武蔵野段丘、南縁の「ハケ」と呼ばれる国分寺崖線を利用した回遊式林泉庭園、殿ヶ谷戸庭園。 JR国分寺駅から徒歩数分の距離にあり、崖の上に広がる芝生地、孟宗竹が美しい竹の小径、鬱蒼とした緑に囲まれた崖下の湧水地など、園内をゆっくり歩いていくと、崖上の洋風庭園と芝生地、崖線傾斜面に生い茂る樹木、さらには崖下では湧水地とその都度景観がガラリと一変する和洋折衷の庭園の趣きを楽しめる名園です。 国指定名勝・殿ヶ谷戸庭園 今回は東京都国分寺市にある国指定名勝・殿ヶ谷戸庭園をご紹介します。 殿ヶ谷戸庭園の歴史 江口定條は三菱合資会社・本社営業部長時代の大正二年(1913)から二年の歳月を掛け、別宅を建て、豊富な湧水を用いた池を辿る自然の魅力溢れる庭をこの地に造ります。 これが現在の殿ヶ谷戸庭園のはじまりです。 港区白金台の八芳園や赤坂の高橋是清翁記念公園の意匠、作庭を手掛けた庭師、仙石荘太郎が江口家別邸と