IoT(モノのインターネット)社会の到来で、最大1兆ドルとも目される巨大市場が出現。その覇権をめぐって、アマゾン、マイクロソフト、グーグルによる三つ巴の戦いがついに幕を切った。 クラウドはグーグルにとって、検索広告以来で最大のビジネスチャンスだ。同社は立ち遅れているこの事業を率いるのにふさわしい人物を、何カ月も探し続けた。そんななか、常に名前が挙がる人物がいた。ダイアン・グリーンである。 シリコンバレー以外ではあまり知られていないが、IT業界では伝説の女性だ。グーグルの共同創業者ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンもスタンフォード大学院時代から親交があった。彼女の夫は同大学の著名なコンピュータ科学教授、メンデル・ローゼンブラム。夫妻は何十年もキャンパス内で暮らしている。 ソフトな口調で、温かい笑顔の持ち主であるグリーンは、まるでご近所に住む友達の母親のようだが、クラウド競争の話題になると目つき