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ブックマーク / sociology.jugem.jp (13)

  • メディア批評系の卒論をどう指導するか | Theoretical Sociology

    来年度の卒論指導に向けて、今年度の反省や感想を簡単にまとめておこうと思う。今年感じたのは、 アニメやマンガなどを批評する卒論は難しそうだということである。なぜか流行歌の研究は比較的うまくいっているような気がするし、アニメや漫画ゲームなどにしても、必ず失敗することを運命づけられているというわけではないだろうが、これまでの卒論の例を見る限り、失敗率が高そうな気がする。印象論で言うと、失敗率が高い理由は3つ考えられる。 まず、深く考えず安易にメディア批評を選ぶ学生が多いこと。メディア現象は身近な社会現象だろうし、メディア批評の中には面白いものもある。学生がこういったテーマに魅力を感じるのはよく理解できるのだが、読んで面白いからといって自分が面白いものをかけるとは限らない。メディア批評の論文が『社会学評論』や『ソシオロジ』のような主要な社会学雑誌に載ることはまれだと思うが、それはメディア批評をオ

    メディア批評系の卒論をどう指導するか | Theoretical Sociology
  • 「第3次産業革命期におけるスキルの収益」 Liu and Grusky 2013 | Theoretical Sociology

    Yujia Liu and David B. Grusky, 2013, "The Payoff to Skill in the Third Industrial Revolution," American Journal of Sociology, Vol.118 No.5, pp.pp. 1330-1374. スキルを8種類に分類して、それらの個人収入に及ぼす効果が 1979〜2010 年のあいだにどう変化したか調べた論文。米国の経済学ではニューエコノミー論がさかんなようで、とうぜん社会学者からはこれに対する批判が出るのだが、この論文もその一つ。ニューエコノミー論とは1980年代以降、コンピュータ技術などの発展によって米国の経済構造が大きく変化した、といった議論の総称だと思うが、この論文で問題になっているのは、Skill Biased Technological Change (SBT

    「第3次産業革命期におけるスキルの収益」 Liu and Grusky 2013 | Theoretical Sociology
  • 伝統の衰退と価値の収斂は1980‐2000年の西ヨーロッパで起きたか? | Theoretical Sociology

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    伝統の衰退と価値の収斂は1980‐2000年の西ヨーロッパで起きたか? | Theoretical Sociology
  • イギリス社会学に対する量的方法の奨励はどの程度効果があったのか?計量研究の低落の原因 | Theoretical Sociology

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    イギリス社会学に対する量的方法の奨励はどの程度効果があったのか?計量研究の低落の原因 | Theoretical Sociology
  • メタ分析による米大統領選予測の全州での的中に思う | Theoretical Sociology

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  • 「インターネットの社会学」といった卒論をどう指導するか? | Theoretical Sociology

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  • 性・人種間不平等への組織論的アプローチ:慣性・相対的勢力・環境 | Theoretical Sociology

    Kevin Stainback, Donald Tomaskovic-Devey and Sheryl Skaggs, 2010, "Organizational Approaches to Inequality: Inertia, Relative Power, and Environments," Annual Review of Sociology, Vol.36 No.1, pp.225-247. 組織という観点から性別や人種による不平等にアプローチした研究に関するレビュー論文。 1980年代に社会階層論に組織や市場という概念を持ち込む研究が現れた。賃金は雇い主と労働者の間で決まるし、市場の中で個々の企業の利益も決まる。それゆえ、経済的不平等を考える場合、企業や官公庁などの職場と、それらを取り巻く環境を直接的な考察の対象とするのは、しごくまっとうなアプローチである。しかし、それまで

    性・人種間不平等への組織論的アプローチ:慣性・相対的勢力・環境 | Theoretical Sociology
  • 非典型雇用のナショナル・コンテクスト | Theoretical Sociology

    Debra Hevenstone, 2010, "National Context and Atypical Employment," International Sociology, Vol.25 No.3, pp.315-347. 非典型雇用がどんな国で多くなりやすいか分析した論文。ここでいう非典型雇用とは、雇用期間に定めのある雇用、パートタイム、自営の3種類を指す。それぞれの操作的定義に関しては明示されていない。何が原因で非典型雇用が増加しているのかに関しては、これまでほとんど研究されていない。Hevenstone によれば、非典型雇用率が増加したり減少したりするメカニズムは三種類考えられる。 第1に企業が規制を逃れ、低コストの労働力をえようとした結果、非典型雇用率が上がるという仮説が考えられる。それゆえ、典型雇用への雇用保護が強く、非典型雇用への保護が弱い国では非正規雇用率が高くな

    非典型雇用のナショナル・コンテクスト | Theoretical Sociology
  • 搾取される若者たち? バイク便ライダーのエスノグラフィ | Theoretical Sociology

    していただいたし、謝辞にもなぜか私の名前があったので、下記のを読んだ感想を書いてみよう。 阿部真大,2006,『搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!』集英社新書. 書の議論の中心は、バイク便ライダーのように危険で不安定でしんどい職業に、どうして若者がハマるのか、という点にある。まあ、一社でのフィールドワークであそこまで断言してしまっていいのか、とか、当にそんな因果関係があるのか、といった点に関しては疑問は残るが、単純に資料として価値があるし、少なくとも彼が勤めていた経験からはそう考えられるのだろうし、新書だし、細かいところは読者が批判的に読めばよいので、まあいいか、という感じである。ちょっと軽いが、若者の労働に関心がある方にはお勧めである。 私が気になるのは、タイトルである。搾取される若者たち。正直言ってこれがジェネレーション・ギャップというものか、という感じである。この

  • 社会学の定石 | Theoretical Sociology

  • 高貴な野蛮人、進んだスウェーデン、Street-Smart なフリーター | Theoretical Sociology

    学部のゼミで下記の論文を読んだ。ほとんど参照されていないようだが、おもしろい。フリーター研究者には一読の価値があると思う。 上林千恵子, 2003, 「大都市フリーターの行動と価値観」『社会志林』50(1):1-23. 大都市フリーターと『ハマータウンの野郎ども』を重ねてみようとしているのだが、やや根拠が薄弱な点が議論の説得力を弱めている。 そして、この種の議論の危うさについて指摘しておきたい。「高貴な野蛮人」とは、文明化された西欧人が失ってしまった様々な美徳を未開社会の野蛮人たちが持っていることを称揚するための概念である。これに対しては様々な批判があるだろうが、ここで強調したいのは、異文化の中で暮らす人びとを、自分たちとはまったく異なる他者として措定した上で、理想化している点である。いわば、自分の持っている理想像を、「野蛮」に投影しているのであり、それは彼らの実像とは異なっている可能性が

    高貴な野蛮人、進んだスウェーデン、Street-Smart なフリーター | Theoretical Sociology
  • 構造主義と社会学 | Theoretical Sociology

    構造主義についてだいぶ理解できた(と思う)。構造主義は記号論と深く結びついており、あらゆるテクストの構造をあぶりだそうとする。それは神話や昔話でもよいし、小説でも映画でもレストランのメニューでもよい。構造とは多くのテクストに共通する特徴のようなものである。構造主義が個々の作品ではなく関係を重視するという場合、そこで問題とされる関係は、テクストのいくつかの要素の間の関係であったり、複数のテクストの間の関係であったりする。関係を問題化するのは構造主義の質的な特徴であるとされる。つまり、構造とは諸関係のシステムである。多くのテクストに共通する特徴をあぶりだすのが構造主義でありうるのは、共通の特徴を通して、複数のテクストの関係を記述できるからであろう。例えば、『未確認家族』も『オイディプス』も悲劇としての共通の特徴を持っているという意味では、両者に関係を認めることができる。もちろん、両者はその他

    構造主義と社会学 | Theoretical Sociology
  • バイク便のエスノグラフィ | Theoretical Sociology

    昨日と一昨日は、法政大学で日社会学会大会が行われていた。私が聞いた報告の中でおもしろかったものを紹介しよう。 阿部真大、「バイク便ライダーの職場におけるルールの形成」 である。この報告の前提になっているのが、 阿部真大, 2005, 「バイク便ライダーのエスノグラフィ」『ソシオロゴス』29: 215-231. である。まず驚いたのが、バイク便ライダーは、法的にはバイク便会社の従業員ではなく、仕事を請け負っているという事実である。従業員ではないので、事故にあっても労災はおりないし、バイクが故障しても、修理は自己負担のはずだ。しかも、バイク便ライダーの場合、事故に遭う確率が高いし、部品の磨耗や事故のせいで修理のコストもバカにならないはずである。しかし阿部によれば、当のバイク便ライダーの多くは、自らの仕事趣味の延長線上に位置づけており、ほとんど搾取されているという自覚がなさそうなのである。も

    バイク便のエスノグラフィ | Theoretical Sociology
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