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2023年7月18日のブックマーク (16件)

  • 「オッドタクシー」ができるまでとこれから。(前編)|CASE STUDY|P.I.C.S.

    2021年4月に放送され、大きな話題を呼んだアニメ「オッドタクシー」。ポップなキャラクターを裏切る、ダークで緻密なストーリーと誰もが息を呑んだ最終回が口コミでの人気につながった。2022年4月には映画も公開され、企画展開催、そして2023年1月には舞台上演など今なおその話題は尽きない。 一風変わった企画は一体どこから生まれたのか? 立ち上げから今までを前後編のインタビューで振り返る。 平賀大介: P.I.C.S. 代表取締役 / プロデューサー 2000年P.I.C.S.の創業に参画、オリジナル作品の企画開発を中心に幅広いジャンルで映像制作に携わる。今まで関わった作品にドラマ「タイムスクープハンター」シリーズ、ドラマ「岸辺露伴は動かない」など。 https://www.pics.tokyo/member/daisuke-hiraga/ 神戸麻紀: PRプランナー / プロデューサー 201

    「オッドタクシー」ができるまでとこれから。(前編)|CASE STUDY|P.I.C.S.
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    早い段階で脚本やコンテが完成していたので、マーケティング的な要素が入る隙がなかったからこそ…。 企画が動き始めたのが2016年ぐらい。そこから21年4月放送です。普通は諦めてしまう長さかもですね。/5年ッッ!
  • 「書くこと」がなくなる事はない|ヤマダヒフミ

    ドストエフスキーは死を前にした書簡で「自分はまだまだ生きたい」「自分にはまだまだ書く事がある」と語っていた。ドストエフスキーという作家の質を考えるならば、もっともだと言わざるを得ない。 ドストエフスキーはいつも、語りきれない何かを感じていた。そこから繰り返し、泉の如く、「書くこと」が現れてきた。しかし、それはドストエフスキーが天才だったから、そういう源泉を所有したという事ではない。源泉は誰にも開かれている。しかし、誰もが自分の背後を振り返ってみない、という事なのだ。 ドストエフスキーの作品は、歪んだ言語で描かれている。全てが間接的で、象徴的で、必要なら俗悪な調子にもなる。ゾシマ長老のように、高尚な言葉が語られる事もある。しかし高尚な言葉も、歪んだ形で現れる。 バフチンは、「ドストエフスキーの小説から格言として取り出せる言葉は一つもない」と語っていた。これは作家の直接的な真理言及がドストエ

    「書くこと」がなくなる事はない|ヤマダヒフミ
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    彼らは、自分の足ではたどり着かない場所を目指したからあれほどの存在になったのだ。我々が、自分自身の中にあるものに深く気づけば、我々が「書く事がない」と悩む事はない
  • 「教養」のある文章を書く為に|ヤマダヒフミ

    例えば、ある評論家がある作家をこき下ろす。それだけ読むと、その作家はもう用済み、コテンパンに打ちのめされて、もう読まなくてもいい存在であるような気がしてくる。 しかし実際に、その作家の書いたものを読むと、彼には彼なりの言い分があって、彼には彼の世界があるし、彼の言っている事も正しいように思えてくる。こうして、読者は、自分が明白な意見を持ち得ない事に不安を感じてくる。 この「不安」というのが教養を持つ為には必要なものだろう。 哲学で言えば、「〇〇主義」を別の「△△主義」が覆した、というような事が言われたりする。これをそのまま受け取ると、古いものの上に新しいものが上書きされたかのような気がする。実際、そんな理解(非ー理解)を取る人も多い。 しかし、実際、古い主義のを読むと、それはそれで、そう簡単に否定できない事が書いてある。新しい主義のものと読み比べても、確かに新展開はあっても、どちらがいい

    「教養」のある文章を書く為に|ヤマダヒフミ
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    彼には彼の世界があるし、彼の言っている事も正しいように思えてくる。こうして、読者は、自分が明白な意見を持ち得ない事に不安を感じてくる。    この「不安」というのが【教養】を持つ為には必要なものだろう。
  • エンタメ批判としての「ドン・キホーテ」|ヤマダヒフミ

    ネットを見ていたら最近の学者が「エンタメと学問の垣根をなくしたい」と語っていた。そこで、どうして、その人がそんな事を言うのか考えてみた。 当たり前だが、エンタメと学問は違うものであり、両者は馴染まないものだ。学問は理性的に世界を追求するが、エンタメは理性を眠らせ、視聴者や読者を陶酔に誘う。 もちろん、高度なエンタメになると、理性による認識も含む。わかりやすい例で言えば、最初から最後まで主人公が傷ひとつなく、成功し続けたり、モテ続けたりするのはもっとも程度の低いエンターテインメント作品と言っていいだろう。異世界に行ったら急にモテたり、なんでもない普通の女の子が、急に大金持ちのイケメンに言い寄られたりするのは、もっとも我々の感性的には気楽で、思考を必要としない作品だ。 これらの作品が高度になってくると、こうした願望成就の方向にも、苦い味わいが混じってくる。例えば、主人公が魔王を倒し、世界を救い

    エンタメ批判としての「ドン・キホーテ」|ヤマダヒフミ
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    だが、こうしたエンターテインメントの方向をどこまでも強くしていっても、おそらくは「文学」とか「芸術」とかいう概念には届かないだろう。そこでは、最初から考えられている哲学が異なっているからだ。/なにーッ
  • 村上春樹、河合隼雄に会いにいく|誠心

    ブルータス年譜によると、短篇集『レキシントンの幽霊』が1996年11月で、その次の著物が翌12月のこれ『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』ということで少し寄り道してみた。 今回よむのは3回目だと思う。短篇ジャーニーに手応えを感じつつ、いっちょここいらで頭の整理でも良さそうだ、ということで手にとって一気に読んでしまった…。 春樹さんの小説のスタイルは1979年にまずデタッチメント(かかわりの回避)からスタート。風の歌を聴け、とか、ピンボールとか、カラっと。 次に物語を語り、次に長篇『ねじまき鳥クロニクル』からコミットメント(かかわり)という3段階を踏んでいる。(作家人生43年とすると1996年って前半に入るんだなぁ…) なぜ最初にデタッチメントを追求していたか、みたいな話もあって、でもそれは自分の立ち位置を明確にするため、だったのですね。 ではそれはなぜかというともう少しさかのぼるけれどキリが

    村上春樹、河合隼雄に会いにいく|誠心
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    なぜ最初にデタッチメントを追求していたか、…でもそれは「自分の立ち位置を明確にするため」だったのですね。□傷というのは物語に入る入口なんです」と私は言ったが、実際私はそう思って、多くの傷ついた人達と話
  • 女のいない男たち|誠心

    2014年の短篇集。 「ドライブ・マイ・カー」 渡利みさきは車の運転をすることで、禅の境地に達するように(文通り)主人公である家福の話をただただ受け止めていく。みさきだからこそ、家福は話せたのかもしれない。 僕はだいたいこういった「無為」でいられる登場人物にいつも心を惹かれる。おそらくそういう人に憧れているのだろう。 「相手を当に見るためには自分を深く見つめる」というのはこの短篇集のひとつのメッセージになっているように思う。 「イエスタデイ」 主人公である木樽は「後天的に関西弁を完璧に習得」した関東人。変わった人物。 これは発達障がいの一種なのだろうか。しかしそんな木樽も何かを必死に求めている。 木樽はイエスタデイにこんな歌詞をつけている。 昨日は/あしたのおとといで おとといのあしたや (ところで嘉門達夫さんのイエスタデイの替え歌もありましたね) 「独立器官」 渡会医師も上記の木樽と

    女のいない男たち|誠心
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    語ることで過去の記憶をよびおこし、それを味わいつくすことで乗り越えていく、という話なのだろうか。一度通り過ぎたものについて「もう一度そこにあったものをしっかり見ておいで」と忠告してくれる人が、
  • 一人称単数|誠心

    およそ1か月半をかけて、村上春樹さんの短篇集13冊(ブルータス年譜の定義による)を出版された順に全て再読した。 読むのはだいたいが3回目で、たまに4回目や2回目というのもあった。 続けて読んでいると、似たような話が多くいささか混乱することも多かった。 その語りぶりから「どこまでが当なのだろう」と常に考えながら読んだせいかもしれない。 一方、プロの小説家であるわけだから、実際の出来事をフィクショナルに語りなおしているのかもしれない。いや、まぁ普通に考えてそうだろう。 今回の最新短篇集『一人称単数』(2020年7月)では、(仮に語り手or主人公≒筆者として)おおむね学生時代の振り返り、その当時出会った、もしくは付き合っていた女性との思い出、弔い、記憶の燃料化といったものが描かれており、そういったことを「清算」していくような話が多かったように思う。 とにかく人の死を通じて語られることがあまりに

    一人称単数|誠心
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    こうして短篇小説を時系列で読み返しても「小説的終活」という印象は否めなかったし、悲しい気持ちにもなりながら、あぁ僕もそろそろ村上春樹卒業なのかなぁ、ともしみじみと感じた。
  • 最後の瞬間のすごく大きな変化|誠心

    僕(以下、僕=誠心)の部屋には棚が無いが机も無い。改めて思う。「これは部屋なのか」と。 1話目の「必要なもの」は、ふと前の夫と出遭った女の人の話。前の夫が「君は何もほしがらなかっただろう?」というが女は心の中で「私は○○や△△がほしかった」と振り返る。 そういや僕はほしいモノがほとんどなくなってしまった。なんだか、モノについてはどれもこれもむなしく思えてしまった。 この話の女の人は別の人格に生まれ変わりたいだの、きちんと図書館を返したいだの、子どもが大きくなる前に戦争を終わらせたいだの…。 とても短い話なんだけど、力強い。持たない人の、精神の乾き、それはエネルギー。それは大切なニュース。大切なニュースは小さな声で語られる(これは1Q84)。この類の勇気を、この短篇集全体からもらうことになる。小さな声。小さな声、大好きだ。 この「必要なもの」に、「すごい奥行き」という感想を寄せていただ

    最後の瞬間のすごく大きな変化|誠心
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    ヤク中の子に寄り添った(寄り添いすぎた?)母はヤク中になるが、一方で子はそこから回復していく…という話を病床の父から物語をせがまれた娘が話す。父は書き直しを命じる。娘は話に肉づけしていくが…一寸先は光
  • アイロニー(皮肉)をもってしか語れない幸福や安寧がある|誠心

    2020/02/15 19:58 に 旧アカウントにて投稿した記事を転載 今日(2/15)の毎日新聞の朝刊の記事より 村上春樹をめぐるメモらんだむ https://mainichi.jp/articles/20200215/ddm/005/070/007000c ※著作権が絡むかもしれないので新聞記事は載せません そしてこの記事のポイントは ・モラリティ(道徳性)をもってしないと描ききれない非モラルな状況がある ・アイロニー(皮肉)をもってしか語れない幸福や安寧がある ・ユーモアと優しさをもってしか語れない絶望や暗転がある そして記者は 「ハルキ・ワールドの特色を絶妙に表現した言葉」 と、説明しています。 僕はすごく納得、共感しました。 新聞記事には「チーヴァーの小説では泥棒に入る話でも、盗み方が礼儀正しい。(中略)浮気しても割に礼儀正しい。悪徳とか背徳とか、そういうものが顔をのぞかせても

    アイロニー(皮肉)をもってしか語れない幸福や安寧がある|誠心
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    悪徳とか背徳とか、そういうものが顔をのぞかせても、なぜかドロドロしない」と、あります。 つまりのところ「幸福を伝えるために皮肉を交える」とか 「絶望を伝えるためにユーモアを交える」とか
  • 「作家は経験した事しか書けない」について|ヤマダヒフミ

    「作家は経験した事しか書けないかどうか」というのが話題になっていたと知りました。またそれに関連する話も少し見ました。 まあ、世の人というのはくだらない事についてあれこれ言うのが好きだなあ…という以上の感想はないのですが、そういう事に言及したければまっとうな芸術論に当たればいいと思います。それだけの事だと思いますが、それだけの事がやりたくないので、世間的な通念で難解な問題を割り切りたいというのが大衆的欲望なのだろうと思います。いつの日にか、凄まじく単純な概念であらゆる難解なものを割り切れる日が来るでしょう。例えば、売上によって作品の価値は決まるとか。まあ、そんな事はずっとやられてきましたが、その反対の側に運動する人も少数いました。居宣長や小林秀雄なんかはその少数の人でしょう。 「作家は経験した事しか書けないかどうか」というのは考えるに馬鹿馬鹿しい事ですが、ここでわざわざ取り上げたのは、少し

    「作家は経験した事しか書けない」について|ヤマダヒフミ
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    哲学者も文学者も、人々がスタート地点だと思っている所を逆に戻る事によって進歩するのではないか □そういう浅はかな人達は、現実には勝てません。現実は常に彼岸にとどまり続ける事になります。優れた作家は挑む
  • 悪者のいない世界。|テモテモ

    全国350万人の競馬ファンの皆様、こんばんは。 今日は競馬とは全く関係ないけど、ちょっと真面目に創作の話をさせていただきますよ。 漫画小説など、創作をしている方はたくさんいると思います。物語の方向性やテーマ、伝えたいことなど、その創作ごと・作者ごとに異なりますよね。 そんな創作活動の中でも、「これだけは譲れない!」というポリシーはありますか? 私はあります。 今日はその事について語りたいと思います。 早速ですが、私の創作におけるポリシーは 「悪者を作らないこと」です。 物語の展開上必要な悪役もいると思います。でも、そんな必要な悪役も「嫌われもの」にはしないようにしています。 完全なるヒールがいた方が物語に深みが出るのかもしれません。ですが、自分はそれができないのです。 それはなぜか? 私は自分が嫌いなキャラと長きに渡って付き合う自信がないのです。 自分が嫌いなキャラを物語が終わるまで描き

    悪者のいない世界。|テモテモ
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    それはなぜか? 私は自分が嫌いなキャラと長きに渡って付き合う自信がないのです。 自分が嫌いなキャラを物語が終わるまで描き続ける…。想像しただけでちょっとイヤですね
  • 藤本タツキ 「ルックバック」を読む|ヤマダヒフミ

    藤本タツキの「ルックバック」を読みました。以下、ネタバレありで感想を書きます。 藤本タツキに関しては「チェンソーマン」という漫画を知った時に(面白そうだな)と思いました。「チェンソーマン」は全巻読んで、ある程度の感想は持っています。その話は後で出てくると思います。 「ルックバック」という読み切り短編漫画もネットで評判だったので、気になっていました。無料公開していて、その内無料で読もうと思ったらいつのまにか、公開が終わっていて、紙で買う羽目になりました。 内容に入ります。「ルックバック」は漫画家を目指す少女二人の話です。 学年新聞に4コマ漫画を載せている藤野が主人公です。藤野は自分の画力に自信を持っていましたが、ある時、京という謎の引きこもり同級生が学年新聞に4コマ漫画を載せます。その漫画は藤野よりも遥かに高い画力を持つもので、藤野は京に嫉妬します。 藤野は画力をあげようと努力し続けます

    藤本タツキ 「ルックバック」を読む|ヤマダヒフミ
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    深刻な暴力は我々のすぐ側にあるし、もっと正確に言えば、我々の内部にもあります。今まではそれを糖衣にくるんでごまかしてきていたのです。藤本タツキはそうした暴力性に勘付いている部分があります。
  • 『線でマンガを読む』植芝理一|鰯崎 友

    奇怪な事件が起こっている。とある女学校にて、数ヶ月のあいだに中等部の24人もの生徒が妊娠したのだ。学校は性的モラルの乱れとしてその生徒たちを停学処分にしたが、検査の結果、生徒たちは当に妊娠していたわけではなかった。病院は彼女たち全員を、なんらかの精神的な抑圧で、身体が妊娠したときと同じ様子になる、「想像妊娠」だと推定するが、原因は分からない。 『夢使い』というマンガを、ざっくりと説明するならば、京極夏彦の影響を色濃く受けた伝奇ミステリに、萌えマンガの要素をつけたした作品、とでも言えるだろうか。遡れば江戸川乱歩、ディクスン・カーの系譜だ。片や思春期の少女の性にまつわる事件をとりあげたものとしては、『ピクニックatハンギング・ロック』『ヴァージン・スーサイズ』などの影響も感じられる。しかし、このマンガの作者、植芝理一は地道に人類学、民俗学の資料を集めたとみえて、ただの二番煎じには終わっていな

    『線でマンガを読む』植芝理一|鰯崎 友
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    このマンガ作品が特殊なのは、本編の伝奇ミステリの世界とは別に、本来は物語の影であるはずの背景画が、それじたいで一個の世界観を形作るまでに膨張していることだ。メインの絵と同じくらいか、もしくは…
  • DiVAR ‣‣ TAME ‣‣ 2:インフレーション

    2-1 利害不一致 「で、どうだった?」 今回の抜け駆けにクレームをつけ終えて、ジーナが尋ねる。 「視野、二次元だった」 「……そうだっけ?」 「文字は単色、動かない」 「うん」 「音には色も形もない。街は灰色ばっか。ジーナは思ったより背が高い」 「不服ですか」 「いや、これで合ってるのか不安なんだ。僕は今、ジーナと同じものを見ているのかなって」 「失礼だな……大体合ってると思うけど。キャリブレーションしとく?」 「いや、まだ大丈夫。お化けが見えたら頼むよ」 「……了解」 長年の謎の答え合わせをするように、サロは文字を学び、自然やモノの造形を見て回り、好きだった映画を観て過ごした。世界の応答がこんなにも早い。サロはまるで脳が頭蓋という檻を脱出したかのような開放感を覚えた。ジーナにねだって公園を散歩すれば、『青空』『夕焼け』『鮮やか』といった語彙の質感が染み入るように分かった。 「あ、え、ち

    DiVAR ‣‣ TAME ‣‣ 2:インフレーション
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    兄は程なくして一人で生活できるようになった。ジーナの胸は苦しくなる一方だった。…その役目を、徐々に、確実に奪われていく。その犯人はあろうことか兄だった。
  • DiVAR ‣‣ TAME ‣‣ 1:虚時間

    Direct-View AR 京都AL OSI-1.1 IDEAL に接続中…何かが顔の前に貼り付いているのだと思った。 常に、膜のような何かが顔の前にある。手で触れても剥がせない。どうやらこれが『視野』という質感らしい。 初めのうち、東雲しののめサロはこれをどうしたらいいのか分からなかった。見たいものなら無数にあったはずが、今はそれどころではない。目を瞑っていても、『無』以外の色がぼんやりと見える。皆、邪魔に思わないのだろうか。 これは『文字』です。 再生中の音声と対応しています。 depth 0 相当の視覚補助を準備しています――0%サロはDiVARディヴァの初回起動でお化けが見えるという噂を思い出した。恐怖感を煽るものが見えるらしい。しかし、この恐怖感は見える造形によるものではないと、サロは思う。恐怖を感じる色や形など、そもそもサロの経験にはない。どの造形が自分に害をもたらすのか、分

    DiVAR ‣‣ TAME ‣‣ 1:虚時間
    noitseuQ
    noitseuQ 2023/07/18
    この孤独は「何かを成し、何かを得ていく人生」の初期設定だと。「何になりたいの?」「…名前という箱じゃなく、中身の質感が知りたいんだ」
  • DiVAR / IA ― Science ver.