1 2 日本企業が世界で勝つために、 有能な中国人をいかに確保するか 今、中国の経済学者、評論家の間で話題になっているのが「ルイスの転換」である。これまでは農村地域の余剰人口が都市部へと流動することで工業化が成り立っていたが、少子高齢化が進むことによって労働人口が不足しはじめ、それが人件費の高騰を招き、経済成長維持が懸念されだしているのだ。 そのうえ、中国では慢性的にホワイトカラーや技術者が不足している。これからの中国労働市場は、量より質が求められるようになり、企業にとって人材戦略が成功を左右することにもなる。 日系企業は、政府への人脈づくり、交渉術を中国人に任せてきた。また、日本留学経験者による現地従業員への教育、意識改革も行なってきたが、それもまず、人材ありきである。 ところが、さんざん募集広告を出してせっかく優秀な人材を確保しても、日本企業が欲しいと思う人材は、能力主義志向の