『イデアの再臨』五条 紀夫 (著) 新潮文庫nexあらすじ僕は向水学園高等学校に通うごく平凡な高校生。 ある朝、目を冷ますと部屋の壁に四角い穴が開いていた。 学校へ行けばあるべき がない。 周りの人たちは誰もこの異変に気づかない。 戸惑い混乱する僕に、金髪の同級生・安藤がこう告げた。 ここは小説の中の世界であり、自分たちはその登場人物であると。 この世界から次々と物や言葉を消し、混沌の世界を作り上げている犯人はいったい誰なのか。 僕と安藤は真相を求め動き出す。 物や言葉が何者かによって消されていく世界朝起きると部屋の壁に穴が開いていますが、母親は気にかける様子もありません。 さらに学校に行くと入り口のところにあったものがなくなっています。 教室に向かえば、それまで手をかけて引いて開いていたものがなくなっています。 確かにあったはずなのに……と戸惑う僕。 しかし先生も生徒たちも何ら違和感を覚