欧米、アジア諸国におけるSCM教育の違い ――海外と日本では、SCMに関わる人材の教育・育成方法は具体的にどのような違いがあるのでしょうか。 上原:そもそも日本では、いまでもSCMを専門的に学べる学校が少ないのが問題です。そして、学べる学校があったとしても、大抵のコースでは「サプライチェーンとは何か」といった初歩から始めます。もっとSCMを体系的に、深く学べる教育システムが必要だと感じています。日本と比較するためにも、SCMの教育に力を入れている、欧州とアメリカ、アジア諸国の事情についてそれぞれご説明します。 ① 欧州のSCMの教育事情 上原:欧州全体でいえば、各国にサプライチェーンに関する協会や学会が立ち上がっており、実務家同士の定期的な会合が増えてきています。日本では、海外生産拠点には生産活動に関する人材派遣を国内工場の熟練者数名に留めるという企業が多いのではないでしょうか。その点、購