岡山大学 文学部/大学院社会文化科学学域 准教授。セント・アンドルーズ大学 歴史学部博士課程修了。PhD (History). 専門は、ビザンツ帝国史、とくにビザンツ帝国とコーカサスの関係史。1987年、静岡県川根町(現島田市)生まれ。 >>著者詳細 【葬送のフリーレン編】連載の詳細はこちら 「中世ヨーロッパ」のイメージと言えば? 西洋中世に関連する分野を研究する者として、専門外の方々に「西洋中世にどのようなイメージを持っているか」という質問をすることがよくある。すると、大きく分けて相反する2つの答えが返ってくる。 一方は、総じてポジティヴな中世イメージだ。華やかで、貴族たちが舞踏会に興じ、壮麗な建造物が街にあふれかえるような様相である。 他方でネガティヴなイメージを抱いている人も少なくない。宗教に支配された世界、硬直化した社会、戦乱が相次ぎ、人々は飢饉や不衛生に苦しんでいる、といったもの