秋の風物詩のひとつであるヒガンバナは、秋の花見の対象にもなる真っ赤な花が有名ですが、野食界隈では強い毒をもつ危険植物として扱われることが多いです。 ヒガンバナには花と葉が別々に発生するという特徴があり、葉だけの時期はノビルやニラなどネギ類の山菜と微妙に似ているので、しばし誤食事故が起こります。 見た目の違いもさることながら、ヒガンバナはネギのような食欲の出る香りがなく、青臭くて不快な臭いがするのですぐに違うとわかるのですが…… ヒガンバナの毒はリコリンなど数種類の成分からなり、園芸植物のなかではかなり強く、時に呼吸困難で死に至ることもあります。 古くから知られた毒草で、そのため墓地の周囲などに植えられて死体を荒らす動物たちを防ぐのにも使われました。(効果があったかはわからないけど) 綺麗な赤はあまりの鮮やかさから辛気くさいものにもとられ、華やかさと後ろ暗さの同居する花として様々なモチーフと