マイケル・ジャクソンの訃報は、なんだか拍子抜けするタイミングで届けられてきた。 私は、朝の番組を見ながら、新聞を読んでいた。 と、軽部アナがそれまでの芸能情報を中断して、いきなり速報原稿を読み始めた。 「いま入った情報によると、マイケル・ジャクソンさんが心肺停止状態で病院に……」 「!!!」 こういう時、スタジオは、にわかに活気づく。 時間が止まるというよりも、逆に、止まっていた時間が動き出す感じ。 いや、私は、放送現場の人間が、マイケルの死を歓迎していたと言っているのではない。彼らが喜び勇んで訃報を伝えていたと言いたいのでもない。 ただ、彼らのテンションは、明らかに上昇してしていた。 無論、スタッフやコメンテーターの中には、マイケルのファンも少なからずいるはずで、彼ら個々人の思いについていうなら、彼らもまた、一人の人間として、このニュースに心を痛めていたのだと思う。 でも、それはそれとし