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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (135)

  • 「アミロイド斑に伴う腫れがアルツハイマー病の真の原因」との研究結果

    アルツハイマー病患者の周囲のアミロイド斑 (水色) の腫れは、認知症の症状の原因である可能性がある Yale University <アミロイド斑に伴う腫れがアルツハイマー病の真の原因である可能性を明らかにした......> 脳内でのアミロイド斑の形成はアルツハイマー病の特徴だ。脳内で生成されるタンパク質の一種「アミロイドベータ」の凝集を抑制する医薬の研究開発がすすめられているが、臨床試験ではまだはっきりとした成果が出ていない。 米イェール大学の研究チームは、アルツハイマー病のモデルマウスを用いて、アミロイド斑に伴う腫れがアルツハイマー病の真の原因である可能性を明らかにした。その研究成果は2022年11月30日付の学術雑誌「ネイチャー」で発表されている。 脳の神経細胞をつなぐ軸索に沿って球状の腫れが蓄積する これによると、アミロイド斑が形成されるごとに、アミロイド斑の近くで、脳の神経細胞を

    「アミロイド斑に伴う腫れがアルツハイマー病の真の原因」との研究結果
  • 「アルツハイマー病は脳疾患ではないかもしれない」との仮説

    「アルツハイマー病は脳疾患ではなく自己免疫疾患である」との仮説...... Dr_Microbe-iStock <「アルツハイマー病は脳疾患ではなく、脳内の免疫系障害なのではないか」との仮説が話題に......> アルツハイマー病は長年、脳疾患と考えられ、脳内で生成されるタンパク質の一種「アミロイドベータ」の凝集を抑制する治療法について研究されてきた。 なかでも、2006年3月16日付の学術雑誌「ネイチャー」に掲載された「『アミロイドベータスター56(Aβ*56)』というオリゴマー種がアルツハイマー病に関連する認知障害に寄与している可能性がある」との研究論文は、アルツハイマー病の早期治療法の確立に向けた有望な成果として大いに注目された。しかし2022年7月、学術雑誌「サイエンス」で「この研究論文は画像操作され、結果が捏造されたおそれがある」と報じられている。 <参考記事> アルツハイマー病

    「アルツハイマー病は脳疾患ではないかもしれない」との仮説
  • トム・ハンクスの新境地は、エルビス・プレスリーの胡散臭いマネージャー役

    世界の目がプレスリー(オースティン・バトラー)に集まるなか、パーカー(ハンクス)はいつも目立たない場所にいた COURTESY OF WARNER BROS. PICTURES <なぜ自身が得意としてきた、素朴でまっとうな善人のアメリカ人ではなく、プレスリーを搾取した抜け目ない、利己的な商売人役を引き受けたのか? ベテラン俳優が魅せられた、豪腕マネージャー「パーカー」のエネルギー> トム・ハンクスといえば、多くの映画に出演し、アカデミー賞をはじめ多くの賞を獲得してきた大物俳優だ。その彼でさえ、エルビス・プレスリーのマネジャー役を打診されたときは驚いたらしい。 映画『エルヴィス』のバズ・ラーマン監督が初めて会いに来たとき、「一体どうして私のところに来たのか、さっぱり見当がつかなかった」と、ハンクスは振り返る。 ハンクスが得意としてきた役は、素朴でまっとうなアメリカ人だ。これに対してマネジャー

    トム・ハンクスの新境地は、エルビス・プレスリーの胡散臭いマネージャー役
  • 治験中のがん新療法、18人全員の腫瘍が6ヶ月で消失 専門医「前代未聞」

    がん細胞が消えた...... 写真は、ヒト結腸がん細胞 NCI Center for Cancer Research/Urbain Weyemi, Christophe E. Redon, William M. Bonner <手術の必要もなく、薬の服用だけですべての患者が寛解に至った> アメリカで行われた小規模な臨床試験において、参加者全員のがんが消失する結果が確認された。研究に直接参加していないがん専門医も、「前代未聞」の効果だと述べ驚きをあらわにしている。 この臨床試験は、特定のタイプの直腸がんの患者を対象としたものだ。より多くの患者に適用するため現在も治験が続けられており、現在のところ18名に対して実施が完了している。治療薬のドスタリマブを従来よりも早い段階で投与したところ、これら18名において、投薬開始から6ヶ月後までに100%のケースで腫瘍が消失していることが確認された。 患者

    治験中のがん新療法、18人全員の腫瘍が6ヶ月で消失 専門医「前代未聞」
  • 60日かけて遺体を土に還して「堆肥」にする「テラメーション」が人気に|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <人の遺体をおがくずなどと共にじっくり眠らせ、微生物の働きで土に還す。火葬や土葬よりはるかに地球に優しい新たな葬法が、特に若い世代から注目を集めている> 地味だが荘厳な葬儀の仕事を、自分の天職と心得る人もいるだろう。だが、私は違った。40代半ばまでは金融畑の仕事をして、中国アメリカを忙しく行き来していた。とても充実していた。でも、そこへ転機が来た。当に意味のある仕事がしたい、この地球に何かの恩返しがしたい。そう思うようになった。 私の住む米ワシントン州は、2019年にアメリカで初めて「テラメーション」を合法化した。火葬でも、棺に納めて土に埋めるのでもなく、遺体を自然に土に還す葬送の仕方だ。この話を聞いたとき、当時70代後半だった母は、自分もそうしてくれと言った。 人は誰でも死ぬ。だからこそ地上で最後の行為は持続可能で、地球に恩返しできるものにしたい。だが、火葬も納棺土葬も持続可能には程

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  • マジックマッシュルームがもたらす幻覚が、「鬱病」を劇的に改善

    <マジックマッシュルームの有効成分「シロシビン」と「LSD」が、精神科医療に過去30年で最大の進歩をもたらす可能性> アーロン・プレスリー(34)は大人になってからの大半の期間、自分を抜け殻のような、ゴミのような存在だと感じてきた。現実がひどく単調に感じられ、朝ベッドから出るのも大変なほどだった。ところがあるきっかけで、重くのしかかっていたの霧が晴れてきた。 プレスリーはジョンズ・ホプキンズ大学病院の精神科のソファに横たわり、アイマスクをしてヘッドフォンからロシアの合唱隊が歌う聖歌を聴いていた。大量のシロシビン(幻覚を引き起こすキノコ「マジックマッシュルーム」の有効成分)を投与された後で、彼は明晰夢ともいうべき境地に入っていた。幻覚の中で家族の姿や子供時代の情景を見て、長い間忘れていた強い愛情を感じた。「地上の楽園という感じ」だったと彼は言う。 ジョンズ・ホプキンズ大学は精神療法とシロシ

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  • 動物界一の酒豪、ハムスターの強さは別格|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    アルコールを経口摂取した場合、ハムスターの肝臓はエタノールの処理に「非常に効率的」で、血液中にはほとんど含まれないとされる> 世界一の酒豪と聞けば、体躯の良い人物。動物界なら、巨漢のゾウとかサイが思い浮かぶが、実際はそうではない。ゾウは体は大きくても、アルコール代謝の遺伝子を欠いているから酒に弱い。人間はというと、発酵した果物を地面から拾って進化してきた先祖のおかげで、他の生き物に比べるとアルコール耐性はそれなりに強い。当のチャンピオンは、あなたが予想するよりも貧弱で可愛らしい生き物だ。 先日投稿された英国の医師トム・ロートン氏のツイッターによると、動物界で最も酒に強いのはハムスター。その強さは別格だ。「ハムスターはアルコールが大好きで、水よりもエタノール(アルコール濃度15%)を飲むことを好む。相対的に人間が死に至るような量にも耐えることができる」という。 In conversati

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  • 米農家、土壌の健康を回復し炭素を吸収する「カバークロップ」に着目

    米イリノイ州で農家を営むジャック・マコーミックさんは昨秋、農閑期の作物として大麦とラディッシュを350エーカーに植えた。写真はオハイオ州プレーンシティーで2021年5月撮影(2022年 ロイター/Dave Gruenbaum) 米イリノイ州で農家を営むジャック・マコーミックさんは昨秋、農閑期の作物として大麦とラディッシュを350エーカー(約142ヘクタール)に植えた。だが収穫するつもりはない。春になれば除草剤で枯らした上で、同じ土壌に大豆を植える予定だ。 この大麦とラディッシュは用には使われないが、植えれば独医薬品・農業大手バイエルがマコーミックさんに報酬を支払ってくれる。排出された温室効果ガスを吸収する「カバークロップ(作物)」として、バイエルに「カーボン・オフセット・クレジット」をもたらすからだ。 カバークロップを植える目的は、土壌の回復や土地の浸緩和に加え、光合成を通じて大気から

    米農家、土壌の健康を回復し炭素を吸収する「カバークロップ」に着目
  • クジラが食べるとオキアミは増える...海洋環境を支える「オキアミのパラドックス」

    べる量も驚異的なら、出す量も驚異的。個体情報の宝庫であり、多くの海洋生物の恩恵にもなるクジラの排泄物の奥深さに迫る> クジラはこれまで考えられていたよりも大量にふんを出している可能性があることが、科学誌ネイチャーのオンライン版に11月初めに掲載された論文で明らかになった。 研究チームはヒゲクジラ類の体にセンサーを取り付け、ドローン(無人機)で追跡。摂餌量(べる餌の量)を調べ、ふんの量を推定した。 これまでは胃の内容物や飼育下の個体を調べて摂餌量とふんの量を推定していたが、今回の調査でこれまで考えられていた量の約3倍のオキアミをべていることが分かった。べる量が多ければ、当然出す量も多くなる。 論文の執筆者の1人でスタンフォード大学ホプキンズ海洋基地の研究員マシュー・サボカは、ふんの量についてはまだ最終的な結論は出ていないと断りつつ、確実なことが1つあると話す。クジラが大量にふんを出

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  • ネコはいつでも飼い主を思っていた...常に居場所を頭の中で追跡との調査結果が|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <飼い主が見えない場所にいるときでも、ネコは『ここにいるだろう』と思い描いているらしいことが分かってきた> ネコは、飼い主が見えないところにいるときでも、その居場所を「頭の中で思い描いている」ことが、研究で明らかになった。ネコは、飼い主の声を頼りに心的イメージをつくりあげながら、その動きを追いかけているのだという。 京都大学で心理学専修博士課程を修了した、麻布大学特別研究員の高木佐保を中心とする研究チームは、飼い主と見知らぬ他人の声を使って、ネコに関する一連の実験を行った。 米国獣医師会(AVMA)によると、2017~18年にアメリカで飼われていたネコは5838万5725匹。4世帯に1世帯が、少なくとも1匹のネコを飼っていた。 ネコは一般的に、犬よりも飼い主に対する態度がよそよそしいと考えられている。2013年の研究では、ネコは飼い主の声を認識しているものの、無視を決め込んでいることがわか

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  • 「亜鉛が風邪の予防や治療に役立つ可能性がある」との研究結果|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <豪州の西シドニー大学の研究によって、亜鉛が風邪の症状を予防したり、有症期間を短縮できる可能性があることがわかった> 亜鉛が風邪やインフルエンザ様といった急性ウイルス性呼吸器感染症の症状を予防したり、有症期間を短縮できる可能性があることが明らかとなった。 豪州の西シドニー大学ジェニファー・ハンター博士らの研究チームは、計5446名の成人を被験者として米国、西欧、中国、豪州で実施された28件のランダム化比較試験(RCT)をメタ解析し、その研究成果を2021年11月2日、オープンアクセスジャーナル「BMJオープン」で発表した。 対象となったランダム化比較試験のうち4件は亜鉛の予防効果を検証したもので、17件はウイルス性呼吸器感染症と一致する症状の治療に関する研究であった。また、一般的な風邪を引き起こすヒトライノウイルス(HRV)に被験者を意図的にさらし、その予防や治療への亜鉛の効果などを検証す

    「亜鉛が風邪の予防や治療に役立つ可能性がある」との研究結果|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 米FDA、ロシュのアルツハイマー治療薬を画期的治療薬指定

    スイスの製薬大手ロシュは10月8日、アルツハイマー病の治療を目的に同社が開発した抗体医薬品「ガンテネルマブ」が、米品医薬品局(FDA)によるブレークスルーセラビー(画期的治療薬)指定を取得したと発表した。2012年4月、スイスのロートクロイツで撮影(2021年 ロイター/Michael Buholzer) スイスの製薬大手ロシュは8日、アルツハイマー病の治療を目的に同社が開発した抗体医薬品「ガンテネルマブ」が、米品医薬品局(FDA)によるブレークスルーセラビー(画期的治療薬)指定を取得したと発表した。 ガンテネルマブは、アルツハイマー病の原因物質とみられる「アミロイドベータ」を阻害する。ロシュによると、FDAの指定は、現在実施中の治験(臨床試験)で脳のアミロイド斑が著しく減少したことを示すデータに基づいている。 同社の最高医療責任者(CME)でグローバル製品開発トップのレビ・ギャラウェ

    米FDA、ロシュのアルツハイマー治療薬を画期的治療薬指定
  • DNAに残された古代のウイルスの痕跡は「ジャンクDNA」ではない......細胞が免疫化されている

    <古代のウイルスの痕跡はあらゆる動物のゲノムに残されており、何ら機能を持たない「ジャンクDNA」だと考えられてきたが、ウイルスへの感染防御に寄与している可能性があることが明らかに> 「内在性ウイルス様配列(EVE)」とは、ウイルスのゲノム配列が生物の生殖細胞系に感染することによって宿主ゲノムに内在化したことに由来するゲノム配列である。このような古代のウイルスの痕跡はあらゆる動物のゲノムに残されており、ヒトゲノムでは内在性ウイルス様配列が約8%を占めている。 これまで、内在性ウイルス様配列は、何ら機能を持たない「ジャンクDNA」だと考えられてきたが、ウイルスへの感染防御に寄与している可能性があることが明らかとなった。つまり、内在性ウイルス様配列は、意味があって、世代を超えて受け継がれ、そのまま残されてきたのだ。 恐竜時代に有袋類のDNAに組み込まれたボルナウイルスも 豪ニューサウスウェールズ

    DNAに残された古代のウイルスの痕跡は「ジャンクDNA」ではない......細胞が免疫化されている
  • 動画サイトの視聴で広がる集団疾患、世界の若年層で報告相次ぐ

    ある動画を視聴した若者たちのあいだで、意思に反して突発的に顔を歪めたり汚言を吐いたりする症状が急増した Михаил Руденкo-iStock <ネット上の動画を再生した一部の若者たちが、昨年から身体の不規則な動きや意図しない奇声などに悩まされるようになった> 一部の動画を視聴した若者たちのあいだで、意思に反して突発的に顔を歪めたり汚言を吐いたりするなどの行動が見られるようになっている。昨年ごろから症例が急増し、世界各国で症例の報告が相次ぐ。トゥレット症と呼ばれる既存の症状によく似ているが、伝播のパターンと発現のメカニズムが異なることから、一部研究者たちは新たな症状だと位置付けている。 一例としてイギリスでは、ある日から14歳少女の身体が散発的に、意思とは関係なく動くようになった。英医学誌の『BMJ』に掲載された論文によると、少女は急に首を突き出したり、雄叫びをあげたりする挙動を示して

    動画サイトの視聴で広がる集団疾患、世界の若年層で報告相次ぐ
  • すれ違っただけで感染!? デルタ株、驚愕の感染力が詳細分析で明らかに...?

    いつになったら収まるのか・・・まったく先が見えない新型コロナウイルスの世界的パンデミック…(Credit:JONGHO SHIN-iStock) シドニー東部地区で、43日間ぶりに新規市中感染ケースが確認され、6月19日時点で6人に増加。クラスターとなり、しばしコロナ・フリーを謳歌していたシドニーも、にわかに騒がしくなってきた。 なぜならば、このクラスターの最初の感染者が、今、「従来型よりも感染力が高い」と言われている『デルタ株』であることが、ゲノム解析で判明したためだ。 デルタ株は、インドで爆発的に感染拡大し、同国を地獄絵図に変えたとも言われる感染力の高い変異株。拡散が速く、これまで感染力が高いと懸念されてきた英国由来の「アルファ株」より、2倍程度の感染力とも言われ、アルファ株と比較して入院リスクが高まることも指摘されている。(参照) さらに、このシドニーのデルタ株感染ケースを詳細に分析

    すれ違っただけで感染!? デルタ株、驚愕の感染力が詳細分析で明らかに...?
  • オーストラリア、一面クモの巣で覆われる

    <6月中旬、豪雨と洪水に見舞われた豪ビクトリア州ギプスランドで、低木帯が一面、クモの巣に覆われ、その様子をとらえた動画がSNS上で話題となっている> 2021年6月中旬、豪雨と洪水に見舞われた豪ビクトリア州ギプスランドで、低木帯が一面、クモの巣に覆われ、その様子をとらえた動画がSNS上で話題となっている。クモの巣に無数に点在する黒い点は、普段、落葉や土の中に生息しているクモだ。 Parts of #Gippsland are covered in #spider web??!! The little black dots are spiders. There is web as far as the eye can see. This is near Longford #Victoria thanks Carolyn Crossley for the video pic.twitter.c

    オーストラリア、一面クモの巣で覆われる
  • 無残な民族浄化の「首謀者」に日本が叙勲...恥ずべき過ちだ

    政府から旭日重光章を授与されたツェリン元駐日大使 MINISTRY OF FOREIGN AFFAIRS, ROYAL GOVERNMENT OF BHUTAN <日が叙勲したブータンの元駐日大使は、かつて行われたネパール系住民の追放と弾圧の首謀者だった> 日政府は4月末、ブータンのダゴ・ツェリン元内相に名誉ある旭日重光章を授与すると発表した。「日・ブータン間の関係強化および友好親善に寄与した」というのが叙勲の理由だ。ツェリンは1999~2008年に駐日ブータン大使を務め、両国間のハイレベル訪問や文化交流を促進した点が高く評価された。 日はツェリンの過去を知らないのだろうか。数十年前に当局の手で祖国を追われ、生活が一変したネパール系ブータン人は、この決定にショックを受け、困惑している。 1990年8月17日、ツェリンは内務副大臣の立場で、国外に逃れた南部のブータン人の国籍を剝奪

    無残な民族浄化の「首謀者」に日本が叙勲...恥ずべき過ちだ
  • ワクチンvs変異株、パンデミックが想定以上に長引く可能性

    <科学者たちはウイルスの進化を追跡してきた。「今あるワクチンは依然として有効だ。新たな変異には実験室で対応するしかない」と米ロスアラモス国立研究所のコーバー博士は言う(後編)> ※前編より続く:ワクチン接種進むアメリカで「変異株の冬」に警戒が高まる 今後の感染状況にまつわる不確実性を特定の変異株のせいにしてしまえば、新型コロナウイルスとの闘いの複雑性や困難さを見誤ることになる。 そもそもウイルスは変化する環境に適応し続けるものであり、変異株の出現はその過程のスナップショットにすぎない。 1年以上前のパンデミック発生時、科学者たちはこのウイルスの進化を追跡する作業を始めた。感染者から検体を採取してゲノム配列を確定し、データベースに登録して世界で共有したのだ。 その代表格である情報データベースGISAIDには、172カ国で採取された新型コロナウイルス感染者の検体140万件以上のゲノム配列が登録

    ワクチンvs変異株、パンデミックが想定以上に長引く可能性
  • ソーセージにサヨナラ? ドイツが世界No.1ヴィーガン大国へ

    大豆、ビートルート、ニンジンなどの植物から作られているヴィーガン向けソーセージ REUTERS/Michele Tantussi <ドイツの若者の間では菜志向が強かったが、ついに2020年、肉消費量が過去最低を記録した> ドイツ料理といえば肉とソーセージ......そのイメージが過去のものへと変わりつつある。新型コロナウイルスのパンデミックを経て、生活はこの1年で大きく変わった。以前からドイツの若者の間では菜志向が強かったが、ついに2020年、肉消費量が過去最低を記録し、さらに2019年より39%多くの肉代替製品(大豆など植物ベースの肉風製品)が生産されたとドイツ連邦統計局(Destatis)が14日に発表した。 またドイツは、ヴィーガン(完全菜主義、または動物性のものを完全に排除するライフスタイル)飲料の新規商品発売の世界有数の市場でもある。ロンドンを拠地とする私立市場調査会

    ソーセージにサヨナラ? ドイツが世界No.1ヴィーガン大国へ
  • インドのコロナ地獄を招いた張本人モディの、償われることのない重罪

    <感染爆発で死者急増のインド、その「戦犯」は過信から備えを怠ってきたモディ首相。ただし彼は国民の悲劇を自らの利益に変えかねない> わが国は「新型コロナウイルスを効果的に抑え込み、人類を巨大な災禍から」救った──。インドのナレンドラ・モディ首相がオンライン会合のダボス・アジェンダ(世界経済フォーラム)で、そう高らかに宣言したのは今年1月28日だ。 それから3カ月。気が付けばインドは世界最悪の感染地となり、医療崩壊が現実となった。首都ニューデリーでは医療用酸素が不足し死亡する患者が続出。最先端の設備を備えた病院でさえ政府に「もっと酸素ボンベを」と訴えている。火葬場はフル稼働で、燃やす場所も薪も足りない。 遺体を自宅の庭に埋める人もいる。路上に薪を積んで遺体を焼く人もいる。首都圏以外の状況はもっとひどい。南インドにいる知り合いの記者は筆者に、「ハエが落ちるように」人が死んでいると電話で伝えてきた

    インドのコロナ地獄を招いた張本人モディの、償われることのない重罪