今回テーマで応募2作目。3作応募してけれど、1作消してしまったみたい。まあ、いっか。 #第42回どうぞ落選供養 「書かざる手紙」 差出人不明のそれは、他の郵便物に紛れながらもひっそりと存在を主張していた。私は足を止めた。いや止められた。その封筒の存在が私の足を止めたのだ。心臓が鼓動を速め冷や汗がじんわりとにじむ。封筒には名前も住所も書かれていないことに気づいた「こんなもの、誰が送ったんだ……」私は封を切った。その中に雑に折りたたまれた一枚の紙切れが入っていた。 / お前のすべてを知っている。 「な、なんだ、これ……?」思わず声が漏れてしまった。短い一文にも関わらす上手く情報が処理できない。それでも、胸の奥がぞわぞわと落ち着かない感覚に襲われた。何かの悪戯か、あるいは間違い郵便だろうか。何か私の知らないところで手違いがあったのだろう。そう自分に言い聞かせながらも、それを捨てる気にはなれなかっ
