◇取引先は大半が中小企業 県内最大手の注文住宅メーカー、富士ハウス(浜松市中区)が先月29日に東京地裁に自己破産を申請して半月が経過した。同社と契約を結んでいた施主は愛知、静岡県など東海地方を中心に2100人を超え、取引業者は約1700社に上る。時間の経過とともに、突然の経営破綻(はたん)の影響の大きさが判明してきた。【平林由梨】 ■深刻な被害 破産管財人の松田耕治弁護士によると、今月中に完成する見込みのない約1900件の工事は、受け皿として内定している東京のファンドが引き継ぐ予定だ。施主には支払い済みの前払い金や中間金は、1~2割しか返還されず、新たな資金負担が生じる。 また、取引業者については「1円の配当もできない」(松田弁護士)状況だ。取引先の大半は中小業者のため、連鎖倒産も懸念されている。県や浜松市は緊急融資の支援などを始めており、引き継ぐファンドの下で工事は当面続くこともあって、