主席研究員 榎並 利博 2015年3月 要旨 社会における様々な問題を解決したり、ITなどの新技術を社会で有効に活用したりするためには、従来の社会制度、特に法律を新しい制度や技術に合ったかたちへと迅速に改正していく必要がある。換言すれば、社会構造の変化が人々の生活を悪化させないよう、またITなどの新技術の国際的な競争力を高めるために、立法過程を迅速かつ効率的に進めるための社会基盤が必要である。本研究は、今後の社会変動や技術革新に直面する将来の世代のためにも、より効率的な立法という社会基盤の実現のためITが大いに貢献できるという仮説のもと、法律とITのあるべき関係性について探求したものである。 我が国における立法環境を定量分析すると、近年法律の制定や改正が激増する「立法爆発」(注1)という現象が生じており、それによって立法ミスが多発するなどの社会的問題も起こっている。一方、法律とITとの関係