「率直に言って、私たちは騙(だま)されたのだ」。メディアや自動車専門家が米ゼネラルモーターズ(GM)への批判を強めている。11月に発売される自称“長距離電気自動車”の「シボレーボルト」が、当初の触れ込みとは異なり高速走行時などでガソリンエンジンからも直接駆動力を得ることが判明したためだ。同社関係者は、より良い製品に仕上げるための変更だったと主張するが、消費者に失望が広がれば、ボルトは、病み上がりのGMにとって、救世主どころか、足を引っ張る疫病神ともなりかねない。 (文/ジャーナリスト、ポール・アイゼンスタイン) 米ゼネラルモーターズ(GM)が11月、再生の象徴(と目されていた)「シボレーボルト」をついに発売する。このいわゆる「長距離電気自動車」(Extended Range Electric Vehicle、E-REV)は、GMが持てる技術の粋を結集して開発したものとされ、GM復活の狼煙に