立法と調査 2015.4 No.363(参議院事務局企画調整室編集・発行) 3 個人情報の保護と有用性の確保に関する制度改正 ― 個人情報保護法及び番号利用法の一部を改正する法律案 ― 内閣委員会調査室 谷澤 光 1.はじめに 平成 17 年4月に個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号) (以下「個人情 報保護法」という。 )が施行されてから 10 年が経過した。近年の情報通信技術の発展によ り、これまで蓄積された多種多様かつ膨大な、いわゆるビッグデータの収集・分析が可能 となり、 データの利活用が経済の活性化を促進する等の指摘もなされている。 こうした中、 個人情報保護法に対し、個人情報として取り扱うべき範囲の曖昧さのため事業者が利活用 を躊躇し、ビッグデータのうち特に利用価値が高いとされている個人の行動・状態等に関 するパーソナルデータの利活用が十分に行われていない