習近平のプロパガンダの目的は 習近平政権が正式に発足したのは2013年3月だった。中国歴代国家主席は自らへの求心力を強化するために、何らかのプロパガンダの実現を呼び掛けるのが常套である。そして、習近平政権は強国になる夢を実現するよう呼び掛けた。これは中国で長年進められている愛国教育と文脈的に合致する考えである。
21世紀の現在も、世界には戦火が絶えない。この100年余りの人類の戦争は、大量破壊兵器の開発と国民の総動員によって、より大きな惨劇を引き起こし、不幸と不安を生み出し続けている――。あらためてこの8月、20世紀の戦場の現実を描き出した6冊を、講談社学術文庫のなかから紹介しよう。 戦争と「果たし合い」を混同 「あの戦争」と言うとき、多くの日本人はまず太平洋戦争のことを思い浮かべる。しかし、真珠湾攻撃の4年も前に、「近代日本最長の戦争」がはじまっていた。1937年7月7日、中国の盧溝橋(ろこうきょう、現在の北京市の南西)近くで響いた十数発の銃声によって勃発し、100万人の兵員を動員して40万人以上の死者を出した日中戦争である。そして日本の敗戦とはまずもって、中国に敗れたのであった。 日本はなぜ中国に負けたのか。8年間にも及ぶ泥沼の戦いについて、大局的に両国の戦略を比較して、その「構造」を明らかに
だれしも死ぬときはあまり苦しまず、人生に満足を感じながら、安らかな心持ちで最期を迎えたいと思っているのではないでしょうか。 私は医師として、多くの患者さんの最期に接する中で、人工呼吸器や透析器で無理やり生かされ、チューブだらけになって、あちこちから出血しながら、悲惨な最期を迎えた人を、少なからず見ました。 望ましい最期を迎える人と、好ましくない亡くなり方をする人のちがいは、どこにあるのでしょう。 *本記事は、久坂部羊『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)を抜粋、編集したものです。 <本日 4月27日 今日だけ限定のセール実施中!> 本記事の抜粋元『人はどう死ぬのか』(講談社現代新書)が、 今日限定でKindleで399円で購入できます! 購入はこちらから 人気の死因、一位はがん 死ぬのは仕方ないとして、ではどんな死に方がいいのか。 富士氏のように知らないうちに死ぬのがベストかもしれませんが
ビヨンセの名前を知らない人は珍しいだろうが、ビヨンセがどれくらい偉大か、何を成し遂げてどこに向かおうとしているか、全体像を把握している人も、多くはないように思う。 10月にさまざまな音楽映画の記録を塗り替えた『テイラー・スウィフト:The Eras Tour』から7週間後、世界エイズ・デーにあたる12月1日。北米を始め、多くの国でコンサート・フィルム『Renaissance: A Film by Beyonce』が公開された。 2時間48分という長さながら、オープニングの週末のボックス・オフィスで22ミリオン・ドル(31億円以上)を叩き出し、2003年の『ラスト・サムライ』に次ぐ第2位とニュースになったのは記憶に新しい。翌週末のチケット・セールスは77%の大幅ダウンになったが、これはクリスマス前のホリデー・ムービーが封切られたのが大きいだろう。 日本では12月21日の木曜日から週の後半のみ
約2500年前のインドに生まれた仏教が、アジアに生まれた他の無数の宗教とは異なり現在の世界に広がっているのは、なぜなのだろうか? 唯一神を信仰するユダヤ教・キリスト教・イスラム教との大きな違いとは? 講談社選書メチエの新刊『仏教の歴史 いかにして世界宗教となったか』(ジャン=ノエル・ロベール著/今枝由郎訳)は、多言語に通じた著者の視点で、「仏教の強さ」を明らかにしている。 コーランはアラビア語、カトリックはラテン語、では仏教は? 本書の著者、ジャン=ノエル・ロベール氏は、仏教を中心とした日本文化の研究で国際的に高く評価されるフランスの東洋学者で、2021年、第3回人間文化研究機構日本研究国際賞を受賞している。 ロベール氏は、母語であるフランス語のほかに、中国語・日本語・英語はもちろん、朝鮮語、サンスクリット語、チベット語、ラテン語、ギリシャ語…などに通じた「ポリグロット(多言語話者)」で、
NHK 9月7日「ジャニーズ事務所 会見で何を語った? 9つのポイントを詳しく」の「ポイント【2】藤島ジュリー氏の進退」では、藤島ジュリー景子氏が当面代表取締役に残留することが明言されていた。なお、文春オンライン(週刊文春 2023年9月28日号)では「《ジャニーズ性加害問題》ジュリー氏『代表取締役残留』は相続税支払い免除のためだった 国税庁関係者は『被害者やファンを馬鹿にした話』」と報道している。 また「ポイント【6】「ジャニーズ事務所」の社名を変更するか」においても、(その時点では)社名変更の考えがないことを明らかにしていた。 だが、このような対応に広告スポンサーや国民が納得するはずが無かった。日刊ゲンダイ・デジタル 9月20日「ジャニーズ降板ドミノは一社提供番組から始まる 出演番組にACジャパンCMが増えたら“サイン”」のような、急速なスポンサー離れが始まったのである。慌てて、10月
ネット上の誹謗中傷が異常なまでに盛り上がり、他者を自殺に追い込む国は日本の他に類を見ない。日本社会はなぜ悪意に満ちているのか。その根源を探ると日本人のもう一つの素顔が浮かび上がった。 スマホで人を殺せる社会 日本人は世界一礼儀正しい民族として世界的な評価を得ている。スポーツの国際大会などで日本人観戦客がゴミ拾い活動をする様子が世界中で放送されるたび、誇らしい気持ちになる人も多いだろう。 一方で、「日本人は世界一意地悪だ」とも言われる。女子プロレスラーの木村花さんや、タレントのryuchellさんに対し、SNS(ソーシャルネットワークサービス)上で罵詈雑言を浴びせ続け、自殺にまで追い込んだ事件はメディアでも取りざたされ、社会問題化している。
『なんて素敵にジャパネスク』『海がきこえる』…没後15年のいま、NHKや新聞が「氷室冴子」に注目するワケ 1977年にデビューし、80年代にはヒット作を連発して集英社コバルト文庫を牽引するも、2008年にわずか51歳で肺がんで逝去した作家・氷室冴子に関するドキュメンタリー『没後15年 氷室冴子をリレーする』がNHK札幌放送局によって制作された。2023年7月には全国放送および拡大版がNHKプラスで配信された。 また、小説『海がきこえる』(徳間文庫)やエッセイ『いっぱしの女』(ちくま文庫)などが近年復刊され、氷室の全盛期を知らない若い世代からも注目を集めている。いま、なぜ氷室冴子なのか――評伝『氷室冴子とその時代 増補版』(河出書房新社)を刊行した書評家・ライターの嵯峨景子氏に訊いた。(前後編の前編) 流行作家だっただけでなく、今も「生きる力になった」と語り続ける読者がいる ――今、氷室作品
南米チリ共和国北部、標高5000メートルのアタカマ砂漠に建設された電波干渉計「アルマ望遠鏡」。日本、北米、ヨーロッパを中心に、チリや東アジアを含め22カ国の国際協力プロジェクトとして建設、運用されてきました。 2003年に建設が始まり、試験運用を経て、2013年3月に開所式を迎え、本格運用が開始されました。今年は、このアルマ望遠鏡の運用開始10周年になります。これまで、多くの発見や研究成果をもたらしてきましたが、その中には次代の天文学を担う若手研究者によるものも目立ちます。 そこで、山根一眞さんが、アルマプロジェクトのリーダーである井口 聖さん(元 国立天文台 副台長)に3人の若手研究者を紹介してもらい、それぞれに興味深い研究内容について話を聞きました。 アカタマ高地のアルマ望遠鏡。アルマは電波をとらえるので日中でも観測可能 photo by National Astronomical O
川上未映子が最新長篇で見つめる「90年代」特有の空気。X JAPAN、ラッセン、トラウマ、岡崎京子・・・ 90年代東京を舞台に、金と家の相克を生きる少女たちを描いた『黄色い家』。狂騒の資本主義と生の切実さが衝突する本作に込められた作家の魂とは。批評家の大澤聡さんによる、川上未映子さんのロングインタビュー「エクストリームで個人的なものとしての文学」(「群像」2023年5月号掲載)を再編集してお届けします。 「90年代後半」特有の空気 大澤 手元にはまだケータイが存在しておらず、あるのはポケベルか、せいぜいピッチ(PHS)くらい。だからずっと面と向かっておしゃべりをしていられて、ファストフード店の硬い椅子で氷の溶けきった不味いコーラを無限にずるずる吸い上げ続けている風景、あれが僕のなかの1990年代後半なんです。もっとも、1978年生まれの僕がその時代を10代後半として過ごしたからというだけの
著者に聞く 「科学的なトレーニングをしたい!」 第7回――『1日4分 世界標準の科学的トレーニング』の著者 田畑 泉 さん タバタトレーニングは、20秒間の疲労困憊に至るほどの運動を10秒間の休憩を挟みながら8回繰り返す「高強度・短時間・間欠的トレーニング」である。1日合計4分間、週2回行うことで最大の効果を得られるという。 そのため、海外から火がつき、日本でもスポーツ選手のトレーニングの他、最近は忙しい人が体力をつけるために取り入れやすい運動として耳にするようになった。しかし、非常にきつく、一般人は効果を得られるところまで追い込めないとも聞く。 スポーツ科学の研究者、田畑 泉さん(立命館大学スポーツ健康科学部教授)は、タバタトレーニングの名前の由来となった人物である。タバタトレーニングと自身の研究生活について話を聞いた。 世界中で通用する「TABATA・TRAINING」 ――タバタトレ
歴史に「もしも」があったら? 歴史にもしもはない、という。もしも武田信玄が病気で死ななかったら……もしも平泉で藤原泰衡(ふじわらの・やすひら)の軍勢に囲まれたとき、源義経が脱出していたら……そんなことは、考えても仕方のないことだ。 でも、私たちは、ついそんなことを想像してしまう。もしも歴史が違う方向に進んでいたら、と夢見ることを、私たちはやめることができない。そして、それは……私たちだけでなく、他の知的生命体でも同じかもしれないのだ。 スウェーデン人の哲学者であり、オックスフォード大学の教授であるニック・ボストロム(1973~)は、「シミュレーション仮説」を提唱した。この仮説は、私たちが生きている世界というものが、知的生命体が行っているコンピューター・シミュレーションである可能性を指摘したものである。 私たち人類だって、どんどん文明が発達していけば、地球全体(ひょっとしたら宇宙全体)のシミ
「健康のために運動しよう」と決心しても三日坊主になった経験のある方、いませんか? ジムやフィットネス・クラブはお金も時間もかかるし、「ジョギングでも」と思っても、周囲の人の目も気になる。 そんなあなたにおすすめなのが、誰でも簡単かつ無理なく体力をつけられる「インターバル速歩トレーニング」。今回はその効果を科学的に検証するだけでなく、その詳しいやり方や疑問点も特別に公開! ブルーバックスの『ウォーキングの科学』にて紹介されたこの方法は、通勤や買い物の行き帰りにもできるので、ぜひ今日から実践してみてください! ウォーキングで身につく「体力」とは インターバル速歩トレーニングの話に入る前に、「体力」の定義について説明しましょう。体力といえば、病気にかからず健康を維持する能力、といったイメージを持つ方もおられると思いますが、運動生理学で扱う体力とは「筋力」と「持久力」を指します。 その理由は運動生
1日たった4分足らずの時間で、有酸素性トレーニングと無酸素性トレーニングを同時に行えて、かつ、どちらも最大の効果が得られる夢のようなトレーニング方法が今回オススメする「タバタトレーニング」だ。 世界中の人たちが日々実践しているこのトレーニングの特徴は「高強度・短時間・間欠的」の主に3つ。 まずは、タバタトレーニングの基本的な考え方を紹介していこう。 ※本稿は田畑泉『1日4分 世界標準の科学的トレーニング』を一部再編集の上、紹介しています 世界に羽ばたく大人気のタバタトレーニング! インターネットで「TABATA Training」を検索すると約950万件ヒットしますが、日本語の「タバタトレーニング」で検索すると、ヒット数は約85万件です(いずれも2022年7月1日現在)。 実に、英語ページのほうが日本語ページよりも10倍以上多く存在します。その数字が示すように、タバタトレーニングは日本より
量子力学。それは物質の基本の姿、すなわち、この世界の基本の姿を解き明かそうとする理論だ。しかし、そこから導かれるさまざまな結論は、どれもわれわれの直観にあまりにも反している。 そんな量子力学をどう解釈するかをめぐっては、2つの代表的な方法がある。1つは、ニールス・ボーア(1885-1962)を中心に考えられた「コペンハーゲン解釈」。もう1つは、ヒュー・エベレット(1930-1982)が提唱した「多世界解釈」だ。現在、コペンハーゲン解釈が標準的な理論とされているが、それに異を唱える物理学者たちが主張しているのが多世界解釈である。しかしそれは、「この世界は無数に存在する」というSFとしか思えない世界像を主張する、一見、まともとは思えない解釈である。 多世界解釈では、なぜそんな世界が「必然」となるのだろうか? その答えは、じつはごく自然なロジックの積み重ねで導くことができるのだ。 その前に今回は
世界の食料需給がひっ迫している。コロナ禍による物流の混乱や、ウクライナ戦争により食料が値上がりしたのも記憶に新しいが、近年相次いでいる異常気象は今後も起こると予想され、世界の農業生産の見通しに暗い影を落としている。 そんな中、世界の「土」問題がいよいよ深刻化していると、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は指摘する。化学肥料・農薬は農業生産を飛躍的に高めたが、その反面、土壌の劣化をまねき、「土がパサパサになってしまった」と鈴木氏はいう。 その結果、洪水などの影響を受けやすくなったほか、人体にも思わぬ被害が生じかねないという。鈴木氏の著書『世界で最初に飢えるのは日本』より一部を抜粋してお届けする。 世界の「土」が破壊されている いま、世界では、異常気象による洪水や渇水により、農業生産に大きな被害が生じている。だが、それにも、実は人災という側面がある。 1940年代から60年代にかけて、いわゆる「緑
政府は、岸田総理を議長とする「新しい資本主義実現会議」にて、少額投資非課税制度「NISA」の拡充を決めた。(1)NISA制度の恒久化、(2)非課税期間の無期限化、(3)非課税枠の増額、この3点が大枠だが大きな転換といえよう。今後、与党の税制調査会で議論され、年内にも詳細が見えてくるだろう。このNISA改革は、個人投資家にどのような影響があるのだろうか。 世界30ヵ国の高配当および増配の個別株、リート、ETFに長期投資し、著書『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』も好評な、億り人個人投資家・桶井道氏が解説する。 NISA拡充で何が変わるのか? 個人投資家に嬉しいニュースが舞い込みました。岸田総理が議長を務める「新しい資本主義実現会議」から、NISA(一般NISA、つみたてNISA)拡充が発表されたのです。岸田総理は、就任時から国民の所得を増やすことを公
意識を宿す脳は、すこしばかり手のこんだ電気回路にすぎない。であれば、脳の電気回路としての振る舞いを機械に再現することで、そこにも意識が宿るに違いない。多くの神経科学者はそう考えている。 問題は、ヒトの意識のコンピュータへの移植、いわゆる「意識のアップロード」である。仮にそれがかなえば、ヒトが仮想現実のなかで生き続けることも、アバターをとおして現世に舞い降りることも可能になる。どちらを選択しても、生体要素が一切排除されるため、死が強制されることもない。 はたして意識のアップロードは原理的に可能か? その技術的目処は立っているのか? まずは、その意味合いと存在意義に迫る連載第一弾をお届けしたい。 自らを被検体に、意識のアップロードをくり返す開発エンジニアのポール。アップロードのたびに彼の意識は二分され、ひとつは身体にのこり、もうひとつはコンピュータが担う仮想現実に召喚される。数えること五度目の
皆さんはふとしたとき、「自分はたまたま現代に生まれたから知っているけど、もし原始時代に生まれていたら“大地は球面である”“地面は丸い”なんて考えられただろうか? おそらく疑問にさえ思わなかったかもしれない。“感覚的に、平らな平面がずっと無限に多分続いている”と思ったかもしれない。そう考えると実は自分は原始人とそう変わらないのかも……現代に生まれてよかった…(汗)」などと秘かに自問してドキドキした経験はないでしょうか? またさらに日常ではあまりないことですが、 「大地をまっすぐ進んで行くとやがて元の場所に戻ってくるように、ずっと平面だと思っていた大地が実は地球という球体の表面でした。 では1つ次元を上げて同様に考えた時、この宇宙はどうでしょうか? 身近に見れば宇宙は"たて・よこ・高さ”の3つの方向が取れる3次元空間に見えます。すると宇宙はこの3次元空間が無限に広がっている空間なのでしょうか?
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