と述べ、クルーグマンもそれに賛意を示した。ただしクルーグマンは、デロング=サマーズ論文で提示された履歴効果は既存のモデルからは外れているだろう、とも指摘し、デロングもそれを認めた(ちなみにクルーグマンはデロングがリンクした1999年の小論の枠組みを、ゼロ金利下限付きのIS-LM[IS-LM with a zero lower bound]と表現している)。 この2人のやり取りに当のサマーズが参戦し、両人は需要サイドのモデルを考えているようだが、自分の念頭にあったのは供給サイドのモデルだ

    クルーグマン「政策はモデルによって律せられるべし」 - himaginary’s diary
  • レプラコーン経済学 - himaginary’s diary

    クルーグマンが、ブログの10/22エントリで紹介した図による分析を敷衍する形で、トランプ減税のもう一つの問題点を指摘している。その問題点とは、減税の恩恵の多くが海外投資家の手に渡ってしまう、という点である。 クルーグマンが最初にその点を指摘したのは10/25エントリであるが、自分で気付いたわけではなく、Tax Policy CenterのSteven M. Rosenthalの記事を見て初めてそのことに気付いた、と書いている。そこで彼が指摘したのは、米国株の35%は海外投資家が保有しているので、今後10年間の2兆ドルの減税分のうちおよそ7000憶ドルが海外投資家の手に渡ってしまう、ということであった。 11/8エントリでクルーグマンは、別の角度からその問題を取り上げた。翌11/9エントリの冒頭で、論点の概要を以下のように記している。 Yesterday I noted that mos

    レプラコーン経済学 - himaginary’s diary