フランク・ジョーブ博士が3月6日(現地時間)の早朝、カリフォルニア州サンタモニカで永眠された。88歳だった。ジョーブ博士は1974年に当時、成功の確率が5%未満と言われていた「肘の靭帯再建手術」を行なった。手術を受けたのは、ドジャースの左腕、トミー・ジョン。同投手は1年間のリハビリを経て、1976年にメジャー復帰すると、この年10勝を挙げてカムバック賞を獲得。その後も46歳で引退するまで164勝(通算288勝)をマークした。この手術は選手の名を取って「トミー・ジョン手術」と呼ばれるようになり、数多くの選手たちを救ってきた。そして、日本プロ野球界にも大きな影響をもたらした。 これまで多くの野球選手を救ってきたジョーブ博士。 村田兆治(ロッテ)は1982年に右肘を故障。様々な治療に取り組む傍(かたわ)ら、座禅や滝に打たれる荒行まで行なったが、肘の状態は一向に回復せず、翌年、ジョーブ博士の手術を