前々回、前回の続きです。 今回は何故かお化けのお話に・・・・・・ 鼎談 A感覚・V感覚 「ぼくは、一人で寝るのはこわいよ。今でも」という金子さんの一言をきっかけに、話は何となくお化け話にすべりこんだ。 稲垣さん、にやりと笑って、膝をのり出した。 稲垣「陸奥の国の人で、京都で永年奉公を勤め、主家の娘をもろうた人がいたんだ。で、いっぺん里帰りをするということになって、国へ帰ったんだがね。帰りが長びいた。ところへ奥さんが迎えにきたわけですよ。まあ、その晩は、久しぶりだてんで、語り明かし、ウトウトっとして、あくる朝、その男が表で顔を洗っていたところ、都から飛脚が来た。で、奥さんが急病で亡くなったという知らせである。冗談いうな、本人は奥で寝てるじゃないかといってね、寝間へ案内してみたら夜具がペシャンコになっている。びっくりして、ぱっとめくってみたら、卒塔婆が入っててね、まん中からちょっと下方