★有坪民雄+守屋淳『最強! 戦略書徹底ガイド』(SoftBankCreative、2005/12、amazon.co.jp) ブックガイドとは、大袈裟に言えば現存する全ての書物の集合から、限られた数の書物を選び出し、並べ、解説を加えたメタ・ブックだ。 もちろん実際に「現存する全ての書物」に眼を通した人間は一人もいないのだからこれは一種の空想に過ぎない。けれども経緯はともかくとして、書物の形にしあげられたブックガイドには、どこかその背後に「現存する全ての書物」が存在する、という空気が漂っているような気がして、つい惹かれてしまう。 ブックガイドの愉しみはいろいろあると思われるが、当該ブックガイドが設定するテーマというのもそのひとつだろう。ブックガイドはテーマを提示して、そのテーマにまつわる書物を紙の上でコレクションして見せる。もちろんそのコレクションそのものに触れるおもしろさもあるけれど、さら
渡部信一『ロボット化する子どもたち』(大修館書店、2005) おすすめ。 (1)自閉症研究で知られる認知科学・発達心理学者が、ロボット研究の歴史を顧みながら、近年ゆきづまりつつある教育のあるべき姿を探る試論の書。 (2)この本を要約すると、 発達心理学は「刺激と反応の関係を探る行動主義-->人工知能モデルにもとづく認知心理学-->曖昧さをとりあつかう認知科学」へと進化してきた ロボット研究をみると、タスクを分割してプログラムと一対一対応させることによって解決しようとする人工知能モデルは機能しないことがわかる(これがフレーム問題) 自閉症児も、同じ問題に直面しているらしい 問題は、ロボット研究においても、自閉症研究においても、現実の曖昧さをどう処理すればよいかにある 学問的には、これを問題にしているのが認知科学である 同様に曖昧さをとりあつかっているのが、「習うより慣れよ」とか「学ぶより真似
First machines took over building cars. Now they’re parking them, too. Automated garages let you pull your car onto a steel platform, lock the doors, and walk away. An elevator whisks the vehicle off, moving it laterally and vertically on rails, before tucking it into a vacant spot. In addition to holding more autos than […] First machines took over building cars. Now they're parking them, too. Au
本田由紀『多元化する「能力」と日本社会』(NTT出版、2005) いただきもの。 おすすめ。 (1)新進気鋭の(失礼!)教育社会学者にして、最近はてな界隈ではじけまくっている(失礼!)著者の手になる試論の書。近年の日本では、コミュニケーション能力、創造性、自発性、主体性といった能力を身に付けることが求められるようになりつつある。これら能力を「ポスト近代型能力」と定義し、かつて求められていた「学力」たる「近代型能力」と対比したうえで、この事態が学校、家庭、子ども、大人にもたらしつつある変化を確定し、評価し、対処策を構想する。「『人間力』って言うな!」なる帯の台詞だけで(頂いたぼくが言うのもなんだが)即、買いでしょう。 (2)「近代型能力」から「ポスト近代型能力」への移行(あるいは「メリトクラシー」から「ハイパー・メリトクラシー」への移行)という現状認識は、「ネオリベ批判」とか「ポモ」とか「カ
昨日と一昨日は、法政大学で日本社会学会大会が行われていた。私が聞いた報告の中でおもしろかったものを紹介しよう。 阿部真大、「バイク便ライダーの職場におけるルールの形成」 である。この報告の前提になっているのが、 阿部真大, 2005, 「バイク便ライダーのエスノグラフィ」『ソシオロゴス』29: 215-231. である。まず驚いたのが、バイク便ライダーは、法的にはバイク便会社の従業員ではなく、仕事を請け負っているという事実である。従業員ではないので、事故にあっても労災はおりないし、バイクが故障しても、修理は自己負担のはずだ。しかも、バイク便ライダーの場合、事故に遭う確率が高いし、部品の磨耗や事故のせいで修理のコストもバカにならないはずである。しかし阿部によれば、当のバイク便ライダーの多くは、自らの仕事を趣味の延長線上に位置づけており、ほとんど搾取されているという自覚がなさそうなのである。も
この記事のまとめ。また長文エントリごめん。“IT”コンサルじゃない、「ファーム」のコンサルタントと一緒に仕事をするハメになったら読む本。 「問題解決プロフェッショナル」を読めば、コンサルタントの土俵で話ができる SEとしての分をわきまえるなら「RFP&提案書作成マニュアル」で準備しておく SEには、コンサルタントに無い視座がある。その強みを生かす「業務システムのための上流工程入門」 コンサルタントは、知識経験ないけれどキャラとハートがおおまかカバーすることはぶっちゃけありえない。そうなったらどうしようと思い悩む前にメモをどうぞ。 このblogは「それを知らなかった私にとって有益なもの」になるように心がけてる。つまり、その記事の知識・情報を知らなかったとして、「あ、こんな記事を見つけてラッキー」と思えるようなネタ。 で、この記事は一年前の私が見つけたなら「お、タイムリー」と思えるような内容
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