一定の年齢に達すると役職を外され、実質的な給与ダウンとなる「役職定年」。IT業界でも導入が進んでいるが、一方で現場をリードしてきた50代の管理職が翻弄されている。モチベーションが下がり、長年勤めた会社を去るケースも。50代を襲う“恐怖の役職定年”を探った。 IT業界は他業界に比べて導入率が高い 厚生労働省の「退職金、年金及び定年制事情調査」や、経団連の「中高齢従業員の活躍推進に関するアンケート調査結果」によると、役職定年を導入している企業は約50%に上る。従業員数が増えるほど割合は高く、中小企業の導入は少ない。ただし、導入していない理由は「後任者がいない」「業務への影響大」など、中高齢従業員が活躍する場が存在する企業に限られているようだ。 IT業界はさらに導入率が高いと見られる。多くの企業は非公表だが、NECやNTTデータ、富士通など大手ITベンダーで役職定年を採用している。ほとんどの場合