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ブックマーク / honz.jp (6)

  • 『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』 - HONZ

    『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』 一見、ライトノベルを思わせるタイトルだが、書は紛れもない実話である。ただし著者の半生は、まるでラノベの主人公のようにユニークだ。 著者は1992年千葉県生まれ。昔からどこまでも内向的で、考えすぎる人間だったという。そんな性格もあってか、大学受験や恋愛、就活の失敗などで心を壊し、大学を卒業した2015年からは、千葉の実家で引きこもり生活に突入。週一でバイトは続けていたが、それもコロナでなくなってしまい、さらに追い討ちをかけるように2021年からはクローン病という自己免疫系疾患の難病も患う。 驚くのはここからである。著者は引きこもりのかたわら、ルーマニア語を身につけ、2019年から小説や詩を書き始めた。その作品は現地の文芸誌に掲載されただけでなく、《Istoria literaturi

    『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』 - HONZ
  • 2022年 今年の一冊 - HONZ HONZメンバーが、今年最高の一冊を決める!

    HONZメンバーが選ぶ今年最高の一冊、今年で12回目を迎えるところとなりました。メンバーそれぞれが好きなを、好きなタイミングで送ってくるので、毎回順番をどうしようかと頭を悩ませます…。今年は12回目を記念し(?)、基に立ち返って名字を五十音順に並べてみました。 最大勢力となったのはア行とナ行。ア行が「うんこ→肉→防災アプリ→なめらかな社会→銀河文字」と美しき旋律を奏でれば、ナ行も負けじと「川口浩→介護→フロイト→金玉→いい子症候群」と華麗にビート刻む。それぞれ一人ずつしかいなかったマ行・ワ行も、来年は仲間集めに勤しむことだろう。 そんなわけで今年も、メンバーそれぞれの「今年最も○○な一冊」を紹介していきます。 アーヤ藍  今年最も「旅にぴったりだった」一冊 今年はコロナ禍以来はじめて海外に飛んだ。久しぶりすぎてパスポートの期限が切れていることに直前まで気づかなかったほど、旅の感覚が鈍

    2022年 今年の一冊 - HONZ HONZメンバーが、今年最高の一冊を決める!
  • うつ病やアルツハイマー病もそれと関係しているのか 『脳のなかの天使と刺客──心の健康を支配する免疫細胞』 - HONZ

    それは脳のなかの「天使」でありながら、ときには「刺客」へと変貌するという。書の主人公は、非神経細胞のひとつである「ミクログリア」である。 つい最近まで、ミクログリアは脳のなかの端役にすぎないと考えられていた。脳内の情報伝達を担うニューロンや、そのつなぎ役を務めるシナプスといった綺羅星たちと比べると、それが果たす役割はごく些末なものだと考えられていたのである。ところが近年、そうした見方は大きく変わりつつある。ミクログリアは脳のなかできわめて重要な役割を果たすとともに、それが誤作動を起こすと、わたしたちの健康に甚大な被害が生じることがわかってきたのだ。後者の例を言えば、うつ病や不安障害、あるいはアルツハイマー病なども、ミクログリアの誤作動と関係しているという。 書は、ミクログリアが脚光を浴びるに至った経緯と現状を物語るものである。そしてそのストーリーは、ふたつの糸が撚り合わさった形で進行す

    うつ病やアルツハイマー病もそれと関係しているのか 『脳のなかの天使と刺客──心の健康を支配する免疫細胞』 - HONZ
  • 『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』「暗黒時代」という神話はなぜ生き残ってきたのか - HONZ

    「中世ヨーロッパ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。「疫病と飢饉」、「魔女狩り」、「異端審問」……。代表的なものを挙げたが、いずれにせよ、西ローマ帝国が滅んだ5世紀末からの約1000年間に明るく進歩的な印象を抱く人は少ないだろう。 だが著者は、そうしたネガティブなイメージはここ200年ほどの間に私たちに植え付けられた誤解だと説く。書には、中世に関する11の「フィクション」が登場する。多くの人は、どれも一度は耳にしたことがあるはずだ。 中世の人々は地球が平らだと思っていた。風呂にも入らず、暮らしは不潔で腐った肉も平気でべた。教会は科学を敵視し、今では誰も疑うことのない説も教会の権威によって迫害され続けた。何の罪もない女性たちが何万人も魔女として火あぶりにされた。 これらの説は、文化上構築された「中世」にすぎず、前世紀までに歴史学の専門家によって否定されている。だが、今でも大きな顔をして

    『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』「暗黒時代」という神話はなぜ生き残ってきたのか - HONZ
  • 『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ

    同性愛の「治療」を受ける男。娼婦を相手に性的興奮を得ることができれば成功だ。男の頭には電極が差し込まれており、後頭部から4のコードが隣の部屋まで延びている。その部屋では、研究者たちが電極から送られてくる計測値を見ながら、男の快楽中枢に適切な電気刺激を与える。 まるでSFだ。しかし、未来の話としてはおかしいと思われないだろうか。現在の状況を考えると、LGBTが治療対象となる未来などやってくるはずがなかろう。未来物語でもなければ架空のストーリーでもない。米国で実際におこなわれた人体実験なのである。 書『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』の冒頭シーンがこれだ。いったいどんな内容のなのか。意識せずとも期待感が広がっていく。まるで脳のどこかに電気刺激が与えられたかのように。 この実験をおこなったのは、精神科医ロバート・ガルブレイス・ヒース。統合失調症病などさまざまな精神疾患に対して、患者

    『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ
  • ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』 - HONZ

    はばかりと呼ばれることがあるほどに、口にすることが憚られがちなトイレである。毎日必ずお世話になるにもかかわらず失礼なことだ。そのトイレを巡っての、うんこ話じゃなくてうんちく話が、うんこ盛りじゃなくててんこ盛りの一冊だ。編著者は『屎尿・下水研究会』である。会員は20名ほどだが、その職種が便器の設計者や紙の研究家、屎尿処理行政担当者など多岐にわたっているだけあって、ほんとに様々な話題がちりばめられている。 意外にも、世界最古のトイレは水洗だった。メソポタミア文明のエシュヌンナ遺跡から見つかった紀元前2200年ころのものである。日でも、縄文時代の遺跡から桟橋式のトイレが発掘されている。まさに「かわや」だ。どちらも水洗とはいえ、基的には川に流してるだけですけど、まぁ、道糞してほっとくよりは、うんこまし、じゃなくて、うんとましですわな。 近代的な意味での水洗トイレは、エリザベス女王のため1597

    ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』 - HONZ
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