現下、欧州連合(EU)ではギリシャの財政が問題になっているが、スウェーデン銀行賞受賞者のクルーグマン教授はスペインのほうが問題だと指摘している。そのあたりを、今後の動向理解のために簡単にまとめておこう。 クルーグマン教授の言及で一番明確なのは、4日付けテレグラフ紙「Fears of 'Lehman-style' tsunami as crisis hits Spain and Portugal」(参照)だろう。標題は「リーマンショック並の衝撃がスペインとポルトガルを襲う」ということ。 In Spain, default insurance surged 16 basis points after Nobel economist Paul Krugman said that “the biggest trouble spot isn’t Greece, it’s Spain”. He bla
ギリシャ問題は今週の水曜日にひとつの山場を迎えます。 それは欧州委員会(欧州連合の事実上の行政府)がEU各国の安定成長協定(Stability & Growth Pact)に照らしてちゃんと財政を運営しているかの年次報告が出される日だからです。 なんだか難しい用語が並んでいてわかりにくいと思うので、ごく単純化して言えば、EUがメンバー国各国に「通信簿」を渡す日だと思ってください。 それはEUに各国が加盟したときに約束した、「各々の国は財政赤字がGDPの3%を超えないように、がんばる」という努力目標にちゃんと取り組んでいるか?ということが評価されるのです。 既に大半のEUメンバー国の財政赤字が折からの不況の影響でGDPの3%を超えていることから、実際に数字的に3%をクリアしているかどうかは問題にはなりません。 そうではなくて、方向性として、財政赤字削減に向けて「実のある」努力をしているかどう
大前研一氏の「「知の衰退」からいかに脱出するか?」によると、日本の財政赤字はEUに加盟しようとしても即座に断られるほどだそうだ。どういうことか気になって調べてみると、EU加盟の経済収斂基準というのがあり、そこに財政:過剰財政赤字状態でないこと。(財政赤字GDP比3%以下、債務残高GDP比60%以下)と書かれている。財政支出、債務残高のGDP比を見ると、2008年の日本の財政赤字はGDP比の2.6%で、債務残高はGDP比の170%にもなっている。(wikipedia: 国内総生産 GDP) 2009年度の日本の実質GDPが520兆円規模なので、その3%は15.6兆円。これが国債を発行してよい基準額のはずだが、2010年度予算で44兆円国債を発行するようなので、GDP比の8.4%ということになり、EU基準を大幅に上回ってしまう。 財務省による2009年度の各国の債務残高のデータを見ると、日本の
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