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ブックマーク / satoshi.blogs.com (51)

  • iPadのインパクト、私の予想8

    iPadの米国でのローンチまで10日となったわけだが、色々と思うことがあるので書いてみる。 予測1:4月3日のローンチは成功する これは99.9%確実である。この手のデバイスのローンチには、(1)開発者に魅力的なプラットフォームを提供してアプリを作らせ、(2)ブロガーの興味をそそって発売前からせっせとブログエントリーを書かせ、(3)アーリーアダプターの心をくすぐって注文予約させれば良いのだが、まさにその戦略に100%ハマっている私がここにいる(笑)。 先日のエントリーで書いた様に、開発者としては、iPad用のクラウド棚付きeBookリーダー「Cloud Readers」をすでにAppleに審査のために提出済みである。ブロガーとしてはこのエントリーも含めてiPadに関しては何度も書いて来ているし、当然アーリーアダプターとしてiPadはオンラインで注文してある。Appleから表彰状をもらいた

  • Google App Engine入門:実践編

    今週に入って、Tiny Message に続く二つ目の Google App Engine ベースのサービスをリリースした。3日ぐらいで試験的に作った Tiny Message とは異なり、今回のものは、丸二ヶ月間寝る間も惜しんで作った力作である。 米国向けのサービスな上に招待制のSNSなので、ここではサービスそのものは公開しないが、いくつかこだわって作った部分があるので、それについて語ってみようかと思う。 1. 対象となるユーザーの絞り込み FacebookやTwitterのような巨人が存在している中で、それにまっこうから対抗するようなソシアル・ネットワーク・サービスを作ったところで無謀なだけである。そこで、逆に対象にするユーザー層を究極にまで絞り込んで、彼らのライススタイルに徹底的にマッチしたサービスを作ることにより差別化をはかる、という戦略を選択。対象は「LAに住む20〜30代の社交

    Google App Engine入門:実践編
  • 「なぜAppleはiPadにFlashを載せるべきではない」のか

    気がついた人も多いと思うが、iPadのアナウンスメントであっさりと無視されたのがAdobeのFlash。私は意図的(=「Flashなんか重要じゃない」というメッセージ)と読んだが、皆さんはどうだろうか。 iPhoneがFlashをサポートしていないことに対するAdobeを含めたさまざまな方面からの批判を考えれば、「the best way to experience the web (最高のウェブ環境)」を売り文句のiPadが、これだけ広く使われているFlashをサポートしないというのはおかしな話だ。 不思議に思う人も多いかもしれないが、自分をAppleの経営陣の立場に置いて良く考えてみれば答えは明確になる。 Appleという会社は、昔からさまざまなクリエーターたち(アーティスト、ミュージシャン、ウェブ・デザイナー、etc.)を魅力的で便利なパソコンやツールで味方につけ、彼らの作品を消費者

  • 無名関数を使った非同期通信のススメ(JavaScript)

    ここ最近はブラウザーの上で動く思いっきりRIAなアプリケーションを書いている私。こと通信の部分になると JavaScript での開発効率が、C++/Java/Objective Cなどと比べて格段に高いことをつくづく感じている毎日なので、今日は、そのあたりを少し解説してみようかと思う。 サーバーのAPIにアクセスするプログラムを書く方法は色々とあるが、「サーバー上の特定のURLにHTTPでアクセスして結果をXMLやHTMLやJSONで受け取る」というケースに限定すれば、基的に3つのパターンに分けられる。 1. 同期通信 result = urlfetch.fetch("http://www.google.com/") if result.status_code == 200: doSomethingWithResult(result.content) その書きやすさのために、実務経験の

  • Cloud Computing考:Amazon ec2とGoogle App Engineの違いを私なりにまとめてみた

    Cloud Computing の話が注目されるようになってしばらく経つが、商用での格応用という意味ではまだまだ未熟な市場である。PhotoShareは去年の7月サービス開始時から Amazon の ec2+S3 という組み合わせで運営しており、私から見れば当然の選択だったわけだが、あのタイミングで商用サービスへの採用に踏み切った会社も少なかったのか、何件かインタビューの申し込みが来たりして少し驚いている(参照)。 すぐに陳腐化するハードウェアの資産はできるだけ持ちたくないし、自分でデータセンターにラックを借りるなんてことはコスト的に見合わない。かといって、通常のレンタルサーバーは初期費用がばかにならない(今は少しは改善されているのかも知れないが、去年の段階では「それじゃあハードが自分で買えるじゃん」と言わせるぐらいの初期費用を請求する企業がほとんどであった)。それに加えて、どのくらいの

  • 組み込み機器向けandroidに関してのつぶやき

    もともとは携帯電話向けに提供されていたGoogleandroidが、それ以外の組み込み機器向けのOSとして注目されている。私なりの見解もそれなりにあるのだが、勘違いしている部分もあるかも知れないので、確認のためにも私の見方をぽろぽろとTwitterでつぶやいてみたので、ぜひともフィードバックをいただきたい(Twitter、このブログのコメント欄やトラックバック、はてぶ、のいずれでも結構)。以下がつぶやきの内容。 androidが携帯だけでなく組み込み機器一般で注目されている背景には、「要求される機能が肥大化し開発費が膨大になり、機種ごとにOSから組み上げるのがコスト的に見合わなって来た」というのがある(リンク)。 それに加えて、GUIやマルチタスクなどの要求に対し、従来の組み込みOS(μiTron・VxWorksなど)が答えられなかったという状況もある(リンク)。 その答えの一つとして浮

  • O/Rマッピング技術の進化が皮肉にも助長している「えせMVC症候群」

    昨日の「Ruby on Railsの『えせMVC』の弊害」というエントリー。若干「釣り」の要素が含まれたタイトルが功を奏したのか、たくさんのフィードバックがいただけた。そんな中で見えて来たのは、この問題はRailsに限った話ではなく、業務用アプリケーションで使われているJavaや.Netの世界でもよく見られる問題だということ。 その「問題」とは、ActiveRecordに代表されるO/Rマッピングの技術の進化が、来のMVC(そしてオブジェクト指向そのもの)のメリットを無視した「えせMVC」な設計を助長している、という問題である。 ・MVCやオブジェクト指向を表面的にしか理解していないエンジニアが増えている(ここが根的な問題) ↓ ・SQLを自分で記述しなくて良いO/Rマッピングはとても魅力的(これはこれで別の問題を含んでいるが、このエントリーではあえて突っ込まない) ↓ ・O/Rマッピ

  • Ruby on Railsの「えせMVC」の弊害

    先日のエントリーでも少し触れたが、Ruby on Railsの最大の問題点は、それが持つ「一見そのフレームワークがMVCの形をとりながら、MVCの最も大切なところを外している『えせMVC』である」点にある。MVC(Model View Controller)がなぜ必要かを根底の部分でちゃんとと意識せずにRailsアプリケーションを作ると、後々ひどい目に会うので注意が必要である。 その意味では「RailsでMVCを学ぶ」などもっての他だし、「JavaにもRailsと同じようなフレームワークを作って業務用アプリの開発を効率化しよう」などという発想もとても危険である。 ということで、今日はまずはMVCの解説から。 MVCの発想の根底には、「モジュール化と情報の隠蔽により、プログラムがスパゲッティ化するの(コード間の相互依存関係が複雑に入り込んでしまってにっちもさっちも行かない状態になること)を避

  • DellのAndroidケータイが意味するもの

    CNet/WSJにも書かれていたが(参照)、DellAndroidを使ったスマートフォンのリリースに向けて着々と準備を進めているらしい。 Microsoft/Intel連合がOSとチップセットという組み合わせでパソコンビジネス(ハード)への参入障壁を極端に低くし、大量の新規参入組と自然淘汰により一気にパソコンの低価格化・コモディテぃ化が進んだことは記憶に新しいと思うが、それと同じような波がようやく携帯電話の世界に押し寄せて来ている。 ここに来てはっきりと見えて来たことがいくつかある。 Androidにより参入障壁が大幅にさがり、中国台湾韓国などからメーカーが大量に参入してくる そういったメーカーに製造をまかせ、自分はデザインとブランドだけで勝負する企業も参戦する(Dellはだぶんここに位置することになる) スマートフォンとそれ以外の境があいまいになり、フルブラウザーを搭載するのがあた

  • 「Flash vs. HTML5」という構図がはっきりと見え始めたぞ、と

    業界関係者(特にスマートフォン関係の仕事をしている人たち)少し前からすでに気がついていた話だが、今回のAdobeからの一連のアナウンスメントで明らかになってきた「HTML5対Flash」という構図。とてもワクワクする戦いだ。 ウェブ上のリッチコンテンツという分野でリーダーシップ・ポジションを取りながらも、「無料Flashゲーム」と「ウェブサイトの見栄えをちょっと良くするアイ・キャンディ」というニッチなポジションに一度は追いやられるように見えたFlash(数年前の話)。しかし、動画フォーマットがReal Networks、MicrosoftAppleの三強いの間で中に浮く隙間を付いた戦略で、見事に「ウェブ上のマルチメディアのデファクト・スタンダード」のポジションをがっちりつかんだかに見えるFlash(現在)。しかし、その地位も安泰ではない。 Adobeにとって一番頭の痛い問題はiPhone

  • Windows Mobileに「全力投球」を決めたMicrosoftの厳しい戦い

    ここの所モバイルの世界ではすっかりGoogleAppleにおいしいところをもっていかれてしまっているMicrosoft。そろそろ「撤退」か「全力投球」のどちらを選ぶ時期だと思っていたのだが、ついに「全力投球」を決めたそうだ。 今までは「Windows CEビジネスの延長上」程度にしか力を入れて来なかったWindows Mobileビジネスだが、Steve Ballmerが「開発者の心をAppleに奪われるなんて由々しき事態」と宣言し、主戦力をWindows部隊のトップクラスのエンジニアにごっそりと入れ替えての「体力勝負」に出る事にしたとのこと。

  • で、実際のところHTML5でどのくらいのアプリが実装できるのか実験してみた

    少し前のエントリーでも触れた事があるが、「このままHTML5が普及してくれればスマートフォン向けのアプリの大半はHTML+CSS+Javascriptだけで作れるんじゃないか」と感じ始めている私である。 もちろん、そうなるには「規格がきちんと統一される」「まともな実装をしたスマートフォンが十分に普及する」「iPhoneの一人勝ちにはならない」などの条件が満たされる必要があるため、必ずしもそうなるとは限らないが、少なくとも「そろそろキチンと勉強しておいて損はない」技術であることは確か。

    で、実際のところHTML5でどのくらいのアプリが実装できるのか実験してみた
  • GoogleのAndroid向けのアプリビジネスはなぜ魅力的ではないか?

    PhotoShareをiPhone向けに提供して早くも一年になるが、もっとも良く投げかけられる質問は「PhotoShareはAndroidとかの他のプラットフォームに移植しないの?」というものだ。 少し前までは、「まだiPhone以外のビジネスが十分に大きくないから今はまだ早い」、「iPhone上でやるべきことはまだ沢山あるから」、などと答えて来たのだが、最近は少し見方が変わってきた。 今の勢いでHTML5が進化・浸透してくれるのであれば、わざわざ移植コストをかけてAndroidWindows Mobile向けにネーティブ・アプリを開発するよりは、少なくともUIの部分をすべてHTML+Javascriptにまかせたアーキテクチャでのインタラクティブなアプリの開発というのも十分に可能性があるように思えてきたのだ。 この「HTML+Javascriptですべて出来るじゃん」という発想は、そも

    no_makibou_no_life
    no_makibou_no_life 2009/08/05
    「アっプルに縛られたくない」のであれば、標準になりつつある、HTML5上でJavascriptを駆使した本気のインタラクティブなアプリを作るノウハウを蓄積しておく方がよほど魅力的に思える。
  • マルチスレッド・プログラミングの落とし穴、その2

    ずいぶん前に、「マルチスレッド・プログラミングの落とし穴、その1(かもしれない)」というエントリーを書いたが、今回はPhotoShareサーバーを運営していて、まさにこのあたりの深い考察が必要になって来たので、良い機会なので続編エントリー。 PhotoShareのバックエンドのようにCRUD(Create/Read/Update/Delete)のAPIをサポートするバックエンドを作る場合、Create/Update/Deleteのリクエストに対してはクライアントからのAPIコール時にすぐに(HTTP Requestに返事をする前に)データベースに変更を加え、Readの際にも(キャッシュを使う・使わないを別にして)データベースの最新の状況を反映するデータを返すように設計するのが普通である。 このアーキテクチャの問題は、ユーザーのアクティビティが増えた時に、データベースやI/Oがボトルネックと

  • iPhoneがなぜそれほどまでに「革命的」なのか

    iPhoneに関しては、まだ誤解している人も多いようなので、念のために解説しておくと、iPhoneがこれほどまでに通信業界で注目されているのは、マルチタッチのUIを採用しているからでも、NextStepの血を引く最先端のiPhoneOSを積んでいるからでもない。NTTドコモなどの旧来型の通信キャリアからみれば「単なるデバイスの調達先」でしかなかったデバイスメーカーがキャリアのビジネスに口も手も出している点にある。 私がAppleとAT&Tの提携発表で一番驚かされたのは、その料金体系であった。パソコン並にネットワークを使うiPhone向けの使い放題プラン(日の「パケ放題」に相当する部分、ただし容量制限は一切ない)が月々わずか20ドルというのは、当に破壊的な価格である。この価格故にiPhoneは非常に魅力的なデバイスとなっているし、これだけ普及している。もちろん、それを実現するためにAT&

    no_makibou_no_life
    no_makibou_no_life 2008/06/06
    ターゲットは、25〜35歳ぐらいの日本のネット世代(若年化が進むmixi/モバゲー世代よりも一回り上の世代)
  • Amazon ec2のエコノミー、月72ドルでレンタルするのと、999ドルのマシンを買うのはどちらが得か?

    最近、私のまわりにもAmazonのレンタル・バーチャル・サーバーであるec2を使用している人、もしくは使用を真剣に検討している人が増えて来た。「自分でサーバーを用意するのとどっちが得か?」という話は、ビジネスにもよるのでさまざまだが、ごくシンプルな「事務所サーバー」(もしくは「マンションサーバー」)を比較対象のモデルとして簡単に損得勘定を計算してみた。 もっとも安価な Small Instance (1.7 GB of memory, 1 EC2 Compute Unit, 160 GB of instance storage, $0.10/hour)だと、一日24時間使い続ければ月に720時間、つまり月に72ドル必要となる。 同じようなマシンを事務所(もしくはマンション)に置く場合、Dellのエントリーレベルのサーバー(Dual core Pentium, 1GB memory, 160

  • 「作っては壊す」過程があってこそ良いものが作れる

    iPhone用の「はてな人気エントリーリーダー」、そろそろ形になってきたのだが、作ってみていろいろと発見した部分もあったので、全面的にクラス構成を見直し、大幅に書き直した。 HTTPで通信をしているコードが二カ所に分かれていたので、それをDataOverHTTP/XMLOverHTTPという二つのクラスにまとめ(XMLOverHTTPはDataOverHTTPのサブクラス)、はてな独自のRSSフィードを読んでいるコードから一般的なRSSフィードを扱うコードをくくりだしてRSSFeed/RSSFeedLoaderという二つのクラスにまとめて、あとで別のアプリケーションで再利用することを可能にした。それに加えて、各種ローダーに非同期通信をさせる主体をController(HotEntryViewController)からModel側(HateneHotEntry)に移すことにより、難解になりが

  • ジョブズの目標はWal-martを抜いて業界一位になるなんて低いところにはない

    「BSやCSができたときや、キャプテンシステムや音声多重放送など、新メディアが出てくるたび、『クリエイターの仕事が増えて引く手あまたになると言われたが、過去1回も、そんな経験はない」(堀さん)...堀さんは「コンテンツのデフレスパイラルが起きている」と指摘する。「例えばテレビの場合、設備投資が増した分、制作費が落ち、番組は横並びになる。しかしスポンサーは数字(視聴率)を求めるから、“分かりにくい番組”が淘汰される。分かりやすく作るからつまらなくなる」【「日のコンテンツ、ネットのせいで沈む」とホリプロ社長 (1/2) - ITmedia Newsより引用】 堀さんの言っていることはとても良く理解出来る。ネットに限らず、コンテンツの流通チャネル(メディアと呼んでも良い)が増えると、チャネルごとの絶対量が減るために、従来型の数で稼ぐ広告ビジネスがなりたたなくなるのだ。 「巨人・大鵬・卵焼き」と

  • 転職におけるプッシュとプルと

    大手電機メーカーのSEとして就職して一年。うちの職場は、なんというか、生ぬるい。 ... きっと自分の成長の為には職を変えたほうがいいんじゃないかと思う。でも、自分の向学心の強さにはっきりとした自信が持てない。 ... 24年間優等生をやってきて、さらに新卒という切符を使って手に入った貴重な(?)大企業への就職を、簡単に手放してしまっていいのだろうか。 ... 【新卒で入社して一年より引用】 なんだか昔の自分を見るようで心を動かされてしまったので一言。 私自身、「せっかく理系の大学院をそれなりの成績で出ることができたのに(そうでない人が簡単には入れない)大企業へ行かないのはもったいない」というさもしい気持ちがあったからこそ、ベンチャー企業には行かずにNTTの研究所に入ったのは事実。「新卒という切符を使って手に入った貴重な(?)大企業への就職を、簡単に手放してしまっていいのだろうか」という気

    no_makibou_no_life
    no_makibou_no_life 2008/03/25
    プルな気持ちになれる出会いを掴み取りたい。
  • "Less is more"なもの作りと合議制と

    ズバリ言ってしまうと既存機能に上乗せする企画は通すのが簡単だし、リスクが少ないからだ。【機能やボタンが多すぎ!! 使いにくいUIのデジタル家電が発売されてしまう当の理由 - キャズムを超えろ!より引用】 こういった罠にハマらないためには、色々とすべきこと・してはいけないことがあるが、たぶん最も強く意識すべきは「合議制では良いものは作れない」という法則。デザインに関わる人が多ければ多いほど、「いろいろな意見」が寄せられてしまい、「せっかく有意義な意見を出してもらったのだから」と次々に意見を取り入れているうちに、機能だけはたくさんあるけど魂が無くて妙に使いにくいものが出来てしまう。 その意味では、37signalsの人たちが言うところの「less is more」は「単に機能を削って使いやすくする」というだけの話ではなく、「企画に関わる人の数を削って魂があるものを作る」というもの作りの過程そ