水害などで水浸しになった古文書を再生させる「文化財レスキュー」の活動を行っている「歴史資料ネットワーク」(代表、奥村弘神戸大教授)が、東日本大震災で津波被害に遭った宮城県名取市内の学校に残された古文書保存のため、25日から現地入りする。「被災者の生活建て直しが先決」と状況を見守っていたが、現地の要請もあって実現。「古文書だけでなく、被災した人々の思い出が詰まったアルバム、住民生活に直結する役所の文書も再生させたい」としている。 歴史資料ネットワークは、平成7年1月の阪神大震災を機に、兵庫県内の歴史研究者を中心に発足したボランティア団体。阪神大震災では、副代表の松下正和・近大姫路大講師(日本史、資料保存論)らが発生約1カ月後から活動を始め、がれきに埋まった文書などを取り出して泥落としやカビ防止措置などを施し、2年近くかけて段ボール1500箱分の史料を再生させた。 21年8月の台風9号に伴う兵