今季のワールドシリーズはレッドソックスがドジャースを退け、5年ぶり9回目の世界一の座に就いて終了しました。名門同士の対決とあって、全米中でも注目を集めましたが、終わってみると、少しばかり残念な試合内容でした。 確かに、第3戦で延長ワールドシリーズ史上最長となる延長18回、7時間20分の戦いを演じるなど、新聞の見出し的に表現すると「大熱戦」だったかもしれません。延長15回から救援し、2回無失点5奪三振と力投したドジャース前田健太をはじめ、両軍の各9投手が踏ん張ったことは間違いありません。その一方で、淡泊で工夫のかけらさえ見えない攻撃陣の粗さが、異例の長時間試合を招いたことも否定できません。 近年のメジャーでは、若くて学力優秀なGMをはじめ、細かなデータ分析を得意とするエグゼクティブがフロント首脳に座り、数値に基づく戦術、戦略が主流となっています。公式戦は162試合の長丁場ですから、サンプル数