筆で世界を変えた男、葛飾北斎の生涯や偉業を3回にわたって紹介する。第1回は、北斎の人物像や世界に与えた影響に迫る。江戸時代の市井の絵師にもかかわらず、19世紀最高の芸術家として知られる北斎とは、一体何者なのか。その実像に迫る。 葛飾北斎 「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 世界で最も重要な人物100人に選ばれた! アメリカの有名なフォト・ジャーナル誌『LIFE』が1998年に「過去1000年の間で最も重要な人物はだれ?」という調査を行い、上位100人のランキングを発表した。1位エジソン、2位コロンブスなど、名だたる偉人が上位を占める中、日本人で唯一選出されたのが、なんと葛飾北斎だった。その影響はモネやドガといった絵画における印象派の巨匠たちだけでなく、ティファニーやカミーユ・クローデルらによる工芸や彫刻、ドビュッシーの音楽、フランク・ロイド・ライトの建築など、ジャンルを横断して様々な分野に浸透