東日本大震災と福島第一原発事故は複数の都道県にまたがる未曾有の広域災害だ。我々は今、これを教訓として「広域」をキーワードに行政の仕組みや災害対策を練り直す必要に迫られている。もし「東北州」の単位で仕組みができていれば今回の災害でも違った対処があったかもしれない。そこで今回は、「広域」の切り口で見た場合のICTの貢献を提言したい。 根こそぎ崩壊した自治体システム 東日本大震災で発生した津波は、実に巨大なもので東日本太平洋側の広大な地域を根こそぎ壊滅させた。岩手県田老町に設けられた10メートルの防波堤を超える津波の様をニュースで見て人間の無力さに身が震えた国民も多かったことだろう。 さらに福島第一原発の事故は、自治体丸ごとの避難という未曾有の事態を招き、福島県双葉町役場はその機能を埼玉県加須市に移している。他にも役場自体が被災してその機能を他所へ移した自治体がいくつもある。これまでの日本では災