昨年来、オリンパスの巨額損失隠し事件や、大王製紙の会長への不正融資事件など、経営者がからんだ不祥事が頻発した。なぜ経営者による不正はなくならないのか。企業をチェックする外部の目である会計監査はなぜ十分に機能しないのか。『企業不正と監査』『監査期待ギャップ論』などの著作もある吉見宏・北海道大学経済学部教授に聞いた。(聞き手/経済ジャーナリスト磯山友幸) 人材の流動性が欠如した日本の会社 ---なぜ経営者の不正がなくならないのでしょうか。 企業経営者による不正はどこの国でも起こります。経営者にモラルがない場合、かなりの事ができます。一義的には、経営者側に問題があって不正が行われるわけです。創業家の会長に言われるがままに巨額の資金を貸し付けていた大王製紙などは分かりやすいケースでしょう。 日本企業の場合、そんな不心得な経営者が出てきた場合でも、誰も止められないところに問題があります。日本の会社で
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