ここ最近になって、初任給を大幅に上げることを発表してニュースになる会社も現れてきましたが、2019年あたりまでの停滞は目を覆うばかりです。インフレとデフレを調整した実質給与で見ても、適切な賃上げができていないという結論は変わりません。 大卒男性の初任給が最低賃金に近づいてきた この一向に伸びない「大卒男性の初任給」を、日本の最低賃金と比べると、さらに驚きの事実が明らかになります。 日本の最低賃金が世界的に見て異常なまでに安いことは、記事や書籍の中で再三指摘してきたとおりです。しかし第2次安倍政権になってからは、中小企業の利益保護団体である商工会議所の激しい抵抗にあいながらも、最低賃金の引き上げは加速しました。特に2016年以降は、コロナ禍の影響が甚大だった2020年を除き、毎年3%以上引き上げられています。 その結果、最低賃金と時間給に換算した大卒男性の初任給との差が急激に縮小しました。