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今回は、ニュースで目にすることの多い2つの「放射線量」の単位について、測定器の動作原理にさかのぼってお話ししたいと思います。 4月12日付で原子力安全委員会は3月11日から4月5日までの間、大気中への一部の核種の放出総量として、 ヨウ素131が1.5×1017ベクレル セシウム137が1.2×1016ベクレル 相当が出ている、という、測定値を基にする試算結果を発表しました(PDF)。 実はここで「ベクレル」単位で「放射能の量」を示すことには、原理的に無理があるのですが、このあたりのことを、きちんとお話ししておきたいと思うのです。 定義に帰って:「打率」と「打点」の違い 原発内部の状況や、各地の放射線量を表す単位として、先ほどから使っている「シーベルト」という言葉が登場します。また、水道水中の放射性物質や野菜の放射能汚染などの話では「ベクレル」という単位が使われます。 「ベクレル」と「シーベ
東日本大震災は、全世界に大きな衝撃を与えた。もちろんロシアにもだ。ロシアの政府や国民は今まで見られなかったような深い思いやりの気持ちで、日本国民に哀悼の意を捧げている。同時に、もしもロシアで同じような災害が起きたら、日本のように社会は秩序を保っていられるのかという心配もわき起こっている。 モスクワの日本大使館の入り口や鉄製の垣根では、厳粛な表情で花束を備えるモスクワ市民の姿が見られた。ロシア人が外国の大使館に献花したのは、9.11事件以来初めてである。 幼少時に広島で被爆した佐々木禎子という少女が、白血病を治すために1000羽の鶴を折ったという有名な話がある。ロシアの学校でその話を教わったという生徒が自分で鶴を折り、「日本の子供たちに手渡してください」と日本大使館の職員にお願いする感動的な場面もあった。
2010年4月20日にメキシコ湾の深海1500メートルで掘削作業を行っていたディープウォーター・ホライズン(Deepwater Horizon)石油プラットフォームが爆発し、340万バレル(4100万リットル)の原油が海底井から海へ噴出しました。 この史上最悪の原油流出事故を引き起こしたBPは事故対策費用、米国政府への補償委託金を含め320億ドル(2兆5600億円)を支払う結果となったことは、記憶に新しいところです。 この事故は海洋汚染の深刻さに加え、自分たちが日常何気なく使っているガソリンが1500メートルの海底から供給されているという事実を米国国民に知らしめ、大きなショックを与えました。 人命・環境リスクを冒してまで、このような海底奥深く行かないと既に石油需要に追いつけないという事実がある一方で、BPのようなオイルメジャーとしても大きなリスクを取ってでも未開の地(フロンティア)に突き進
私は、何を隠そう原子核工学の出身である。修士課程の2年間、大阪の熊取町にある京都大学原子炉実験所で研究を行った。ちょうどチェルノブイリの原発事故が起きた頃だ。 大学卒業後、日立製作所に就職し、半導体技術者に転身した。それから25年も経ってしまったが、少なくとも原子炉がどのようなもので、現場がどのような環境であり、そこで行われる作業がどのくらい危険なものかは理解しているつもりだ。 本稿では、原子核工学出身の半導体技術者として、今回の福島原発事故に対する意見を述べたい。 作業者を見殺しにするな 福島第一原発では、極めて過酷な環境下で数百人の作業者が事故対策に当たっている。3月28日、保安検査官事務所の横田一磨氏の報告によれば、作業者の食事は1日2回(ビスケットとアルファ米だけ)、夜は毛布1枚で雑魚寝であるという。また、4月1日の報道によれば、放射線の被曝量を測定する線量計はグループで1~2個し
前回(「農業は大規模化でコストダウンできるのか?」)、和牛を欧米でどのように売るかというマーケティングの話を書くと予告しておりましたが、前提を述べるのに予想外の分量が必要になりました。今回と次回の2回に分けての掲載となりますので、ご容赦下さい。 「霜降り牛肉を食べると太る」「欧米では霜降りは好まれていない」「霜降り牛肉は健康に良くない。赤身の肉の方がいい」・・・。日本の牛肉市場について語る人たちが、よくこういった物言いをされます。その中には、食分野の評論家も多く含まれます。 にもかかわらず、依然として日本では霜降り牛肉が珍重されているわけですが、実は霜降り牛肉の美味さを発見したのは日本人ではなく、英国人なのです。 なぜなのか、少し歴史をさかのぼってみましょう。 霜降りの美味さを発見したのは英国人だった 牛は古来、重要な動物とされており、ヨーロッパでも耕作など使役に使われるのが普通でした。当
そんな中で、日本人の強さが発揮されている。死を覚悟して原発の冷却や復旧に当たる作業員や自衛隊・消防の方々、原発避難指定区域にとどまってお年寄りの命を必死で守る医師や看護師や介護士の方々、親が行方不明でも避難所で率先して働く子供たち、自ら被災しながらも無料で温かいラーメンを出す店主さん。ボランティアの希望者が全国で殺到している。献血には、長蛇の列ができていた。 52年生きてきて、我々日本人がこんなに一つにまとまるのは初めてだ。必ず、日本は復活する。そう、確信した。 残された我々は、未曾有の国難を乗り越えて、新生日本を作らなくては、犠牲になった方々に申し訳がない。 我々にはできる。この国難を解決する2つの潜在力があるからだ。そして、2つの潜在力を結びつけたときに、日本は、人間の問題を解決するナンバーワン国家に生まれ変わる。 では、どうすれば、新しい日本を作り出せるのか。そのためには、まず、今の
今回の地震・津波による発電所の壊滅や損傷は、東京電力とその供給エリアだけ(それだけでも大変だが)の問題にはとどまらない。ここから日本の社会全体にどのような影響を及ぼすことになるのか、検討してみたい。 我々の生活と日本の経済活動は、原子力発電に多くを依存している。「もちろんそれは知っている」と思うかもしれない。しかしマクロな指標として「日本で1年間に使われている電力の約3割が原子力発電によるもの」と語られる以上に、原子力発電への依存度は高いのである。 それは、原子炉(核分裂炉)を動かし始めたら簡単には停止できないし、その出力、つまり炉で発生する熱の調整も細かくはできないことに起因している。つまり原子力発電は、長時間にわたって一定かそれに近い電力を送り出す、という使い方になるわけだ。 一方で、電力の消費量(需要)は1日の中でも変動するし、もちろん1年を通しても変動する。そこで最も電力需要が低下
地震がよく起きる東京は、何十年も前から来るべき「大地震(Big One)」に身構えてきた。3月11日に大きな地震でビルが激しく揺れると、東京の多くの住民は、ついにそれが来たと思った。 そうではなかった。マグニチュード9.0の大地震は日本の観測史上最大だったが、震源地は東京から数百キロ離れた東北地方沿岸部の沖合いだった。そして、地震は沿岸部の社会を破壊する津波を引き起こしたが、東京とその周辺地域の被害は軽かった。 だが、次々と明らかになる東北の惨状と、地震で損傷した原子力発電所で並行して起きている危機は、日本の首都・東京が似たような地震に確実に備えているよう、もっと対策を講じる必要があることを痛烈に思い出させた。 東京大地震が起きた場合の人的・経済的被害は、今月の地震と津波による恐ろしい被害を超える可能性が高い。今回は、死者が2万2000人を超えると見られ、22日時点で約27万人がまだ避難所
(2011年3月23日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 中国は30年以上前から「改革開放」をスローガンに掲げてきた。その結果、単なる新しい経済大国にはとどまらない、世界経済に高度に統合された経済大国が誕生するに至った。そのため今では、中国はその影響力をいかに使うべきかという大きな問題が浮上している。 筆者は今年、北京で開催された中国発展ハイレベルフォーラムでのスピーチでこの問題を取り上げ、大きな成果を上げた中国は今、自国に与えられた世界のシステムに対する責任を負わねばならなくなっていると主張した。 欧州連合(EU)を1つの単位として扱わないのであれば、中国という巨大な国家は今や世界最大の輸出国であり、米国に次ぐ世界第2位の輸入国である。貿易黒字と経常黒字は世界で最も大きく、世界の外貨準備高の3分の1を保有するに至っている。貯蓄フローも世界最大だ。 世界有数の経済大国は共産党が支配する発展
(英エコノミスト誌 2011年3月19日号) アジア諸国は、恐怖、同情、そして感嘆を覚えながら日本を見ている。 日本を相次ぎ襲った過酷な災難を明るく照らすような材料はほとんどない。だが、そうした救いが2つある。 悲劇的な喪失と恐ろしい危険に直面しながら、多くの日本人が、平常通り、冷静に振る舞う英雄的な態度で事態に対応していること、そして世界中から寄せられる溢れんばかりの弔慰と支援だ。 反日感情が根強いアジアの多くの地域では、今回の大惨事が態度を変える転機となり、日本に対する認識に新たな敬意と温もりをもたらすかもしれない。 銀行家たちが「ex-Japan Asia(日本を除くアジア)」と呼ぶ地域の日本に対する敵意は強くなったり弱くなったりし、特に中国では、時として政府によって操作されてきた。だが、反日感情が完全になくなることはなかった。そこには3つの根が存在する。 1つは、過去の日本の帝国主
今回の東北地方太平洋沖地震と津波によって引き起こされた事象の中でも、東京電力福島第一原子力発電所の壊滅は、様々な意味で社会に大きな影響を与えるものとなっている。 その事象の内容と、社会への影響について、今分かっている範囲で説明を試みようと思うのだが、まず、こうした核分裂炉とその周辺設備の事故、そして「放射線被曝」について、原発事故の発生直後からインターネットの上だけでも研究者や専門家による一般の人々に向けた事象の分析や解説が様々に展開されていることをお伝えしておきたい。 ここで一度落ち着いて、以下に紹介するウェブサイトで語られていること、そしてそこからさらに展開してゆくリンクの先を覗いてみることをお勧めしたい。 ネット上で入手できる「正しい」情報 まずは東京大学大学院理学系研究科教授の早野龍五さんが、3月13日からツイッター上で一般の方々とやりとりしていた「Q&A」をまとめたものが、「サイ
外国人の献金といっても、中学生の頃からつき合いのある在日韓国人が日本名で献金したもので、受け付けた事務員は気がつかなかっただろう。前原氏は、献金の事実を知らなかったという。 これが事実なら、政治資金規正法による罰則の対象とはならない。にもかかわらず参議院で問責決議案が出されて紛糾することを恐れて辞任したことは、今後も同様の事件の続発を招き、国会をますます混乱させるだろう。 最近も京都大学などの入試で、ネット掲示板を使ってカンニングした受験生を警察が逮捕した。このような過剰コンプライアンスは、日本社会を蝕む病気である。 なぜこういうことになったのか、振り返ってみよう。 始まりは2003年の個人情報保護法 こういう症状が始まったきっかけは、私の記憶では2003年に施行された個人情報保護法である。 この頃、住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)が「プライバシーの侵害」だと騒がれ、日弁連(日本弁護
このシーア派の中にも「イスマーイル派各派(東方派、西方派、アムラート派)」など細かな分派が存在するが、大まかにはこの2つに分けて考えて外れない。 しかし改めて、この「スンニ」「シーア」という違いは何なのだろうか? 例えば同じイスラム過激派組織として知られるものでも「ハマス」はスンニ派、「ヒズボラ」はシーア派に属する・・・などと言っても、これではちっとも見えてこない。 乱暴に言えば「シーア派はペルシャの伝統。それ以外の大半はスンニ派」と見ることもできる。だがそれだけでは何を言っているのかサッパリ分からない。 「スンニは多数派でオーソドックス、シーア派は少数派、キリスト教で言えばカトリックとプロテスタントみたいなもんだよ・・・」 修行僧と呼ばれる「ダルビッシュ」 などという話をする人がいたが、これとてわけが分かったようで、中身は何も言っていない。いったいこの「スンニ」と「シーア」の違いとは何な
(英エコノミスト誌 2011年3月5日号) 世界経済に対する脅威は、恐らく投資家が考えている以上に大きい。 石油価格は、世界経済を吹き飛ばすような恐ろしい力を持っていた。そして中東はしばしばその起爆剤となってきた。 1973年の石油ショック、1978~79年のイラン革命、1990年のサダム・フセインよるクウェート侵攻はいずれも、中東が地政学的、地質学的に発火しやすく、大混乱をもたらし得ることを痛烈に思い出させる出来事だ。 アラブ世界で支配者に対する抗議行動の連鎖が起きている今、世界は新たな石油ショックに直面せざるを得ないのだろうか? 心配すべき理由は十分にある。中東と北アフリカの原油産出量は世界の3分の1以上を占める。リビアの騒乱は、1つの革命がたちまち石油の供給を混乱させかねないことを示している。 ムアマル・カダフィ大佐が妄想的な決意をもってその地位を保ち、西側諸国が飛行禁止空域を強制的
ディスカウントストアに行くと、40円前後の値札がついている無名ブランドの缶コーヒーがあります。一般に、缶コーヒーは120円で売られています。価格差がありすぎて、無名のブランドの缶コーヒーはどことなく怪しげですが、有名ブランドと比べて大きな品質差はありません。製造コストもほとんど変わらないはずです。そして、メーカーはちゃんと利益を出しています。 すると「ジョージア」や「UCC」といった有名ブランドは「40円で売れる缶コーヒーに120円もつけて売っているのか!?」「暴利だ! けしからん!」という声が聞こえてきそうですが、そうでもありません。 80円は流通コスト、具体的には自販機の維持管理と商品の補充配送コストなのです。無名ブランドが40円で売ることができるのは、自販機ルートを使わず、ディスカウンターのみを販売ルートにするからです。ディスカウンター専用ブランドを作るなら、有名ブランドメーカーでも
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