■医療の限界 ■誰が日本の医療を殺すのか―「医療崩壊」の知られざる真実 勤務医による、医療崩壊を論じた本。内容は概ね医療関係のブログで言われているようなことなので、普段からそうしたブログを読んでいる人はわざわざ買って読む必要はない。匿名でない情報源にあたりたい、医療崩壊について興味がある一般の人が適切な読者層であろう。「医療の限界」は虎ノ門病院泌尿器科部長・小松秀樹による。以前、小松先生が書かれた■医療崩壊―「立ち去り型サボタージュ」とは何かを紹介した。本書も、内容はかなりかぶっているが、新書であることもあり読みやすくなっている印象がある。 タイトルにもあるように、小松先生は医療の限界を強調している。医者の開き直りのように受け取られる危険があるものの、医療に限界があるのは単なる事実である。事実を医師と患者が共有できなれば、結果が悪かったときに軋轢が起こる。「人間がいつか必ず死ぬということ、