【佐々木亮】長崎県の国営諫早湾干拓事業で、潮受け堤防排水門の開門調査を命じた福岡高裁の確定判決を国が守らないまま、実施期限から一夜が明けた21日、同県諫早市の北部排水門前で抗議集会が開かれた。開門を求める地元の漁業者や支援者ら約30人が「宝の海をかえせ」「確定判決を守れ」などと訴え、国への憤りの声を上げた。 同市の小長井町漁協理事で、開門を求める訴訟の原告団長、松永秀則さんは国や長崎県などの姿勢について「県民、市民を分断し、けんかさせ、自分たちの責任を逃れようとしている」と怒りをあらわにした。そのうえで「国は漁業被害を認め、福岡高裁の判決に従い、法治国家としての決まりを守るべきだ。いたずらに先延ばしせず、開門実行を」と主張した。 福岡高裁判決を勝ち取った原告弁護団はこの日午後、諫早市内で抗議集会を開き、農林水産省の担当者に今後の対応について説明を求める。 国は、開門派、開門反対派双方との話