私は常々以下のような課題意識を持っており、同じような見解を見かけることも多い。 ・ルールが厳しくても往々にして執行が緩やかなのでそこでバランスを取りながら現実に守れるレベルを調整している国がたくさんある。 ・日本の場合は人々のコンプライアンス(遵法)意識が高いため、皆がルールに書かれたとおりに、ときにはそれを超えても厳格に守ろうとするため、諸外国のように厳しいルールにしてしまうとバランスを図る余地を確保するところがなくなってしまうために皆が動けなくなってしまうことがある。 もちろん国民一人ひとりがコンプライアンス(遵法)の精神を持ち、その意識を高めていくことは安全な社会を支えている基盤であり大切なことである。そして、そういった社会基盤を前提としてルール作りをどう考えて行くべきかが課題である。 先日、シンガポールの法律事務所で勤務されていて帰国されたばかりの弁護士の方からも次のような話を聞い