中国による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での一方的な海洋進出と挑発が止まらない。新たな手段も繰り出し、小型無人機「ドローン」を使った領空侵犯はその象徴だ。小型のドローンとはいえ主権の侵害を放置すれば、中国はさらに挑発をエスカレートさせる恐れが強く、手をこまねいているわけにはいかない。撃墜もいとわない強い姿勢が求められ、白羽の矢が立ったのは自衛隊ではなく海上保安庁だった。(社会部編集委員 半沢尚久) 5月にドローン ドローンによる領空侵犯は5月に起きた。 尖閣諸島の魚釣島の西北西約14キロの領海内で中国海警局の船の船首付近でドローンが飛行しているのを海保の巡視船が確認した。海警局の船は領海に侵入しており、その上空でのドローンの飛行は領空侵犯に当たる。 海保から連絡を受けた航空自衛隊はF15戦闘機やE2C早期警戒機などを緊急発進(スクランブル)させたが、ドローンは5分弱で海警局の船に戻ったとみら