おそらく、橋岡大樹は世界で唯一のプレーヤーだ。プレミアリーグの大舞台で、怪物が至近距離から全力で振り抜いたシュートを顔面で受け止め、それが自軍のゴールネットを揺らす。そんな貴重で、地獄の体験をした選手なんて他にいない。 必死に体を投げ出す金髪の日本人 4月13日、プレミアリーグ第33節。橋岡が所属するルートンは、アウェーでマンチェスター・シティと戦った。その開始わずか2分のことだった。カウンターのピンチで、こぼれ球がシティの大エースの頭上へ飛んだ。すかさずアーリング・ハーランドは体をねじり、左足でのジャンピングボレーを狙った。 ここに、橋岡が飛び込んだ。シュートコースを塞ぐために、必死に体を投げ出した。ところが大谷翔平の打球のごとき豪速球は、金髪の日本人の顔面を直撃し、そのままルートンのゴールへと吸い込まれた。