ブックマーク / closetothewall.hatenablog.com (6)

  • 市川沙央『ハンチバック』 - Close To The Wall

    文學界(2023年5月号)(第128回 文學界新人賞決定発表) 文藝春秋Amazon文學界新人賞と芥川賞受賞作。難病により背骨が曲がっており人工呼吸器を使って生きる主人公が、中絶という「障害者殺し」が日常化したなかにあって、それなら「殺すために妊娠する障害者がいてもよくない?」と計画する。生きることと殺すことの挑発的な問いを投げかけるばかりか、作品の大枠には「当事者性」についての問いも込められている。 作者が作中人物と同様の疾患だということで「読書バリアフリー」についての問題意識を投げかけ、障碍「当事者」の芥川賞受賞としても話題になった。 健常者社会への批判 作は子供の頃「ミオチュブラー・ミオパチー」という遺伝性筋疾患を発症し、「右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲したS字の背骨」を持つ「ハンチバック(せむし)」となり、車椅子を使用し仰臥時には人工呼吸器を装着した語り手の生活と困難が具体的に

    市川沙央『ハンチバック』 - Close To The Wall
    nessko
    nessko 2023/08/16
    市川沙央は当事者として発言することを厭わないけれども、『ハンチバック』は小説として楽しめる作品だった。出だしと終わりで胡蝶の夢のような効果、植松聖への障碍者からの返歌、階級差など現代社会の縮図を見せる
  • 野間三賞の贈呈式・祝賀会に行って来ました - Close To The Wall

    12月17日、野間文芸賞、野間文芸新人賞、野間児童文芸賞の贈呈式・祝賀会があり、なんの因果か私も参加してきました。畏れ多くも野間賞受賞者笙野頼子さんから招待されたのでした。エッセイや帯文に私らしき人物が出てくる時もありましたけれど、まさか、と。それも帝国ホテルという貧乏人には縁遠い場所で、かなり恐々としながら行きました。 会場にはいると贈呈式が始まり、選者の方や受賞者のスピーチが行われました。笙野さんを見るのはこの時が初めてでしたけれども、案外とイメージ通りという感じがしました。受賞スピーチはこれまた力の入ったもので、何にしてもパワフルなんだな、と。対照的なのが新人賞の松波太郎さんで、いきなり脱ぎだして何かと思ったら、受賞作『LIFE』にちなんで、LIFEと手書きした白Tシャツをスーツの下に着ていたという。体育会系らしいノリがなかなか楽しい人でした。松波さん私の年下とか。 祝賀会に移り、笙

    野間三賞の贈呈式・祝賀会に行って来ました - Close To The Wall
    nessko
    nessko 2014/12/21
    >(笙野頼子は)23年望んでいた賞だった、と言う。作品を書いて、それが読まれて、評価される、という文学的過程への皮肉ではない信頼と感謝が感じられる。
  • 再帰的東浩近代? - Close To The Wall

    東浩紀氏の以下の発言。 まとめよう、あつまろう - Togetter 東浩紀と南京大虐殺 - Togetter 以前の話題が再来。 テンプレを踏んでいることに気づかないテンプレ通りの人たち - Close to the Wall ナイーブじゃないかな、それは。 - Close to the Wall 何だか一年ごとに東浩紀批判をしている感すらある自称はてなサヨクkingです。自分でもやや粘着っぽくてきもいんですけど、Apemanさんのこちら つい最近の歴史を“修正”する言論人 - Apes! Not Monkeys! はてな別館 の記事にコメントしてからもうちょっと書いておきたいことが増えてきたので、ここに記事を上げることにします。 投稿したコメント再掲 こんな風にも言ってますね。 「当時から言ってますが、ぼくは南京事件は(あるていど小規模だと思いますが)あったと思います」「ぼく個人は南京

    再帰的東浩近代? - Close To The Wall
    nessko
    nessko 2010/06/26
    東の言い訳聞いていると、南京事件否定派を否定しないようにこっけいなまでに気配りしているような印象を受ける。
  • テンプレを踏んでいることに気づかないテンプレ通りの人たち - Close To The Wall

    東浩紀の発言から始まった年末南京事件騒ぎだけれども、このパターンほとんど年始のフロムダ氏の南京論争とそっくりで、わたしとしては以下の一年前の記事を再掲するだけで終わらせても良いくらいだ(この騒ぎでにわかにリバイバルしてアクセス数が増えている)。 「なにが歴史修正主義の問題なのか」についての私見 - Close to the Wall 続・「なにが歴史修正主義の問題なのか」についての私見 - Close to the Wall 南京事件否定論は基的にトンデモ - Close to the Wall 論争傍観者を自称する人間についての二つの問題 - Close to the Wall ただ、東のいっていることは単純に歴史修正主義容認論とみなしていいのかどうかはやや判断に迷うところなのでさておくが、ゼロアカ門下生藤田直哉id:naoya_fujitaの発言はひどいのを通り越してもはや犯罪的だと

    テンプレを踏んでいることに気づかないテンプレ通りの人たち - Close To The Wall
    nessko
    nessko 2008/12/06
    筒井康隆にうかつにはまってかんちがいする若い衆のことは、中島梓が『ベストセラーの構造』で書いていたが、いつの時代にも偏在するんだろうな。これでいいんだ、と思ったら、そこで止まるのだが、それは当人次第。
  • 歴史修正主義の手法 - 歴史学者の議論をその裏付けが自分の調べた範囲で見つけられなかったことを根拠に勘違いだろうと判断する人物 - Close To The Wall

    と、まあタイトルで題は終わりなんだけど。 集団自決等のはてなキーワードの編集合戦が続いていて、その一方の当事者の言ってることがあんまりアレだから何か書こうと思っていたら、あっという間に集中砲火をらったばかりか職の学者さんにまでバッサリ斬られてなんたる四面楚歌。 歴史修正主義の定義について - 反歴史修正主義グループ 上記掲示板を見れば、どれだけその、歴史学者の議論をその裏付けが自分の調べた範囲で見つけられなかったことを根拠に勘違いだろうと判断する人物の言っていることがおかしいかはすぐにわかるだろうけれど、もうちょっと書いてみる。私自身も沖縄戦に関してはさして知らないが、分かる範囲のことを。 さてまず、歴史学者の議論をその裏付けが自分の調べた範囲で見つけられなかったことを根拠に勘違いだろうと判断する人物は、沖縄戦での富山真順「兵事主任」について、 1・この言葉を使っているのはどうも沖縄

    歴史修正主義の手法 - 歴史学者の議論をその裏付けが自分の調べた範囲で見つけられなかったことを根拠に勘違いだろうと判断する人物 - Close To The Wall
    nessko
    nessko 2008/03/29
    しかし似たようなことを誰でも日常してないか? 自分より立場の弱い相手に対してならそれで通ってしまうのが日常だったりするし。
  • 貧しい「誤読」 - Close To The Wall

    仲俣暁生ブログで、どうも先日の私の批判記事に対する応答らしき部分を含んだ記事がアップされていた。 【海難記】 Wrecked on the Sea - 読書の自由について 一読、これには頭を抱えてしまう。どうにも批評家としての自殺行為にしか見えない。こんな人を批判して良いのだろうかという迷いもあるのだけれど、一応、言うべきことは言っておく。 まずこの文章において、高橋と保坂の読み方に勝手に小説家の読み方を代表させて「分析的に読む読者(小説家)」などとしている時点でおかしい。保坂の読みは分析的といえば分析的だが、だからといって他の小説家はそうではないし、保坂のように小説を読む小説家が多数かと言えばそうではないと思う。どちらかといえば、小説から何を受け取り、何を考えたか、というような読み方を披露する人が多い気がする(なんとなくね)。 そして、この高橋保坂コンビの読み方を勝手に敷衍することで、「

    貧しい「誤読」 - Close To The Wall
    nessko
    nessko 2007/10/14
    相手が女(笙野頼子)だから対応が混濁してるだけのような気がした>仲俣 それと、高橋保坂の書評って小説家が書いたものじゃないみたいだなくらいにしか思ってなかったな。
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