【ロンドン=木村正人】世界最大の資源メジャー、英豪BHPビリトンがカナダの肥料大手ポタシュ・コーポレーション・オブ・サスカチワンに敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けている。買収総額は390億ドル(約3兆3千億円)。経済成長を続ける新興国の台頭で肉の消費量が増え、家畜用飼料となる穀物の成長促進に寄与する化学肥料、カリウム価格が高騰。ポタシュには、中国の化学大手とも交渉しているとの報道もあり、カリウムをめぐる争奪戦が展開されている。 1月にカナダの他の肥料会社を買収したBHPは25日、今年上半期の決算を発表。純利益は前年同期比47%増の67億7千万ドル(5700億円)となった。マリウス・クロッパース最高経営責任者(CEO)は同日、ロンドンで欧米メディアの取材に応じ「交渉のテーブルにのっているのはわが社の提案だけだ」と買収に自信を見せた。 カリウム価格は、1985年に1トン当たり100ドル