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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (258)

  • 生産性の2つのストーリー - himaginary’s diary

    コチャラコタが、需要刺激策が労働生産性を押し上げるのではないか、と論じたブルームバーグ論説を書き、そのフォローアップとして自HPで生産性に関する外生と内生の2つの見方(ストーリー)を紹介している(H/T Economist's View)*1。 外生的な見方では、リーマン・ショック後の労働投入や全要素生産性の低下は外生的な要因によるもので、資は概ね均衡成長経路に乗っている。 内生的な見方についてコチャラコタは以下のように書いている。 The heart of this story is that, because monetary policy has been unduly tight over the past few years, there has been underinvestment in both innovation and implementation. Becaus

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    neco22b 2016/08/21
  • 世界を不幸にしたGDPの正体 - himaginary’s diary

    マンキューが下記の書評をサイエンス誌に書いている(H/T マンキューブログ)。 The Great Invention: The Story of GDP and the Making And Unmaking of the Modern World 作者: Ehsan Masood出版社/メーカー: Pegasus Books発売日: 2016/06/07メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る その書評によると、著者のEhsan Masoodは、GDPに欠けているものとして以下を挙げているという。 格差 10人が年に2万ドルを稼ぎ2人が20万ドルを稼ぐ社会と、12人が5万ドルを稼ぐ社会とでは、GDPが同じになる。しかしこの2つの経済を同等だと思う人はいない。 社会の質に関する要因 一人当たりGDPが同じでも、読み書きの能力が高く平均寿命の高い国の方が良いと思わ

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    neco22b 2016/08/06
  • 金利平価と購買力平価と新フィッシャー派 - himaginary’s diary

    前回エントリで紹介した論文では、従来の経済学と新フィッシャー派の齟齬について、短期=従来経済学、長期=新フィッシャー派、という折衷案を提示していたが、それと似てなくもない考え方をスコット・サムナーがWCIブログエントリ*1のコメント欄で展開している。 The best way to understand NeoFisherism is in an open economy context. In the absence of shocks, we can assume that interest parity (IPT) and PPP both hold. That really simplifies these thought experiments. A change in the interest rate target does produce NeoFisherian resu

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  • 仕事に励めば体も壊すさ - himaginary’s diary

    「No Pain, No Gain: The Effects of Exports on Effort, Injury, and Illness」というNBER論文が上がっている(ungated版)。著者はDavid Hummels(パデュー大)、Jakob Munch(コペンハーゲン大)、Chong Xiang(パデュー大)。 以下はその要旨。 Increased job effort can raise productivity and income but put workers at increased risk of illness and injury. We combine Danish data on individuals’ health with Danish matched worker-firm data to understand how rising expor

    仕事に励めば体も壊すさ - himaginary’s diary
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    neco22b 2016/07/28
    知ってた。厚労省は、メタボなんたらに力入れるより、長時間労働防止に注力しろよ!医療費削減になるぞ?
  • ユニバーサル・ベーシック・インカム:マンキューの指摘 - himaginary’s diary

    マンキューが、平均所得が5万ドルだが所得格差が大きい経済における以下の2つの社会保障政策を比較している。 皆に1万ドルを移転。財源は所得への20%のフラット・タックス。 資力調査を伴う1万ドルの移転。所得の無い人には満額が支給され、所得が増加するにつれ支給額は減少する(所得が1ドル増加するごとに20セント減少する)。財源は、所得の5万ドルを超える分への20%のフラット・タックス。 このエントリのネタ元になったのは、シカゴ大のIGMフォーラムのベーシックインカムに関する経済学者へのアンケート調査。マンキューは、そこで寄せられた幾つかの意見を上記のスキームに当てはめて以下のように集約している。 政策1は狂っている。ビル・ゲイツが政府の所得移転を受ける謂れは無い。彼はそれを必要としていないのに、我々はそのために増税しなくてはならないのだ。 政策2の方がより累進的である。所得移転の対象者が当に必

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  • ヘリマネ政策を弄ぶ日本 - himaginary’s diary

    Gavyn Daviesが「Japan flirts with helicopter money」という論説を書いている。 以下はそこからの引用。 There are many ways of defining helicopter money, but the essential feature is that it involves an increase in the budget deficit which is financed by a permanent increase in the central bank’s monetary base, not by the issuance of government debt. Although this does not literally involve dropping banknotes from the sky, its

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    neco22b 2016/07/20
  • 財政金融の新時代 - himaginary’s diary

    「A Remarkable Financial Moment」と題したブログエントリでサマーズが、低下を続ける各国の長期金利を前に市場は長期停滞のリスクを認識したようだが、政策当局者の認識が遅れている、と書いている。(H/T Economist's View。cf. FTとWaPoへの転載)。 ...policymakers still have not made sufficiently radical adjustments in their worldview to reflect this new reality of a world where generating adequate nominal GDP growth is likely to be the primary macroeconomic policy challenge for the next decade.

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    neco22b 2016/07/12
  • ドイツ経済は米国型になったのか? - himaginary’s diary

    前回エントリで紹介したStormドイツ経済論の続き。 LP: Many argue that the old German economic model of “cooperative capitalism” has been happily replaced by something more like the American model, where companies focus on short-term profits, workers are restrained, and benefits like unemployment insurance are reduced. You call that an economic myth. Why? SS: It’s a myth because it did not happen. At least it did not ha

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    neco22b 2016/07/10
    日本も2階層化の傾向があるし、「余剰な」製造業労働者をサービス業で吸収させた面はある。もちろん、違いもあるが。
  • ブレグジットは短期的な景気後退をもたらすのか? - himaginary’s diary

    昨日紹介したMatt O'Brienや以前紹介したサマーズが書いているように、ブレグジットは英国に景気後退をもたらす、という見方は多い。それに対しクルーグマンが、6/30エントリで、EU市場へのアクセスが低下することによって貿易が減少し、長期的に英国の成長率が下がる、というのはリカードの原理プラス新貿易理論という標準的な経済学から納得できるが、短期的にも景気後退に陥るのは納得できない、と書いている。というのは、貿易の議論は生産性が下がるという経済の供給面の話であるが、景気後退の議論は需要面の話だから、とのことである。 クルーグマンに言わせれば、そうした短期的な景気後退の議論が依拠している命題は、不確実性が投資や消費を低下させる、もしくは、人々の認識するリスクの増大によって金融の状況が悪化する、のいずれかとのことである。これについてクルーグマンは、以下のような疑問を投げ掛けている。 ブレグジ

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    neco22b 2016/07/03
    経済の場合は予言の自己成就的な物が多々ある。皆が信じたら本当にそうなる。今の英国指導部の狼狽ぶりは英国のためによくない。今は一旦緊縮をやめて、地方に譲歩すべき時。
  • サマーズ「世界的な財政出動を」 - himaginary’s diary

    22日エントリで紹介した記事でブレグジットの危険性を訴えていたサマーズが、ブレグジットが現実化したのを受けて早速「Why Brexit is worse for Europe than Britain」という記事を書いている(WaPo、FT。FT記事のタイトルは「The waves from Brexit start to spread」)。 サマーズの記事は市場(Markets)、経済(Economics)、概観(Broader Observations)の3つに分かれている。以下は経済のセクションからの引用。 As suggested by the fact that stock markets in Italy and Spain are down almost twice as much as in the UK, the prospects for Europe may in s

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    neco22b 2016/06/25
  • FRBの行動はデジャ・ブ - himaginary’s diary

    先週のFOMCを前にして、サマーズがWaPoとFTと自ブログに「Groundhog Day at Fed June meeting」というエントリを上げている(ただしWaPoの記事のタイトルは「The Fed is making the same mistakes over and over again」、H/T 石町日記さんツイート)。 以下はそこからの引用。 Japan’s essential macroeconomic problem is no longer lack out output growth. Unemployment is low. Relative to its shrinking labor force, output growth is adequate by contemporary standards. Japan’s problem is that it

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    neco22b 2016/06/19
  • 日本の一度目の消費増税は需要面での大惨事だった - himaginary’s diary

    今年初めに古巣の外交問題評議会に戻り、先月からおよそ7年ぶりに同評議会の「Follow the Money」ブログを再開したBrad Setserが、表題のエントリ(原題は「Japan’s First Consumption Tax Hike Was a Demand Disaster」)で、日の消費増税を巡る状況について簡明な文章でまとめている。 Abe’s rhetoric has not been German. Especially not recently. But his policies over the last two years have been. At least until recently. The International Monetary Fund’s fiscal department estimates that Japan did a consol

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    neco22b 2016/06/05
  • 中国が銀行の未来について教えてくれること - himaginary’s diary

    というタイトルを見てMostly Economicsのブログ主は目をこすったそうだが、Spontaneous Financeブログのこのエントリはそう題されている(原題は「What China can teach us about the future of banking」)。 以下はMostly Economicsにおける引用部の孫引き。 There is a fundamental difference between the Chinese banking system and the Western one however. Chinese banks, despite being extremely large, have historically had no ability to grow outside of the Communist party’s grip and

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    neco22b 2016/05/30
    危機時自力救済できない銀行を単純に切り捨てることができればいいが、金融システムが巨大化・複雑化してしまった。単純に切り捨てできないなら複雑な規制が必要となってくる。それは仕方がない。
  • 次の景気後退について知っておくべきこと(主演:ドナルド・トランプ) - himaginary’s diary

    というWaPo論説をサマーズが書いている(H/T 石町日記さんツイート、原題は「What you need to know about the next recession (starring Donald Trump)」)。 サマーズはそこで以下の4点を挙げている。 米国の繁栄にとって、米国の議会の機能不全よりも「扇動家ドナルド」選出の可能性が遥かに大きな脅威 馬鹿げていて矛盾した財政政策や貿易政策という話を超えて、通常はアルゼンチンや中国ロシアといった国の文脈で語られる政治リスクを初めて米国に関連付けた。債務の再交渉、自分に反対する出版物の告訴、条約破棄、といった脅しについてはそれ以外の解釈のしようがない。 忍び寄るファシズムはマクロ経済政策よりもはるかに重大な問題! 2009年は1929-33年の再演とはならなかったが、まだ安心はできない 2007-18年の経済のパフォーマンスは

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  • 債務不履行懸念ではなく非流動性への懸念から銀行取り付け騒ぎが起きる? - himaginary’s diary

    昨日紹介したDavid Andolfattoのブログエントリに対しては、脚注に記したように、Nick Roweがコメントしている。ただ、昨日エントリの脚注で紹介したのはAndolfattoの論点3へのRoweのコメントであったが、その他にRoweは論点5についてもコメントし、しかもその内容を敷衍したエントリをWCIブログに立てている。 具体的には、Andolfattoの論点5の主張のうち 現金が無くなったら払い戻しを停止する(従って短期的な債務履行に応じるための資産の叩き売りはしない)ということを完全に信頼できる形で約束できれば取り付け騒ぎは起きない という点についてRoweは異論を述べている。Roweに言わせれば、これは確かにダイアモンド=ダイビックモデルでは成立するが、同モデルに1期間加えると成立しなくなる、との由。 そのことをRoweは銀行預金をリンゴに喩えて説明している。 前提:

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  • 貿易赤字はいかに職を奪うのか? - himaginary’s diary

    アラン・ブラインダーが貿易に関するWSJ論説を書き、マンキューが「Alan Blinder has a great column」としてリンクした一方で、ディーン・ベーカーとジャレッド・バーンスタインが反発している。 両者が特に反発したのが以下の一節。 The U.S. multilateral trade balance — its balance with all of its trading partners — has been in deficit for decades. Does that mean that our country is in some sort of trouble? Probably not. For example, people who claim that our trade deficit kills jobs need to explain h

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    neco22b 2016/04/27
  • クルーグマンがファンブルしたこと - himaginary’s diary

    クルーグマンが、自らの1990年代末の日に関する分析を振り返り、自分の最良の仕事であった、と書いている。そして、モデルを書き下ろすまでは流動性の罠など幻想に過ぎず、日の金融当局が仕事をしていないだけだと思っていたが、モデルを書いてみたらそうではなく、流動性の罠が現実であることを認識した、と述べている。 今までもクルーグマンは同様のことを度々述べているが、今回、その際に失敗も犯したことをさりげなく認めている。 Oh, and the model also said positive things about fiscal policy — actually, a multiplier of one even with full Ricardian equivalence, although I bobbled that in the original paper, because I d

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    neco22b 2016/04/26
  • 変動相場制は経常収支の調整を早めるか? - himaginary’s diary

    前回エントリで紹介したクルーグマンの議論では、海外からの資流入が突然止まるケース(「sudden stop」)について触れた際にBOEブログエントリにリンクしていたが、そのリンク先では、変動相場制の方が固定相場制よりも経常収支の不均衡をより速やかに調整する、というフリードマンの予言について検証している。 著者のFernando Eguren-Martinは、先行する実証研究(Chinn and Wei[関連ブログエントリ]、Ghosh et al.)でこの予言について明確な結果が得られなかった原因をsudden stopに求め、以下のように書いている。 A way to reconcile the findings described above is the following: floating exchange rate regimes might typically delive

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    neco22b 2016/04/19
  • 日本の経済危機は家計の債務のせい? - himaginary’s diary

    今年のジャクソンホールのコンファレンスでプレゼンされたというBISの論文をMostly Economicsが紹介している。 そこでは先進18カ国の家計、非金融企業、政府の三部門の債務をベースにした研究が行われているが、論文の著者たちは、分析に使用したデータをExcelで公開している。 それを用いて試しに日、米国、ドイツ、イタリア、ギリシャ、ポルトガルについて三部門の債務のGDP比率をグラフ化してみると、以下のようになる。 これを見て気付くのは、現在の日の政府の債務比率が高いこともさることながら、日の一般事業会社の債務比率がそもそもかなり高いことである。1990年以降は減少傾向にあるものの、それでも直近でGDPの1.5倍前後であり、他国よりも高い水準を維持している。 論文の分析によれば、 政府債務比率がGDPの85% 企業債務比率がGDPの90%近く 家計債務比率がGDPの85% に達

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  • どの(マクロ)経済学者に耳を傾ける価値があるのか? - himaginary’s diary

    在外ないし最近まで在外だった日経済学者のツイートをここ数日で幾つか目にした際に、以前ブクマ/ツイートしたクルーグマンのエントリ「誰に耳を傾けるべきか(Who To Listen To)」の追記部分を否応無く思い出したので、以下にそれを紹介してみる。 PS: One side note: One thing that’s striking in Portes’s discussion — and something I very much agree with — is the irrelevance of formal credentials. As we’ve debated how to deal with the worst slump since the 1930s, a distressing number of economists have taken to arguin

    どの(マクロ)経済学者に耳を傾ける価値があるのか? - himaginary’s diary
    neco22b
    neco22b 2016/03/21
    『彼が持っているのは鋭い観察力であり、冷静さであり、偏見の無い心である。こうしたすべての属性は、私の同僚のあまりにも多くが欠いているものだ』