ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (15)

  • ハラスメント被害者を「厄介者」扱いする組織 - 紙屋研究所

    しんぶん赤旗1月22日付 しんぶん赤旗1月22日付に「自衛隊セクハラ 深刻さ告発」「現役隊員の国賠訴訟」という記事が載った。 航空自衛隊那覇基地でベテラン隊員から受けたセクハラに対して組織が不利益防止措置などをとらなかったとして、昨年2月に国を相手に損害賠償請求を起こした(しんぶん赤旗1月22日付) という事件である。ハラスメント加害者であるベテラン隊員はA、訴えたCさんは現役自衛官だ。すでに、AがCさんに対して起こした反訴の地裁判決では、Aの訴えを棄却し、AのCさんに対して行った「セクハラの事実をおおむね認めました」(同前)。 この裁判を起こしたCさんは裁判の意義をこう語っている。 被害を告発した人に不利益を与え、被害を隠蔽する自衛隊の深刻な実態を社会に知らせたい(同前) (1)被害を告発した人を徹底的にバッシングする(2)被害を隠蔽する、という抑圧的な組織体質に注目した。 自衛隊だけで

    ハラスメント被害者を「厄介者」扱いする組織 - 紙屋研究所
  • 『サクッとわかるビジネス教養 東南アジア』 - 紙屋研究所

    元旦の「しんぶん赤旗」を読んでいたら、志位和夫の東南アジア訪問についてのインタビューが載っていた。 www.jcp.or.jp 日共産党は安全保障の枠組みとして、「地域協力」を押し出している。同党の綱領では、なかでも東南アジア諸国連合(ASEAN)を「とくに」とわざわざ名指ししている。まあ、毎年の選挙政策や街頭の訴えなどでも必ずと言っていいほど出てくる。 それくらい“激推し”されているASEANではあるが、実はぼくはASEANについてよく知らない。ASEANも知らないし、東南アジア各国についてもほとんど知識がない。 例えば日共産党は、ASEANの枠組みである東アジアサミット(EAS)を発展させることを呼びかけ、さらにASEANインド太平洋構想(AOIP)への発展を支持しているのだが、EASもAOIPも自民党政府自身が担い、それへの支持をうたっているものだ。これをどのように使うのか、別の

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  • 更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』 - 紙屋研究所

    リモート読書会で更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』を読む。 若い読者に贈る美しい生物学講義――感動する生命のはなし 作者:更科 功 ダイヤモンド社 Amazon このは、生物学に興味を持ってもらいたくて書いたである。タイトルには「若い読者に」と書いたけれど、正確には「自分が若いと勝手に思っている読者に」だ。好奇心さえあれば、百歳超の人にも読んで欲しいと思って、このを書かせて頂いた。(p.5) 高校の生物で6点を取った歴史を持つ男として、「ほう、興味を持たせられるなら持たせてもらおうではないか」と思って読み始めた。 更科人による章立て紹介は次のとおりである。 簡単に内容を紹介しておこう。まずは、生物とは何かについて考えていく(第1章および第3章〜第6章)。そのなかで、科学とはどんなものかについても考えてみよう(第2章)。生物学も科学なので、その限界についてきちんと理解しておくこ

    更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』 - 紙屋研究所
  • 今年度の中学英語が大変になっている可能性はないのか - 紙屋研究所

    中2の娘の定期テストの結果を見る。 英語の最下位クラス(0〜29点/100点満点)にかなりの人数がたまっている。他の教科と比べても段違いだ。1学期・2学期・3学期とこの傾向は変わらない。 グラフにしてみた。 この学校だけ、英語の授業が悪いのだろうか? そういう可能性もある。 しかし、今年から中学校の英語が変わった、と前に記事で書いた。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com そのエントリで紹介した、日経新聞2021年9月28日付の「受験考」欄記事「ついていけず悩む生徒」を一部引用する。 学校の授業の流れはまず英語の歌を歌い、英単語ビンゴをする。そしてチャット(2人1組で決まったフレーズを言い合うが、細かな発音指導などはしない)。さらに教科書文の音声を聞き、簡単な和訳を教師が言う。これで授業終了。 教科書文はおろか受動態や現在完了形といった文法の丁寧な解説はない。しか

    今年度の中学英語が大変になっている可能性はないのか - 紙屋研究所
    nenesan0102
    nenesan0102 2022/03/20
    ひどい話だ。ますます日本のガラパゴス化すごそう。一方で富裕層はインターに行かせたりして英語はできるのが普通になってる。
  • 「交通事故負傷者は実際には減ってない」問題が国会で質問 - 紙屋研究所

    交通事故負傷者は実際には減ってないのではないか、という「しんぶん赤旗」の記事を読んでその感想を書いた。*1 kamiyakenkyujo.hatenablog.com その後、共産党の塩川鉄也衆院議員がこの問題を国会で取り上げて質問した(6月4日、衆院内閣委員会)。今日の「しんぶん赤旗」にはその反響を書いた記事が載っていた。 そして塩川議員のホームページにはその質問をまとめた記事が載っていた。 www.shiokawa-tetsuya.jp (2021年6月4日 衆議院内閣委員会 日共産党 塩川鉄也 配布資料) 前回記事で青野渉弁護士のコメントを紹介したが、「横ばい」と「半減」ほどに違う。「実数が違うだけで、基的には同じ傾向」ではないのである。これは統計の意味を無効化し、それを基礎にした国策を誤らせる。 乖離が生じているのはなぜかと質問。 警察庁高木勇人交通局長は「自賠責保険では、人身

    「交通事故負傷者は実際には減ってない」問題が国会で質問 - 紙屋研究所
  • 生き残った - 紙屋研究所

    コロナで始まった娘の中学校生活はなんとか1年目を終えようとしている。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 2学期の終わりに三者面談があり、行った。 担任は「娘さんは遅刻が多いのでなんとかこれを直さないとですね」と言っていた。 遅刻…? 遅刻がどうだというのだろう。 遅刻などいくらでもすればいいではないか。 1学期に休みがちだった学校は遅刻してもいいから行けるなら行った方がいいとは思ったが、行けなくてもしょうがないと思っていた。実際に休んだし、遅刻もした。 2学期に入って学校を休むのは月に1回くらいになったが遅刻はよくしていた。3学期に入って遅刻そのものもかなり減った。 勉強については、1学期は宿題をためにためてしまい、泣きながらやっていた。 2学期になってぼちぼち自分でもやるようになって3学期になって親が「宿題をした方がいいのでは」と言うこと自体がなくなった。 いや

    生き残った - 紙屋研究所
  • 大きな枠組みに目を向けさせないようにする - 紙屋研究所

    なぜ「自分のできること」の範囲に限定するのか 娘(中1)が「環境新聞」というのを学校の宿題で作っていて、横から眺めていた。 温暖化について書いている。 「結論は自分ができることを書かないといけないんだ」と言って、ムダな電気を消すとかそういうことを書いていた。 その後授業参観で、クラスの壁に貼られた、クラスの生徒たちがそれぞれつくった「新聞」を見る機会があったが、温暖化だけでなく、ごみの減量とか、プラスチックごみの縮減とか、さまざまな環境問題についてまさに「自分ができること」で締めくくられていた。例外なく全て。徹底した指示・指導なのであろう。 なぜ「自分のできること」の範囲に限定するのだろうか。どうして「2030年に8%という低すぎる福岡市の再生可能エネルギー普及率の戦略を引き上げる」とか「プラスチック全般に拡大生産者責任を徹底する」とか、そういう「大きな話」を書いてはいけないのだろうか。*

    大きな枠組みに目を向けさせないようにする - 紙屋研究所
    nenesan0102
    nenesan0102 2020/11/13
    環境問題はつきつめたら政治の話に向かうからな。教師が政治に目を向けさせたくないんだよ。左翼だ左翼だってすごいバッシングされるから。教師だって人だからバッシングされたくないしね
  • 山田昌弘『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』 - 紙屋研究所

    タイトルに惹かれて読んだ。 日少子化対策はなぜ失敗したのか?~結婚・出産が回避される当の原因~ (光文社新書) 作者:山田 昌弘 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 山田がいうには、 日はスウェーデン、フランス、オランダの対策をモデルにしてしまった。 これらの国の固有の価値観を少子化対策の前提にしてしまった(子は成人したら独立する、仕事は女性の自己実現など)。また日固有の価値観をスルーしてしまった(リスク回避、世間体重視など)。 ということである。 因果が逆では 全く当たっていないわけではないけども、基的に因果が逆ではないのか、というのが書を読み終えた率直なぼくの感想である。意識や志向の問題ではなく、長い自民・公明政権下での政策の遅れ(というか逆方向)がそのような意識や志向を作り出してしまったのである。それなのに、山田は意識や志向から欧州との差やこれか

  • 藤野裕子『民衆暴力』 - 紙屋研究所

    このの趣旨は別のところにあるのだろうが、何と言っても同書を読んでぼくが一番に受けたインパクトは、関東大震災における朝鮮人の虐殺について書かれた部分である。 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日近代 (中公新書) 作者:藤野 裕子 発売日: 2020/08/20 メディア: 新書 ぼくはこの事件について自著『不快な表現をやめさせたい!?』で次のように書いている。 不快な表現をやめさせたい!? 作者:紙屋 高雪 発売日: 2020/04/06 メディア: 単行(ソフトカバー) ヘイトスピーチの怖さは、例えば「在日韓国人」「ユダヤ人」という「人種」としてくくられた人たちが丸ごと「二級市民」と見なされるようになって、その社会の中で「どう扱ってもよい存在」にされてしまうことです。これは単に個人が攻撃されるというだけにとどまらず、社会が壊れてしまうことを意味します。現に日では、関東大震災の折に「人種

    藤野裕子『民衆暴力』 - 紙屋研究所
    nenesan0102
    nenesan0102 2020/10/13
    うわーなんという面白そうな本
  • 小学校の運動会は要らないなと思った理由 - 紙屋研究所

    この記事を読んで思ったこと。 news.yahoo.co.jp 特にこの点。 ●運動会の目的と目標がきちんと明確になっていない。 関係者のあいだで(保護者だけでなく、おそらく教職員の間ですら)腹落ちしていない。 ●その目的、目標に照らして適切な手段となっているかが十分に検討されていない。 ところが、なんと、指導要領には一言も「運動会」という言葉は出てこない。この事実を教職員は知っているだろうか? 正確に言うと、特別活動の学校行事のひとつとして、「健康安全・体育的行事」という記述はある。この体育的行事のひとつの例として、運動会はある。(指導要領の体ではなく、解説には運動会との文言は出てくる。) 極端な話をすると、「うちは運動会はしません」という学校があってもよいわけである。 運動会が目的に合ったものなのか、そもそもマストではないはずだ、という指摘は大事だ。 なぜなら、ぼくはつい先日小学6年

    小学校の運動会は要らないなと思った理由 - 紙屋研究所
    nenesan0102
    nenesan0102 2019/06/03
    うちは母が入院していたから、前夜の野菜炒めをペラペラのビニール袋に入れたものを持たされてみじめさで涙が出た。弁当を買えるとかの配慮がほしい。皆が皆母親は元気じゃないし、シングルファザーもいるし
  • 太田垣章子『家賃滞納という貧困』 - 紙屋研究所

    司法書士として家賃滞納の処理にあたってきた筆者が、18のケースを紹介している。 家賃滞納という貧困 (ポプラ新書) 作者: 太田垣章子 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2019/02/08 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 230ページのなのに200ページまで事例紹介がい込んでくるのは、いくらなんでも多すぎないか……? とは思ったけど、個別事例の中にわかりやすく普遍性を見出そうという手法なのだろう。滞納の中にあるドラマのようなものを読み取ってしまった。 忘れられないのは、大阪の生野区にある部屋の家賃を滞納し続けた20歳の男性のケースです。人とまったく連絡が取れなくなったため、四国に住む親御さんに連絡すると、「2、3年連絡を取り合っていないが、便りがないのは良い知らせ」だと言い切り、まったく関わろうとしないのです。 しかしその若者は、部屋の中で餓死していました。 慣

    太田垣章子『家賃滞納という貧困』 - 紙屋研究所
    nenesan0102
    nenesan0102 2019/03/17
    夫が先に死んだらホームレス決定なので、早く安楽死を解禁してほしい。
  • さいきまこ『神様の背中 〜貧困の中の子どもたち〜』 - 紙屋研究所

    サブタイトルにあるとおり、現代日では6人に1人がその状態にあると言われる、子どもの貧困を描いたマンガである。 いま、ぼくは「6人に1人」と述べた。 これは「相対的貧困率」といって、1人あたりの所得*1が全人口の中央値の半分未満の世帯員を貧困にあるとみなして、その割合を求めたものである。 つまり世の中の人の半分ほどにも所得がない家の子ども、ということである。それが貧困の定義だというのであれば、貧困を描くマンガなのだから、貧困の実態を折り込めば成立する、すなわち「お金のなさ」を描けばそれで成立するように思える。 しかし、このマンガは、孤立、文化的な意味での貧困、DV、児童虐待、女性にだけ押しつけられる家事、生活保護など、「お金」以外の問題を多様に扱う。様々なものがからみあって現代の貧困が生まれているのだから、貧困を描こうと思えば、それはある意味で当然ともいえるものだろう。 自己責任論とたたか

    さいきまこ『神様の背中 〜貧困の中の子どもたち〜』 - 紙屋研究所
  • 生活保護の不正受給と相続税の非違件数 - 紙屋研究所

    福岡市が5月くらいから「生活保護ホットライン」っていうのをはじめるそうだが、「市民からの保護を要する人に関する情報」っていうのはいいんだけど、「生活保護に関する不正行為等の情報」「その他の生活保護の情報(アルコールやギャンブルなどによる生活の乱れ等)」っていうのはひどい。 市議会で共産党議員が質問している。 https://www.youtube.com/watch?v=ntfuyjOlgFI#t=55m15s 「生活保護世帯は酒飲んだらダメなの?」「ぜいたくな事をしてたり、立派な服を着てるのも通報対象になるの?」「そもそも誰が生活保護受けてるか、市民は知らないはずでしょ。守秘義務があんのに。いい加減な情報集めるのに公金使うわけ?」とか聞いている。 「ええっと、電話で正しい知識も普及できますんで」とか、答弁してるけど、相当苦しい言い訳だな。市民監視で、生活保護世帯を「二級市民」扱いして、

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  • 竹信三恵子『家事労働ハラスメント 生きづらさの根にあるもの』 - 紙屋研究所

    家事労働と聞いて、「あ、おれ関心ない」という男は多いだろう。ぼくもそのクチであった。著者も苦労したらしい。書の発端となる連載には反響も大きかったのに、 出版社へ企画を持ち込むと、反応はさっぱりだった。(書p.234) 家ではカミさんに感謝しているぜ、という男性社員。私は働いているから関係ない、という女性社員。家事労働なんていう地味な話題はやめろ、これからは女性進出の時代だよ、という後輩。「家事労働の」と聞いてイメージする消極的な反応にとりまかれたのである。 正直、ぼくも「専業主婦の働きをお金に換算して評価する話」みたいなイメージが強くて、「ふーん…」という感じになってしまっていた。ふーん現象。 家事労働の在り方が私たちの会社での働き方や社会政策にまで広く影響を及ぼすのだと力説しても、「料理や洗濯がなぜ会社の仕組みや福祉制度に関係あるんですか?」と首をかしげられた。(同前) 結論めいた

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  • 山口かこ・にしかわたく『母親やめてもいいですか』 - 紙屋研究所

    週刊アスキー2013年5月7-14日合併号に、「私のハマった3冊」を書いた。 【私のハマった3冊】母親の孤独と暴走が重い 今年一番衝撃を受けた1冊 その記事で「今年一番衝撃を受けた1冊」と4月早々に書いてしまった、その作品が作、山口かこ・にしかわたく『母親やめてもいいですか』(かもがわ出版)である。まあ、5月以降もっとすごいのに出会う可能性はあるんだけどね。現時点ではベスト。 サブタイトルに「娘が発達障害と診断されて…」とある通り、文章を書いた山口かこが、娘が発達障害と診断され、それをどう受けとめたのか、あるいは受けとめられなかったのかを描いたコミックエッセイだ。 「受けとめられなかった」と書いたが、作者・山口は、発達障害という診断におびえ、ストレスをためこみ、医者や施設を渡り歩き、ついにその重みに耐えかねて「不倫」をし、家庭をこわして、娘とも離ればなれになってしまうのである。 発達障害

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